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煙の民ヨハネ  作者: 牛タン
第一章 旅人の始まり
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第五話 抑圧した悲願

 テスカーは壁一面に並ぶ武器や、棚に整然と並べられた武器に、見惚れながら、しかし落ち着かずキョロキョロと見渡した。


「わー!どれもカッコいい!!」

             キラーン


 槍に刀、短剣――種類は豊富だった。


「お兄ちゃん!見てこれ!」

「買って!」


 指差した先にはバスターソード。

 この少年の体では到底扱えないと分かるほどの大きさだった。


 ブフッ


「お前にバスターソードは無理あるだろ」

 ロークは笑いながら、棚の上の果物ナイフを手に取る。

「そんな大きいのやめて、これにしなさい。」


「えー…………」

(なにこれちっさ。こんなの使いたくないしダサいー!)

「なんでも買ってくれるって言ったじゃん」

「この嘘つき」


「そんな非力な体じゃ一振りもできないだろ。買ってどうする」


(……確かに)

「でもカッコいいし欲しい」


「こんな大荷物を抱えて旅とか絶対やだ」


「ぅぅぅ……」


 お互い睨み合い、空気がピリつく。

 ロークは腕を組み、テスカーは怒った顔になる。その光景を見た店主らしき人物は間に入った。


「何かお困り事でしたら、お手伝いしましょうか?」


「これが欲しいの!」


「買わないって!」


「困ってるんですね。」

 店主はロークをちらりと見る。ロークは小さく頷いた。


「このバスターソードよりカッコいい武器、たくさんありますよ。」

 店主はロークをチラチラ見ながら言う

「短剣…?」

 ロークは黙って頷く


「この店で一番カッコよくて、有名で……とても人気な短剣を見てみませんか?」


 ――わざとらしく二度言った。


 テスカーはあっさり乗った。


「見たい!見たい!」


「こちらです」


 店主はカウンターに向かう。


 ロークは内心ほっとした。


 カウンターに着くと、店主は隠し扉のような場所から一本の短剣を取り出した。


「こちらになります。」


 30cmの短剣で少し装飾が施されている。刃の色は水色かのように青く透き通っており、波紋が見えだす。刃は、氷魂金(ひょうこんきん)が使われ、放たれる冷気は涼しく気持ちいい。持ちては安眠の国に特定地域で生えている氷哭(ひょうこく)()が使われていた――


(うん…これ絶対買えないやつだな)


「これこれこれこれ!!!」


(食いつきすごいな…さっきまでのバスターソードの熱意はどこいった。)


「いくらですか?」


「109ゴールドです」


 予想より遥かに上回った額、ロークの所持金は30ゴールドと25シルバー。

「はい?」


「109ゴールドです。」


(スゥー……)


「他にもありませんか?20ゴールドで買えるの」


「お兄ちゃん??」


「そんなに金ないんだよ」


「あー。それでしたら……」


 がさこそと店主は床にある扉を開ける。


「よいしょっと」

「こちらがいいと思いますよ」


 その短剣は25cmだった。見た目はシンプルで、刃には小さな穴が五つ並んでいる。灰色で軽量化重視のコンパクトさだった。この短剣は狩人に向いている武器だ。


「おー!!アルティメットナイフ!」

「上等品じゃん!」


 すぐに真顔になるローク。


「テスカー、これにしろ、絶対にこれにしろ」


「お兄ちゃんが欲しいだけじゃん……」


「これにしますか?」


「それで」


 ――結局ロークの買い物になった。


「毎度ありー」

 店主はニッコニコだ


 武器屋から出てちょっとして。


「約束と違うじゃん…」


 ギクッ

「いや…テスカーの為に思って買ったんだぞ」

「ほらこれ見てみろよ、かっこいい」


(はぁぁ)

「…………分かったよお兄ちゃん。」


 残念がるテスカーだが、確かにちょっとかっこいいと、心の端では思っていた。それが救いだったのかも。


 15番目の所に行きバッシュドチキンを食べた。


「あー美味しかった。」


 モグモグ

「美味しいね!この肉!」


 ()()()()()()()()なのか、結構食べるテスカー


「よく食うなー。」

「金銭的にも、もうやめて欲しい…」


 食べ終わり13シルバー払った。


「もう外は暗くなってきたな、旅に出ようかテスカー。」


「うん!」


 2人は村から出た。


「お兄ちゃん」


「なんだ?」


「仮面の人って悪い人なの?」


「悪い人だ」


「でも何もしてなかったよ?」


「しなかったに過ぎない」

「目的は、なんであれ仮面の騎士団は悪なんだ」

「灰人は何があっても信用するな。」

「それに七回目のラッパも近い…」

「…何か計画でもしてるんだろう。」

「待て、」


 遠いが、さっきの鈍の仮面が居た。そして隣に、燃えるような赤い色をしている馬がおり、その上には上裸で筋肉質な男だった。仮面らしき物は付けておらず、作り物のような、気味の悪い笑顔だった。あれが()()なのだろうか。下半身は、腰に布がギザギザに破けてるように見え、上に張っている。灰色のダボダボのズボンを着て、膝と(すね)には馬と同じ色の甲冑を装備している。それから裸足だった。肌の色を見ればすぐに分かる。灰人だ。何か話しているようだ。


(あの見た目と赤い馬は…仮面の王!)

「テスカー…早くここから出よう。」


 焦りで手元がぐらつくが、テスカーを担ぎ急いで違う方角に行く。


「わわわっ!」


 仮面の王は、確かにこちらを見ていた。

 ――だが、()()()()視線を外した。




 娯楽の国の王が、なぜ条約を破り外に出ていたのかは分からないが、恐ろしいことを考えていたかもしれない。()の忠告、いや()の存在が居なかったらロークは瞬殺されていただろう。


「王よ、あれが煙の子です」


「ケヒッ……ご苦労だぁぁ」

「くれぐれも、私の大きい剣を持て余すなよ」

「ロストよ」

読んでくれてありがとう!

ブックマークと感想、評価してくれたら励みになります!

この物語の構成は最終章まで考えてます。

それと400年前の時代の物語もあり、それも出して連載しようと考えております。


素材紹介

「氷魂金」

この金属は安眠の国の方角にある鉱石で、−150°あり危険。加工方法は特殊。氷魂金が使われている物は基本高い。


「氷哭の樹」

安眠の国に特徴地域で生えている木。冷気を吸収して硬度を高める特殊な木だ。

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