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イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜  作者: 天咲リンネ


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32/33

32:爆弾発言、投下!(1)

「この手じゃ何も書けないな。板書、どうしよう」

 青空の下、三人並んで通学路を歩きながら、千聖くんは包帯に巻かれた手を見た。

 夏の朝は眩しい。朝陽がコンクリートに反射して、目が痛いほどだ。


「私が書いたやつ、コピーする?」

「ああ。必要だったらそうさせてもらう。国語の授業で作文とかなきゃいいけどなー。もうすぐ夏休みで良かった。不幸中の幸いってやつだな」

 そんなことを話しながら歩いていると、前方――電柱の傍に帽子を被った春川さんが立っていた。


「あれ、春川? おはよう」

「おはよう。怪我は大丈夫?」

 春川さんは足早に千聖くんに近づいた。


「大丈夫。二週間もあれば完治するだろうって」

「そう。なら良かったわ」

 春川さんは頷いて、これで用事は終わったとばかりに颯爽と背を向け、歩き出した。

 私たちは三人で顔を見合わせた。


「待てよ、春川。もしかして無事を確認するためにわざわざ待っててくれたのか? こんな暑いのに?」

 千聖くんは空に燦然と輝く太陽を見上げてから、再び春川さんの美しい横顔を見た。

 春川さんの額には汗が浮かんでいる。

 この暑い中、立っていたのだから当然だ。


「何よ。クラスメイトを心配して悪いの?」

 つんとした態度で春川さんが言う。

「勘違いしないでよね。あくまでクラスメイトを心配しただけよ。だから来見さん、変なやきもち焼かなくていいからね」

「や、やきもちなんて焼いてないよっ。ただちょっと――意外だったというか……」

「意外ってどういうこと?」

 春川さんが追及してきたため、私は怒られるのを覚悟で、おっかなびっくり言った。


「……春川さんって、いい人だったんだなあって」

「何よそれ。失礼な」

「うん。ごめん。私は春川さんのことを誤解してみたい。ああ、そうだ、私、まだお礼も言ってない。昨日、私を呼びに来てくれてありがとう」

 私は頭を下げた。


「どういたしまして。まあその、私もちょっと態度悪かったし。成海くんのこと好きだったから、来見さんが邪魔だったのよ。その……私も、ごめん。謝るわ」

 春川さんは長いまつ毛を伏せた後、一転して鋭い目で千聖くんを睨みつけた。


「でも、元はと言えば成海くんが悪いんだからね? 前に来見さんをどう思ってるか聞いたとき、ただの幼馴染だって答えたじゃないの。何が『ただの幼馴染』よ、ふざけるんじゃないわよ、全く。来見さんにベタ惚れで、振り向く可能性がゼロだっていうなら、最初から期待させるようなこと言うんじゃないわよ」

「ごめん」

 千聖くんは大真面目な態度で春川さんに頭を下げ、それから、私の肩を抱いて引き寄せた。

 えっ、と驚く暇もなく、千聖くんが言った。


「もう二度と『ただの幼馴染』だなんて言わない。もし教室で誰に聞かれても、ごまかしたりせずに、ちゃんと答えるよ。おれは愛理が好きだって。世界で一番好きで、大事だって」


「…………!!」

 ストレートな告白に、肩に触れる千聖くんの体温に、心臓が飛び跳ねる。

 かあっと頰が熱くなり、全身の血が沸騰するかと思った。


「……ふん。絶対成海くんより良い男を見つけてやるんだからっ。じゃあねっ、また学校で!」

 吐き捨てるようにそう言って、今度こそ春川さんは去っていった。

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