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1-4

「僕だけの秘密の場所なんだ。」


隣で誇らしげに笑うフェン。ふと上空を見上げて目を細めた。


「ここは僕みたいな妖精とのハーフ、フェティートの為に用意された場所なんだ。

たぶん、太陽の恩恵を受け過ぎて金眼になってしまった僕は、長時間陽の光に当たったらダメなんだと思う。」


足先を照らしている、僅かにしか地上に届いていない木漏れ日を確認し、肩を落とす。


『もし当たり過ぎるとどうなってしまうのですか?』


「わからない…でも、急に眠気がしちゃって倒れた事なら何度かあるよ。」


『くすくす、今まで良くそれでしのいでいましたね。』


『キャラキャラ、本当だったら力が暴発しちゃうのよ!』


『…フェティートが短命なのはそのせい…ケタケタ…』


『あら、妖精さん?ついて来ていたのですね。』


フェンの髪の中からひょっこりと顔を出した妖精達。確か妖精達も護衛に任命されていたが、そのせいでだろうか。


『キャラキャラ、んーー!ここの空気好きだわあ!

あ、何か美味しそうな匂いしない?』


『ケタケタ…本当だ。

これは甘い味のするキノコかも。』


…にしては自由過ぎる気もするが。

唐突に現れた妖精達とフェンを見比べるフィオナの様子に気付いたのは、青い青年だった。


『ああ、失礼しました。昼間の護衛対象はフェンにするように主様から言い渡されておりまして。』


青い青年は、不服そうに両頬を膨らませながら言葉を続ける。


『竜族や魔人達にフィオナ様を任せるのは大変…たっいへん遺憾いかんですが!

ですが僕達の血を半分受け継いだフェン、君も心配なので。』


「ありがとう。」


『いいえ、もし力の暴発が始まったら直ぐに鎮めますから。』


胸を張り、ふふんと鼻を鳴らす小さな妖精はとても頼もしい。


「守られているのはフィオナと、僕もだね。」


その様子に噴き出したフェンからは、先程の不安そうな姿は見えなかった。

常に力の暴発を恐れて陽の光を避けて過ごすのことは、相当なストレスなのだろう。小さな妖精達の登場で気の抜けた笑顔になった彼を見て、フィオナも笑った。


「ねえ、あそこでのんびり休んで行こうよ。

まだ眠気が取れないんだ。」


『ダメですよ、令嬢を探さないと。

それに授業に遅刻してしまいます。』


確かにこの場所はとても居心地が良い。

魅力的な提案に負けそうになったが、令嬢を探すという目的を果たさないといけない。それに、本日初の授業も控えているのだ。

早めに登校していたため時間はまだあるだろうが、ここで休息を取ってしまったら確実に遅刻コースだろう。それだけは避けたい。


「時間の事なら気にしないで。ここは特別な場所だから。

だからね、こっちに来てよ。」


フェンはそう言うと、普段のおっとりした動きからは信じられない速さでジャンプした。

大木の枝に着地し光の糸を編み出すと、綺麗な手捌きでハンモックを形成していく。


「見て、即席ベッドの完成!」

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