第13話
そんな...そんな馬鹿な!そん...な!
烏天狗が入って言ったこと...それは...。
「話を聞く前に1つ...何故俺は気絶中にも関わらず襲われなかった?」
「その理由をお話に来たのです」
なんか喋り方に違和感がある...おかしい...。
何故目上を敬うような言葉を...。
「で?その理由とは?」
「ここからは話が長くなりますが...」
「いいから話せ」
そう言うと烏天狗は俺を見てすぐに話始めた
「貴方は人里で生まれたのではありません...私も初めて知ったのですが...貴方は我等が長...天魔様の一人だけの息子だと...貴方は最初から人だと思い込んでいた様ですが...貴方は天狗族...我等が長の一人息子だったのです...幼かった貴方様は力が非常に弱くと言うより莫大な妖力を持っていましたがその妖力に耐え切れていない......我々の妖気にすら耐えられなかったそうです...よって貴方の記憶を改ざんする術式を組み込み妖力を封印して...人間の里の近くに置いて人間に拾われるのをまった...そしてある人間が貴方を拾い育てた...天魔様は苦渋の決断だったそうです...自分の手で成長を見届けたい息子をよりによって人間に預けるなどと......ですが貴方を死なせたくはなかった...と...」
俺はただ呆然とした...じゃ...じゃあ...俺が殺したのは...実の母...母さん...そんな馬鹿な。
「ですが貴方は能力を幼くして発動させてしまった...そして人間に隔離されてしまった...天魔様は知っていました...ですがあの隙間妖怪との盟約により...夜迷い込んだ人間や神隠しにあった人間しか手を出すことは出来なかった...里に攻め込むことも考えていたそうです...そして...貴方が人里で事件を起こした...それにより消息不明となり天魔様はあぁなられたのです...残酷に...」
「そ...んな...馬鹿な...俺は...半妖のはずじゃ...」
「それは貴方が人間と過ごしていたから自分を人間だと勘違いしていたまでのこと...これを」
そう言って烏天狗は俺に封筒を渡してきた。
手紙...か...。
《姫雪へ
恐らくこの手紙を見ておる頃には姫雪は何も知らず我を殺した後じゃろうな...。
だが心配するでないぞ!我はお前に会えて嬉しかった...それで十分じゃ。
我は病気での...妖気も減っていきこのまま衰弱死するだけじゃった...。
だがお前が居れば後継者争いすることもなくすぐに次の長を決めることが出来る...。
最初は誰も知らなかったようだが我が説明しておいた。
よって!天魔として命ずる!姫雪!お前を次期天狗族の長に任命する!
最後に...ありがとう...と言わせてもらおう。また会おうぞ!》
俺は書面を握り締め目から溢れ出てくる涙を拭うこともせず最後のありがとうの文字を見つめていた。
「亡き天魔様の我々への命令は...姫雪様...貴方を次期の長としそれを支えてやってくれ...とのことでした...」
「俺が...俺が長を辞退したらどうなる...」
「恐らく天狗族の間で抗争が勃発するかと...」
俺が...天狗族...笑わせんなよ...ほんと...。
「すまない...母さん...こんな息子で...だが...最後の頼みくらい...聞いてやるよ」
俺は天井を見上げ呟く。
俺は封筒の中に手紙を仕舞おうとして中にまだ何か入っていることに気づく。
「術式?」
それには良く分からない術式が描かれていた
...そして誰かの血がついている...。
「どうやら血を使った術式の様ですが...この血の上に貴方の血を使って使う物の様ですが...」
俺は指を噛み切り既につけられた血の上に指を押し付ける。
すると紙が光ってすぐに地に落ちた。
その瞬間屋敷が震えた。
「こ...これは...」
俺の傷が全て癒え目も再生する。
そして莫大な妖力が俺から一気に溢れ出た。
「これが...俺の妖力...」
「......そんな...天魔様以上に...なんて...莫大な妖力...」
俺の服が弾け飛び大量のナイフやポケットに入れていた物などが飛び散る。
すると黒い和服に変わっていた。
それは...まるで天狗が着ている様な。
そして俺の手には椛に渡した刀の色違いが...黒い柄に紅い鞘の刀が握られていた。
そして一気に膨れあがった妖力は徐々に俺の中に戻っていき静かになる。
「どうかしたのですか!!」
そして椛が刀を構え入ってきた。
「椛...あなたその刀...」
烏天狗が刀を指さす。
「これはアレスさんに貰ったんです...あげませんよ!」
いや...ズレてる...。何って発言が。
そうか...俺はあれを作った訳ではなかったんだ...あれは俺の妖力でできたもともとは...恐らく天魔の刀だったんだ...母さんの...どういう経緯で現れたのかは知らんが分かる。
この刀とあの刀は日本で一本...対になっている刀だ。
「妖刀炎焔...(ようとうほむら...)」
お互いの刀が震える。
「なっ...アレスさん!これは...ってなんです?その格好」
全く...気が抜けることしか言わんのか...天然か...天然属性なのか...。
俺は椛に事の顛末を話した。
「で...ではアレスさん...じゃなくて姫雪さんが我々の長に...」
「そうだ...」
「この刀は......」
そう言って残念そうに刀に目を落とす椛...はぁ...。
「その刀はお前のもんだ...俺の背はお前に任せる...」
「ほぇ...?ひゃ!ふぁい!はい!分かりました!」
何を焦っているのやら...。
気付けば空は白んできていて日の出を告げていた。
「おい...烏天狗...」
「はい...なんなりと」
全く...変わり身が早い奴だ。
「俺は名を天魔姫雪と変える...この山の天狗族を集めろ」
「はっ!」
そう返事して颯爽と飛んでいった。
にしても早いな...んなんて早いやつだ。
スピードも変わり身もな...。
「さて...じゃ椛...行くぞ...頂上へ」
「はっ!」
「お前はそれ無しでいいぞ...?何時も通りで頼む」
「分かりました!」
未だにこの状況は受け止めきれんが...頑張るとしよう...。
バサリ...。
「バサリ?バサリって翼か...なんだ...............翼ぁぁー!?!?」
そう...黒い翼が生えてた。
「飛べるのか...ようやく...跳ぶじゃなくて飛ぶことが...」
正直に言おう...飛びたかったんだ...やっと...やっと願いが叶う!
「椛!飛んでいくぞ!」
颯爽と飛びたかったんだが墜落したことをここに記しておく。。。
ようやくゆっくり飛べるようになり椛を後ろに従えながら頂上へようやくたどり着いた。
「なんつー...数...何人いやがんだ...」
「私にも分からないですよ...全員が揃うとこなんて見たこと無いんですから...」
すると知らない天狗が近づいて来て俺に跪いた。
「天魔様...では了承...でよろしいでしょうか......?」
了承ってことは俺が天魔になることか。
なら答えは決まっている。
「勿論だ」
「では!皆の者!ここに居られる方が2代目!天魔姫雪様だ!」
うぉぉぉぉってなっている...。
何だか...恥ずかしいじゃねぇか...。
「では皆...まだ未熟者だが頼む!」
俺はこういうしかない...だって他に言うことないんだ...。
ここが貴方様のお母様が住んでおられた屋敷ですと案内されたのは......馬鹿でかい場所だった...。
ほんとに馬鹿でかい...。
ずっと静かについてきていた椛は口をあけて...そりゃもうポカンって言葉があうくらいに驚いていた。
俺は屋敷の中に入り部屋を見ていく。
趣味かと言うくらい一室2本ずつくらい刀が置いてあった...。
ただ一室...子供部屋っぽい場所だけ刀が無くなっていたが...。
「やっとゆっくり出来ますね...」
「あぁ...やっとだ...ほんとに疲れた...んでなんでお前がいるんだ...」
「いてはいけないのでしょうか...」
例の烏天狗はいつの間にか後ろにいた。
「いや...別にいい...そう言えば名前は?」
「は..はいっ!射命丸文です!」
「元気だな...まぁ文か...」
気付けば椛がお茶を入れてくれていた。
ってかほんとにいつの間に...。
まぁ一番台所を見ていたのは椛だからなぁ。
分かるだろうが...ビビるぞ...。
「ありがとう」
「............ありがとう...」
おい文...なんの間だ...なんの。
「これから挨拶巡りやらなんやら...面倒くさいことこの上ない...」
「私もついて行くので頑張りましょう」
あぁ...椛の優しさが一番癒される...。
じゃねぇ!俺はなんで思考が変な方向に飛ぶんだ。
「その...私もついて行ってよろしいですか?」
文が?どういう風の吹きまわしだ?
「と言うか何時までそこにいるんだ?紫」
すると背後でギュィンと音がして二人の気配がする。
「貴方がまさかあの天魔の息子だなんて...で今は現天魔ねぇ...」
「ほんとに予想の上を行ったな...貴様は...」
「貴様!姫雪様に無礼を!」
そう言いながら椛と文が腰の刀を抜き放って斬ろうと振り上げる。
カキィィィン!
「やめろ...」
俺は椛の刀と文の刀を受け止める。
「こいつらは俺の友人だ、大丈夫だから刀を納めてくれ」
不服顔だが一応刀はしまってくれた。
「アレス...じゃなくて姫雪...躾がなっていなんじゃなくて?」
「警戒心が強いのはいい事だた思うがな」
俺は抜いた刀を納刀する。
「貴方が天魔なら交渉の必要は無しね」
「一応人里には手を出さないよう通達してある...これからは山だけじゃなく人里にも哨戒の部隊を配置することも決定してある」
そう...さっきまで会議のようなものをしていた...俺の心は既に死んでいる...はっ!電波拾ってしまった!
「ならいいわ、あと幻想郷の境界にも派遣して欲しいのだけれど」
「なら定期的にそこにも回そう...了解した」
「ならもう言うことはないわ...後一つ...綺麗な花畑でご友人が待っている...と伝えとくわ」
花畑...幽香か...。
「わかった」
俺が返事を返すと気付けば居なくなっていた
「椛...表に出て模擬戦しようか...」
「は!はい!分かりました!」
庭にて...。
「本気で向かってこい!俺は能力の使用を禁じて刀のみでいく!」
「よろしくお願いします!では!」
俺は刀を抜き放ち構える...長物は初めてだ。
椛は刀を使い慣れてるからか...全然すきがない...。
「はっ!」
まずは上段からの振り下ろし!横なぎ!突き
「はっ!せい!流石です!がっ!一本!貰います!」
俺の突きを横なぎで払ったあと俺が構えた瞬間喉元に刀が添えられていた。
「...負けだな...はぁ...」
俺は刀を納める。
なんか騒がしい...何が...。
「天魔様!数十の烏天狗達が反旗を翻し迫っています!その数40ほど!」
すると別の天狗が飛んできた。
「今度は何だよ...」
「前線にいた白狼天狗の部隊が全滅致しました!反乱兵達は既にこちらに向かっています!」
「兵を引き連れてまいりました!」
俺の背後には多数の烏天狗や白狼天狗が待機していた。
「貴様は天魔様として認められねぇ!俺が天魔に相応しい!」
気付けば周りは囲まれていた。
勢力差は圧倒的にこちらの方が上なのに...。
「お前ら下がっていろ...修行にはちょうどいい!」
俺は刀を抜き放って空に舞う。
「...ならばお前が俺に勝てば貴様に天魔の座をくれてやる...2分で終わらせてやるがな...」
「ふん!戯言を!」
「おい...反旗を翻したからには命はいらねぇってことでいいよな...花刀首斬り椿...焔...」
俺は一瞬で移動しその間全ての天狗の首に峰打ちを叩き込む。
だが最後の天狗でガードされた。
「速すぎる...が俺の感は凌ぐことはできまいこれが俺の能力!感が良すぎる程度の能力だ!」
俺と相手が小競り合いになる...。
「お前があいつらを焚き付けた主犯か...」
「そうだぜぇー!」
「ならばお前には罰を与える...死...だな...」
「はははっ!何を!」
下では転落した天狗の回収か...あいつらは牢屋で十分だな。
「花刀血塗れ桜...改...死閃!」
相手の天狗は笑いながら細切れになっていった。
これにて終了...か...。
俺は刀を納め下に降りる。
下では何故か目を輝かせて待っている椛がいるが...こらはスルーした方がいいか...。




