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モッカ村攻略戦

 「きゃあー」


 遠くでセシリアさんの声が聴こえる。作戦開始の合図だ。東門の様子を伺う。しばらくすると報告を受けた門番達が慌てて村内に入っていった。よし、第一段階は成功か。他の敵対勢力を気にしてか5人前後の人数がいたんだが、全員が行ったようだ。誰に気にせず門をくぐる。


 大通りは静寂に包まれていた。足音を潜ませて進む。瓢箪型をしている村の中央まで来た所でようやく敵の一部が見えた。東口の部隊か。6人いる。伝令がいた点を考慮すると金髪豚野郎(オーク)共よりかは多少知恵が回る組織みたいだ。隠れて近づき、気づかせる間も与えない。


 「土が深い沼をつくる。」全て沈めた。さて、向こうは大丈夫だろうか。





 今回の作戦はこうだ。まず西門近くの森からボロボロの衣服となったセシリア母娘が大声を喚き立てながら飛び出してくる。この衣服に関してはセシリアさんが盗賊から逃げてきた初めの衣装をそのままお借りした。当然、門番が対処すると考えて村内の盗賊共は放っておくが、いくら待っても大声が止まらない。なんだなんだと西門に集まった盗賊が目にするものは、いかにもか弱い婦女子に襲いかかる見たことのない7色(・・)に彩られた熊。唖然としている内にこちらが後方に近づき一網打尽にするといった内容だ。


 ……なぜ熊田さんを7色にしたのかには明確な理由がある。それは、敵の意識を集めること。それだけだ。熊田さんは元々モッカ村近郊でも見たことのない珍しい種属だそうで。まあ、初登場であれだけ母娘をビビらせていたんだから当然か。これを見ることによって盗賊共が躊躇するのを期待するんだが、万が一過去に見たことがあるか知識として知っている輩がいるかもしれない。そこで一計を案じ更なるインパクトを求めてみた。3人の力を併せた会心の出来だ。

 説得にはそれはそれは膨大な時間を要した。といっても1~2時間だが。熊田さんの日課となっているプール遊びに付き合って、せっかく人里行くんじゃお洒落しないとねと述べてみた。彼?も少しその気になったようだ。あとはマアルちゃんに攻勢をかけさせ、セシリアさんで陥落させた。いわゆる『女子カワ(・∀・)イイ!!』作戦だ。なぜ7色になったかは森で彩色できる色が7つしか見つからなかったからだ。鼻を中心に放射状に7色をあしらってみた。えーとなんか想像と違ったが、いいか。インパクトはでかい。色を塗りたくってる作業は3人で行っていたのだがその最中自分だけひたすら尻尾ではたかれていたのはいい思い出だ。





 逃げ惑い大声で助けを求める母娘。それに迫る凶悪な極彩色の熊。それを西門で固まりながら唖然として見つめる盗賊共。

 ――受け取れ。この日のために用意したお前らに相応しい裁きを。背後に背負ったズタ袋の口を解き空中に放り投げる。


 「風が奴等の肺に粉を運ぶ。」


 空中でズタ袋から飛び出したキラキラ光る何か(・・)がビュウと吹く一陣の風と共に盗賊共を取り囲んだ。そして一人、一人と倒れていき間もなく全員が地面に伏した。

 ……盛り上がっていた脳内感情とは別に現実は冷酷だ。盗賊は白眼を剥き泡を吐いて痙攣している。うーん、ちょっと量が多過ぎた。とにかくいえることは、()は用法用量を守って正しくお使いください。



 魔法で空気を散らし全員を土に埋めた所で熊田さん達を呼びにいく。セシリアさんは逃げ惑う演技のレパートリーがなくなったのか、大声をあげながら土の上でクロールをしていた。マアルちゃんは不思議な踊りをしていた。なんか気が抜けていく。え、これってまさか。熊田さんに至っては……ふらふらしながらひたすら土に染みをつくっていた。ごめん、後でご飯をあげよう。そら、一つのプロジェクトに当たる際それぞれモチベーションとかあるけどさ。その調整もプロジェクトリーダーの仕事だけどさ。これはなくない。なくなくない。あ、もういいっすと思わず発してしまった。脱力した三者を奮い立たせつつ村に戻った。



 ……なぜ、アレ(・・)を使ったかと問われれば他に使う所がなくいい機会だったからとしかいい様がない。どのくらい効果があるのか知りたかった。試す訳にもいかなかったので今ではむしろ品質には自信を持っておりますと胸を張っていえる。後悔はしていない。

 ただ、熊田さんを染めたことに関しては、正直心苦しい点もある。

 プロット達成率20%

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