目覚め
「ん・・・ん」
現在の時刻は夜半過ぎ。あれから熊田さんに手伝ってもらって二人をネットから降ろし、やっとの思いで客室に運び込んだ。熊田さんには女性の方を担当してもらったが、脱力した人間を運ぶとこれ程疲れるものなのか。救急隊員はすごいな、マジで。
それからは軽い夕食を済まし、二人?でベッドで様子を見ていた。二人の容姿は、片方の女性は先にも言ったが亜麻色の髪、やせ型、背丈は160cmぐらいだろうか。察するに20代前半ぐらいの年齢だろう。肌は白く、整った顔立ちだ。片や少女は小学校低学年ぐらいの年齢だろうか。髪は同様、肌も白い。この女性の娘だろうか。ということは、この女性は何歳で出産したかが気になるところだ。旦那はどうした。明日の仕事は。湧き上がる疑問を抑えきれない。だが、今はそんな事どうでもいいはずなのだ。
・・・日を跨いだ頃、ようやく女性の意識が戻りそうになった。現在二人は一つのベッドに横たわり、横で自分が椅子に座って様子をみている状態だ。熊田さんは時間でいうと21時くらいから船を漕ぎ始め、もういいよと合図を送ると早々に風呂にいったようだった。一度湯上りの火照った顔を覗かせたが、そのまま就寝したようだ。・・・堪えるんだ。これはあくまで自分のエゴによる行為であって、熊田さんに付き合わせる義理はないことだ、と納得する。よし、段々落ち着いてきた。
そうこうしている内に女性の眼がうっすら開く。周囲を確認し呟いた。
「ここは・・・。」
そうだ。それこそ想定していた言葉だ。安心して空き時間で考えた質疑応答マニュアルに従い対応する。
「大丈夫だ。ここは安全だ。」と。ぶっちゃけ、それ以上は考えてなかった。何も思い浮かばなかった。
暫く間があった末に、少女の寝姿を確認した女性は「そうですか・・・。」と静かにまた寝入った。見ず知らずの場所で2度寝か。そうですか。よほど疲れていたのか、大物なのか。・・・よほど疲れてたんだろうと思い込み脱力し、風呂に入って就寝した。
お天道様が顔を出す頃、流し台で顔を洗っていると後ろから「あの・・・。」と声をかかった。静かにお手製タオルで顔を拭き、人は第一印象で8割は決まるという統計学に則って自己流最大限の爽やかな対応した。
「目が覚めましたか。お怪我はありませんか。」
「はい、大丈夫です。あの、娘共々助けて頂いて有難うございました。」
懐の少女は娘か。ということはこの人は人妻か。何歳で出産したかという質問を無理やり飲み込む。
「お気になさらず。それよりこれから朝食をつくるのですが、食べられますか。」
「はい。娘もじきに起きてくると思うので・・・。」
おお、お母さん。自分の食料確保は勿論のこと、娘の食事もさりげなく要求する。そんな高等テクニックで攻めてくるとは。これは、警戒レベルを一段階引き上げる必要があるか。
「ええ、勿論用意します。よければ娘さんの所にいてあげてください。起きたら呼んでください。」
「有難うございます。では、娘の所にいます。」そういって、女性は客室に入っていった。・・・あれ、何故こんなやり取りで疲れてるんだろう。ただ、単純に倒れていた人を助けただけなのに。純粋に、ピュアの産物なのに。
・・・見ると流しにはクマノミが置いてあった。そういえばそんなだったっけ。
プロット達成率11%




