塩っていわれて最初に思いつくのが塩谷がシュン・・・
・・・当たりか?常備している安全ナイフで塊を掘り出してみる。見た目は透明の岩だ。匂いは無臭。舐める。塩辛い。リビングで検証してみよう。両手に抱えられるだけ掘り起こし、ホクホク顔でリビングへと戻った。途中足元に染み出した地下水で滑り、階段を10数段程転がり落ちたのは気にならない程だった。
土鍋で水を沸かし、塊の端を少し削り投入する。かけらはすぐに溶けた。飲んでみる。ちょっとしょっぱい。・・・決まりだ。これは岩塩だ。運が良かった。奇跡的といってもおかしくはない。公園の砂場で砂金を一粒見つけたようなものだ。
今あるだけでも当分は持つ。これで樹海エンドの条件は揃った。安心・安全にエンディングまで行くことができる。あとは毎日の生活を充実させていくだけだ。れっつえんじょい異世界らいふ。俺は大自然の王になる。次の目標は蔦でアーアアーだな・・・と考えていた所、睡魔が襲ってきたので襲われた。
滝壺で朝の漁を行うと、ニジマス似が6匹がかかった。大漁だ。早速調理にとりかかる。お手製エプロンに袖を通すと、岩塩を使った塩焼き、塩で食べる刺身、川魚の塩味風スープにそれぞれ1匹ずつ調理することにした。調理時間は15分が目標だ。まず全ての内臓を除き、焼き魚を火にくべ、ぶつ切りの身をいれたスープの味をみつつ、刺身を切った。当初の見立て通りきっかり15分後、リビングのテーブルにはこんがりとした焼き魚、新鮮な刺身、温かいスープが並んだ。やった、できた。
では、まず刺身からいただいてみる。塩に切れ端をつけ、口に含む。・・・美味い。最初は素材の味がふわっと口に広がり、ほのかな塩が味の広がりをキュッと締める。水がいいせいか川魚特有の泥臭さもない。店に並んでもいい味だ。むしろ看板メニューにできる。それぐらいの美味さだった。次に焼き魚を食う。うん、焼き魚だ。塩焼きの焼き魚だ。よく山合で営んでいる川魚を焼いて屋台で出してる店の焼き魚だ。それ以上でも以下でもなかった。最後に塩味のスープを飲む。・・・ホッとする味だ。それ以上の感想はでなかった。ブツにした身の味も淡白だった。茶替わりか。うお茶と命名した。
しかし、昼食も魚料理にするとして魚を獲っても消費期限は1日が限度だろう。上手い保存方法はないか・・・と考えた所、オー窟前広場に生簀を造ることを思いついた。池作りか。さて、どうするか。本日はそこんとこをよろしくやっていくことに決めた。
池作りとなると、まず池となる場所に溜める水が漏れないようにする必要がある。昔は粘土、現在ではプラスチックのケースを埋めるか防水マットを敷くなどしているらしいが勿論ここは異世界だ。そんな物はない。大抵のことはこれで解決してしまう押入れ草でもこればっかりは役に立たない。例え役に立たなくても俺の中での押入れ草の評価は変わらない。アイツこそ心の友だ。押入れ草、君でキメた!・・・俺は断じてキメていない。本当だ、信じてくれ。
外にでてみると、昨日までに造ったネットがいい感じの陽差しよけになっていた。偽装を凝らして木の枝や葉、草を盛りまくったもんな。御陰で家にも涼しい風が吹き込んでくる。これは高い確立でありもしない妄想にとらわれ、数日を費やしてしまった(心の)怪我の功名か?そう納得しないと事態の収集は不可能と考え、それで収束宣言を出した。今流行りの。
オー窟前広場の広さは一般的な小学校の校庭ぐらいある。トラック一周に加えて、保護者の観覧席、屋台、入場門と入場行進を待つ待機場所まで出来そうだ。何故こんな表現をしたかというと、転生した時期が丁度運動会シーズンだったからだ。今更ながらにくにお君の大運動会おもしろかったな・・・と思わないでもなかったが、独りでは運動会も開けない。開いた所で持たない、心が。追記しておくが、くにお君は鳩山さん家の子ではない。
・・・池を造ろう。塩の例があるじゃないか。すぐ脱線して何か始めようとする。俺の悪い癖だ。自覚しよう。自覚した上で歩きだそう。俺は悪癖がある男だ。悪癖ってちょっと格好よくないか。いや、ダメだ。また余計な事を考える。馬鹿馬鹿、俺の馬鹿っ。
冷静に考える。まずは池に水を溜める用意を整えることだ。麻では出来ない。かといって、粘土で造ろうものなら確か保全に凄い手間がかかるはずだった。週末の趣味は必ず池の塗り直し。やだぞ、そんなのは。・・・そうだ、自分には魔法があるじゃないか。早速唱える。
「土がプールを形作って固まる。」
どうせ魚が泳ぐんだったら、自分も泳ぎたい。そんな考えで校庭の端にプールを造った。よくある25mプールをイメージした。深さは1.5m。水道の排水を引っ張ると、いずれ使うかもしれない油の排水で魚がダメになるかと思ったので、プールは独自の取水、排水を用意した。これで環境には影響を及ぼさないだろう。朝獲った魚は既に成仏しているため、昼食で消費した。プールが出来上がった午後にまた漁に出かけ、持ち帰った8匹の魚の内生きていた4匹をプールに放す。最初はゆっくりとした動きだったが、しばらくしたらスイスイ泳いでいた。あれ、これもしかして、異世界で初養殖成功例か?・・・まあ、外は知りようもないしな。夕食で死んでいた4匹を消費し、明日の天気を考えながら就寝した。
プロット達成率9.4%




