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第二十三話 作戦会議

一時波乱を終えた紅達は今後の作戦を立てる─────

その後、《陰の箱庭(シャドーガーデン)》の幹部、《七大罪(しちたいざい)》の襲撃により、残りの個人戦のみ予定前倒しで行い(ちなみに優勝は珀治(はくじ)だったが、本人は全く納得していなかった)急遽、各戦隊長及び副隊長、一部司令官、そして総隊長を交えた(本来は半年に一度の)『総幹部会議』が開かれていた。


「まずは、皆忙しい中集まってくれてありがとう。今回、会議の進行を任された総隊長桜愁翠(さくらしゅうすい)だ。よろしく」


そう言い、長机の上座で人懐っこい笑顔で微笑む。

続いて後ろに立っていた2人も挨拶をする


「どーも。今日は愁翠(しゅうすい)はんのお付きで来とります。佐々木銀次(ささきぎんじ)言います。おおきに」


銀次(ぎんじ)と名乗る穏やかだが、どこが胡散臭い笑みを浮かべる白髪長身の男がペコリと頭を下げる


「同じく桜十四郎(さくらとうしろう)だ。よろしく頼む」


皆、少しづつ自分の好みに合わせて調整、もとい改造をした隊服を来ている中、規制品をキッチリ着こなしているいかにも真面目そうな短髪黒髪の男も隣に習う

そして、2人とも白の羽織を羽織っているということは...どちらも愁翠(しゅうすい)と同じく、《最後の希望(ラストホープ)》のメンバーだということだ

そんなそうそうたる面子が集まることはごくまれだが、それだけの自体だということだろう


「では、早速本題に入ろう。皆も、報告は受けたと思うが、近年活動が活発化している《陰の箱庭(シャドーガーデン)》に先日、襲撃を受けた。このことについての確認を改めて行なう。栗田(くりた)隊長、頼む。」


そして栗田(くりた)が立ち上がり、前に出て説明を始めた


「はい。そもそも《陰の箱庭(シャドーガーデン)》とは、現代の裏社会のほとんどを牛耳っている巨大犯罪組織です。大部分が申請や登録を行っていない『違法能力者』や、何らかの手段を使い《MAA》に所属せずに魔術を習得し行使する『違法魔術師』などで構成されているようです。これまでは魔術や、異能力を使った強盗や暗殺、闇取引の護衛等多数の犯罪を繰り返していますが、何せ証拠も尻尾も決定的なものは未だに何も掴めていなかったため、全体像もはっきりとはわかっていませんでした。しかし、今回逃げ遅れの数名を捕らえたことで少しづつわかって来ました。全体の人数は100人前後。そして今回接触した《七大罪(しちたいざい)》と呼ばれる幹部クラスが7人。明確なトップはおらず、この7人が取り仕切っていると思われます」


そして、正面のスクリーンが移り変わる


「《七大罪(しちたいざい)》の7人の情報ですが、まず今回の武闘大会襲撃の主犯、『《強欲の罪》マモン』なる男です。能力はおそらく鉤爪で触れた相手の能力を一時的に奪う能力かと推測されます」


すると、隊長達がザワつく。


「そしてそれ以外のものですが、調べにより名前のみ判明しています。『《色欲の罪》アスモデウス』、『《暴食の罪》ベルゼブブ』、『《嫉妬の罪》レビアタン』、『《怠惰の罪》ベルフェゴール』、『《憤怒の罪》サタン』、『《傲慢の罪》ルシファー』の計7人です。名前からも察せられる通り、おそらくキリスト教の七大悪魔を模していると思われます」


そこで1度瑛介(えいすけ)が座り、話すのが愁翠(しゅうすい)に変わる


「ということだ。目的はまだ不明だが、今回直接衝突があった以上無視できる状況でもない。」


すると、スクリーンの画面が日本地図に切り替わる


「この地図を見てほしい。うちの諜報部隊が調べた奴らのアジトと思しき場所を示したものだ。」


そして地図のあちこちに赤い丸が表示される


「各戦線の担当区域に4つから5つ程候補地がある。この中から順に偵察し、本拠地を暴き出し全力で叩く。」


すると、1人の戦隊長が手を挙げる


「しかし、それほど大規模な作戦となると通常の任務に支障が出るのではないでしょうか?」


愁翠(しゅうすい)は得意げに胸を張る


「そこは任せとけ。ここには《最後の希望(ラストホープ)》が既に3人いる。十四郎(とうしろう)は第七席、銀次(ぎんじ)は第五席だ。それに加えて2人、追加で招集した奴らもいる。通常の任務の方はこちらでサポートするさ。」


そう言い、立ち上がる。


「奴らは人類に牙を剥く犯罪者たちだ。魔物たちの動向も気になるし、早々に終わらせるぞ!」


「「「了解!!」」」


そしてその他細々としたブリーフィングを済ませ、その日の緊急会議は終了した。



────東京、某所空港


中央統制本部は東京郊外の山奥に存在しているため、途中までは公共交通機関を使うのがセオリーである。かく言うこのふたりも、飛行機での長旅を終え、優雅に空港から出てくる


「やっぱりジャパンはいいですね!空気が澄んでいマース!あ!そこのボーイ!ちょっと道案内して下さらナーイ?」


緩いウェーブの金髪に美しい西洋の顔立ち、グラマラスなスタイルを惜しげも無く晒す美女がその辺の男に逆ナンを仕掛ける


「着いてそうそうやめてください。ただでさえ目立つのに...」


そう言って金髪美女の首根っこを引っつかむ。スーツ姿の、いかにもキャリアウーマンといった風貌の黒髪ポニーテールにメガネをかけた、これまた美女


「それに、この後はいちばん近い隊舎によって、着替えて中央統制本部に行かなきゃ行けないんですから観光なんかしてる暇ないですよ」


すると金髪美女がブーと頬を膨らませる


「えーケチですネー。そんなに急いで変わることないの二ー。()()()()()()()()()


すると、金髪美女の青の双眸が薄く光る


「...もう見つけましたか?」


すると金髪美女はサングラスをかける


「ええ。わかる範囲でいくつか。それにしても邪悪ですねー奴らは」


そして黒髪美女も険しい表情で頷く


「ええ。一体何を企んでいるのか...」


今この時でも、平和な世界の影で闇は確実に広がっていた。

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