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こんな世界で君は何を思う?  作者: かかかうどん
第三章 学園編
22/30

そして入学する

2018/02/08修正

 二人が基本雑談しつつ、時々ルナが会話に混じるようにする。一般的に影の薄い子で通すことに徹する。


 目立ちたくない。これを意識する上で、考えるべきは形だけの言葉じゃない。常識を弁えた上で、如何に影を薄くできるかだ。つまり、如何にモブキャラに成れるかが、肝心であるのだ。


『今、大丈夫?』

 おっと、美少女達のガールズトークから現実逃避をしていたら、魔王さんから念話が届いたようだ。


『おけー。』

『ルナは大丈夫では無いだろ…。』

『うん?問題が発生しちゃったの?』

『いや、そういう訳じゃないですけど。えっと受付の時間が近くなりました?』

『そう?ならいいんだけれど…。うん。そうなんだけれど、こっち来れる?』

『りょかい。』


「ごめん。私そろそろ行く。」

「ん?ああ、そうか。受付か?」

「そう。」

「受付ですの?」

「そう。」

「スーフェン第一騎士学校は、なかなか入学者も多いからな。それで結構時間がかかる。私はもうちょっとかかりそうだし、ここでクルセリアと話していくよ。」

「ん。じゃあ、また。」

「はい、またお会いしましょう。」

「ああ、同じ学園だし会うこともあるだろう。その時はまた。」

 そう言って、手を振りつつルナが席を立ち、自分の分の会計を済ませて店を出る。

 

 店を出て、大きな通りを直進し、何度か曲がってスーフェン第一騎士学校の受付待機の列近くに来た。

 並んでいる人を横目にしつつ、魔王さんを探すこと数分。


「いた。」

「ああ、こっちこっち。」

 魔王さんは、ちょうど受付をしていた人の三列程後ろにいた。列と言っても魔王さんの様に付き添いの人もいるので、受付の待ち時間は実際はもう少しといった所だろう。


△△△


 無事、受付を済ませ騎士学校の敷地内にある大講堂と呼ばれる場所に着いた。魔王さんとは、受付を終えたタイミングで、別れて魔王さんはキルルカへの帰路に着いた。


「大きい。」

 ルナは、他の入学者と共に大講堂へと入っていく。

「席は?」

『受付の人にもらった番号の席に座るらしいな。』


 受付の際にルナに手渡された番号札には、B-10と書かれていた。

 どうやら、ABCDEが、所謂同じ教室で学ぶクラスで、大講堂内に六つの並んだ椅子の塊ができている。五人四列で一クラス二十人のようだ。つまり、新入生は100人いると言うことだ。


「右端?」

『そうだな。Bの10だから、二列目の右端だな。』

「ん。」

――ざわざわ…。


 俺達が座ったタイミングで、大講堂内が騒がしくなった。

「あれが、賢者か。」

「憤怒の賢者だ…。」

「可愛い子だな…。」


「タリア。」

『だな。』

 どうやら、憤怒の賢者であるタリアが大講堂に入ってきたようだ。

 当のタリアは何かを探すように、首を振りながらAクラスの先頭空席の左端ではなく、“左から二番目”に腰を下ろした。


「「「「はぁーーーーー?!?!?!」」」」

 瞬間、講堂内が騒がしくなる。

「うるさい。」

 確かに…。なんでだ?


「この席順って入学試験の成績順よね?」

「そうよ!」

「賢者程の人が、次席ってこと?!」


 なるほど。前の二人組が話しているのを盗み聞きつつ納得した。

 成績順なら、憤怒の賢者が次席っていうのは、驚きになるか。それにしても…。

『そこまで、驚くこと?』

 そうなのだ。だって憤怒の賢者が入学式の成績順で次席ならば主席は…。

――ざわざわ。


 また、講堂内が煩くなった。

「誰?」

「エルフ?」

「綺麗だ…。」

 そして、タリアの左にブロンドの髪を伸ばした女性が座った。容姿については、後ろからなので正確な所ではないが、ブロンドの髪から伸びる色白の尖った耳から彼女がエルフであるのが分かる。


『守護者?』

『だろうな。』

 次席を賢者な時点で、主席は同格以上、つまり他の使徒の配下だよな。


 それにしても、クルセリアが話した時も気になったが…。

『どうやら、傲慢の守護者が入学者に居るのは知られていないみたいだな。』

『ん。でもなんで?』

『それは、分からん。隠す必要があったとか、か?』

『それなら、あんな目立つべきじゃない。』

『そうなんだよな…。』

 隠す必要があったなら、賢者を抑えて主席を取るべきじゃない。目立たないためには、ルナの様に真ん中ら辺が都合がいいはずだ。


『隠れる必要が無くなった?』

 隠れる必要が無くなったか…。

『そもそも、何から隠れる必要があったんだ?』

 目的が分からない以上考えていても仕方ないか。


『まぁ、どんな理由があるにせよ。俺達は目立たず保険に徹しようか。』

『ん。』

 

 そうこう話していると、入学式は始まった。

 長い学園長の話、各クラスの担任や各教科の担当教員の紹介。

 そして、入学生代表の学年主席の挨拶が始まる。


「紳士淑女の皆様、こんにちわ。この度、栄えある第十七期スーフェン第一騎士学校の新入生主席及び代表挨拶の任を賜りました、モーリスです。――――――」

 普通の挨拶だった。何ら問題の無い新入生主席たる堂々としたものだ。

 だから、俺は油断…、いや俺達は油断していた。


「以上。傲慢の守護者モーリス。」

――ざわざわ。


『やられた。』

『ん?どいうことだ?』

『目が合った。』

『へ?誰と?』

『モーリス。多分、怠惰の守護者ってばれた。』

 …。は?!?!


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