落ち着こう。
2017.9.17 7:57.修正
修正前
配下の役職魔王の能力だよ。』
「《魔王の声》ですか、声を届けれる能力。他の配下にも特殊な能力とかあるんですか?
修正後
配下の役職魔王の能力だよ。他の配下に声を届けれる能力なんだ。』
「《魔王の声》ですか。他の配下にも特殊な能力とかあるんですか?
大筋に影響のない修正です。申し訳ありませんでした。
おけ、取り敢えず落ち着こう。落ち着いて状況を整理しよう。
俺は怠惰の魔剣だ。能力は、契約した守護者の気配の濃度を変えられる。正確には、存在の濃度を変えられる。形は守護者の影であり、契約する前はただの魔力の塊。
現在は、守護者候補と契約する段階だが…、その候補はまだ生まれていない。なので、候補が産まれれば、即座に契約を結ぶ予定だった。勿論、普通の赤ん坊では契約するのは難しいだろうが、幸いというべきか、その赤ん坊は、俺と同じように転生をして、こちらの世界に生を授かるらしい。
ここまでは良い。まぁ納得した。
ただ、これはどういう状況だろうか?俺は、怠惰の使徒にその契約者候補が産まれるだろう家へと転移で飛ばされたはずだ。なのに、目の前に広がるのは廃墟だ。いや、廃墟ってのは正しくないか。一応、木造二階建てらしい家の原型は留めてあるが、火が付けられたのだろう。柱の部分や屋根等は黒く焦げて、いくつかはダメになっている。中身も燃えて崩れた部分が埋め尽くしている。更に中をよく見れば、カウンターらしき物と、扉の成れの果てが…。
体の無い身でも、動こうとすれば動けるようなので、元家の中へと移動してみる。カウンターらしき物は、燃えて崩れたもので埋め尽くされていたが、カウンターらしき物に引き出しが付いており、隙間から入れそうだったので、調べた。しかし、その中身も燃えてしまっていて、燃えカスから紙が入っていたことぐらいしか判別できなかった。
引き出しから出て、カウンターの後ろ(入口からカウンターらしき物挟んだ対面)にある扉があったであろう場所を通ってみた。
そこにあったのは、やはり燃えた後だった。しかし、こちらはどうやら生活用の場所だったのだろう。焦げ目がついているが料理などで使用されていただろう鍋や、机や椅子らしき物のがあった。入ってきた扉を背にして右側には、二階部分に上るための階段が燃えたもので封鎖されていた。二階部分は完全に燃え尽きていて、上を見れば、青空が広がっていた。
「落ち着いて考えてみても、これは家じゃないよな?」
いったん外に出て、一人言をいっててみ手も、どこからも返事はなかった。へ?
「そう言えば、この家だけじゃなくて、周りの家“全部”が燃えた跡みたいだ。」
そう、辺りを見れば、小さな村だった形跡がある。そのどれもが燃えて跡形もなくなっていた…。
「どういうことだろう?使徒さんが転送する場所を失敗した?そうじゃないとしたら、候補となるこの親が住んでた村が襲われた?とかか?」
『あーテステス。聞こえる?』
原因について一人で考察を続けていた時に、どこからかそんな声が聞こえた。
『おーい、聞こえてるなら返事してくれる?魔剣君。』
どうやら、聞き間違いじゃないみたいだ。しかもついさっき生まれたばかりの俺が魔剣だと認識したうえでだ…。
「聞こえてますが、あなたは誰ですか?」
『ホント?いや~良かった。初めて使ったから失敗したかと思ったよ。ああ、それで私が誰かって?知りたい~?』
なんだろ、若干ウザい感じの人みたいだ。声を聴く限りでは、“女”の人だとしか判断できない。
「ええ、知りたいです。」
『そっか~知りたいか~。そっかそっか。じゃあ仕方ないから教えてあげるね~。何を隠そう!私は、怠惰の使徒の配下!怠惰の魔王様なのだ!』
「まおう?なにそれ?」
『あれ?聞いてない?使徒の配下の一人で、所謂私達同僚なんだけど?』
「…。言われてないです。」
『…。』
「…。」
『ちょっと、使徒様!ごめんちょっと待ってて!』
「あっはい。」
なんか、情報の交換が上手くいってなかったみたいだ。て言うか、まおうってなんだ?まおうって、魔王だよな?何使徒さん、世界征服しちゃうのかな?
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『ごめん、お待たせ。使徒様の伝え忘れだったみたい。』
「あ、いえ。大丈夫です。」
『じゃあ、改めて。私は、怠惰の魔王です。』
「えと、俺は怠惰の魔剣?です。」
『あっ!ごめん。さっきの訂正。』
「訂正?」
『そうそう。今怠惰の使徒の配下は私と君の二人だけなの。だから、私が他の配下の役職を兼任してるの。』
「へ~。兼任している配下の役職って、何があるんですか?」
『えとね、“賢者”“魔王”“魔女”の三つだね。今こうやって、君に声を届けているのは≪魔王の声≫っていう、配下の役職魔王の能力だよ。他の配下に声を届けれる能力なんだ。』
「《魔王の声》ですか。他の配下にも特殊な能力とかあるんですか?」
『あるよ~。“怠惰の賢者”は転移魔法が使えるようになって、“魔女”は、一律で回復魔法が使えるようになるんだ。』
「へ~。あ、そうだ。なんか魔王とか響きが不穏なんですが、世界征服とかするんですか?」
『へ?ふふふ。』
笑われた…。
『ごめん、ごめん。世界征服ね。結論から言うと、それはできないよ。』
「できないですか?」
『各使徒の配下に魔王もいるし、“各”って言った通り使徒は、我らが怠惰の使徒様だけじゃないからね。』
なるほど、力を持っているのが一人だけじゃなくて複数いるから、それで一人が世界征服なんかに乗り出せば、他が黙ってないと。
「ほへ~。あれ?じゃあ、うちの陣営ってピンチ?」
俺の呟きに、魔王と名乗る女性の楽しそうな笑い声が止んだ。
長くなったので、ここで切ります。
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