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九尾の狐、 監禁しました  作者: 八神響
第5章 干戈倥偬編

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第177話 事件

「念を押しとくが、途中で裏切ったり、俺達の情報を他所に流したりしたら一円たりとも渡さないからな」

「考えつきもしなかった。そんな酷いことするやつがこの世にはいるのか」

「やっぱ一度ぶん殴っとくべきかなぁ……」


 自分達の所業をすっとぼける鵜野にイラつき、大黒は青筋を立てる。

 しかし、これから協力関係になる相手と諍いを起こしてもデメリットしかないと思い、大きく息を吐いて感情を落ち着かせる。


「はぁー…………、いいや。とにかく依頼だ、内容は俺とハクの懸賞金を取り下げさせ、今後協会が俺達に関わらないようにするまで俺達を守ること。誰が相手だろうと俺達の邪魔をする敵は撃退すること。それだけやってくれたらいい」

「おー……、まあ……うーん」

「おい、どんな依頼だろうと受けるって言ったよな?」


 依頼内容を聞いた鵜野は煮え切らない様子で唸り始める。


「いや、もちろん受ける。俺達に出来ることは何でもやろう。一瞬、不可能ではないかと思ってしまっただけだ」

「難しいのは分かってる。一応交渉の材料はあるから協会の上の方と話す機会を作れたら……」

「ああ、考え無しに言ってるわけではないだろう。だが……現状をどれだけ分かってるかは確認しておきたい」

「それならちょうどいい、こっちとしても情報はちゃんと知っておきたい。……それと、二人はそろそろ普通に立ってくれ」


 未だに跪いている鵜野と草場を立ち上がらせ、大黒は話の続きを促す。


「で、俺とハクが自由になるのにどんな問題があるんだ? 一応言っとくけど、俺達が国相手に喧嘩吹っ掛けようとしてるってのは嘘だからな。俺達を陥れようとしてる誰かの情報操作だ」

「そうなのか? だとしても、協会が二人を見逃す可能性は低いと思うが……」


 鵜野はそう言って指を二本立てる。


「今、陰陽師界隈を騒がせている事件は二つだ。一つは言わずもがな、お前達二人の話。大黒家の息子が九尾の狐と協力して、国家転覆を目論んでる件だ。元はただの噂だったが、裏取りが済んだのか最近懸賞金がかけられた。だがこっちは、二人組ということでもう一つの件よりは危険度が一段下がると思われている」

「ふーん……言っちゃなんだが九尾の狐が絡んでるのに、危機感が足りなくないか? 俺としては助かるが」

「本来ならあり得ないことだな。だが、もう一つの件も九尾の狐が絡んでるとしたらどうだ?」

「…………!」


 大黒が驚いてハクを見ると、思い当たる節があったのかハクは驚愕ではなく苦渋の表情を浮かべていた。

 その顔を見て大黒も思い出す。旧友、藤瑠美の日記を。


「こっちも噂は前々から流れていた。しかし、とうとう本人達が協会に宣戦布告してきた。『人間に復讐する時が来た』と」

「その本人達ってのは……」

「察しはついてるだろうが半妖の集団だ。お前も陰陽師なら知っているだろう? 昔あった、半妖と陰陽師の戦争を。半妖達はその時の生き残りに新たな半妖も加え、戦力を増していた。その新しい戦力の一つが、九尾の狐の娘を名乗っているんだとか」

「なる、ほど、な」


 大黒はぎこちなく頷く。

 ハクに娘がいたこと、その娘が人間に復讐しようとする半妖の集団に属していること。

 大黒にとって、どちらもすぐには飲み込めない事実だった。

 だが、自分よりも幾分冷静なハクがいたことで『あぁ、ハクは知ってたか予想がついてたんだな』とぼんやり現実を受け入れ始めることが出来た。


「だから協会は今、信頼と実力のある傭兵と協会内部の陰陽師を集めて半妖との戦争に備えてる。懸賞金だけかけて、お前達への対応が二の次になっているのはそのせいだ」

「あんたらは……そっちでは声がかからなかったのか?」

「かかるわけがない。俺達ほど協会で信頼されていない傭兵もいないからな」


 鵜野の卑下した言葉に、草場と葉桐も深く頷く。

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