シロンと少年と__
____これは少し前…。
いいえ、200年ほど前のお話です。
アリアは相も変わらず
勉強漬けの毎日、行きたくもない社交界に駆り出されては作り笑顔、整い過ぎた礼儀作法に言葉遣い。
世間からは「まるでロボットみたいだわ…。」
「正直、愛想振りまいてるとしか言いようがありませんものねぇ…」
「一国の時期王だからって少し、調子に乗ってるんじゃありませんの?」
そう、周りからも虐げられてきました。
ですが、そんなある社交パーティの夜。
少し、夜風に当たろうとパーティ会場にある庭を歩いていると
「あら、あなたもパーティを抜け出してきたの?」
1人のご令嬢が暗い表情をしている少女に話しかけてきました。
「え…、えぇ、少し、夜風に当たりたくて…、」
作り笑いも少し引きずっていて疲れきった様子を見ては優しく微笑みかけて
「良かったら、わたくしとお話しませんこと?」
そのたった一言をきっかけに2人はよくお話をする仲になりました。
――そんな日々も、あの日までは。
懐かしい記憶を胸に、アリアは第一客室の扉を静かに開けた。
「はぁ…。つかれた…。」
ベッドにダイブしてはシロンが布団をかけて
「アリア様、今日はゆっくり休んで…!!」
「ん…ありがと…。」
「ところで…なんで当たり前かのようにここに来てるの?」
椅子に座っていた少年には見向きもせずにベッドで横になっているのを見ては少し困ったかのように少女を見ていて
「ん〜…ちょっと…ちょっとだけだから…。」
「それ絶対ちょっとじゃ済まないでしょ…。」
はぁ、と溜息をつき
「…俺のこと信用しすぎだし…なんか変なマスコットいるし…。」
「なんだと!!ぼくはますこっとなんかじゃない!
ちゃんと歷とした護衛用の従者だ!!」
何故か敵意むき出しで少年のことを睨みつけていて
「はいはい…。」
「んで?その護衛従者さまが初対面のおれに名も名乗らず敵意むき出しと…??」
「んなッ…!?」
「ぼくはシロンだ!
それに、初対面なんかじゃないぞ!」
「え?今日で初めて見たような気が…。」
「アルフィリアさまのお部屋に元々、机の上にいたんだ!!」
「机…?」
最初の頃に部屋に来た時の記憶を思い出しては
「あぁ!あの時の!!
…ってことは、あの時の、話も聞いて…??」
「そうだ!ぼくは、ぼくだけがアリア様の事を知っていたのに!!」
「それに、ぼくのほうがよく知っているからな!」
「つまり、何が言いたいんだ?」
「つまりは…え〜っと……。
ぼくのほうがしっていて、ぼくのほうがずーっと一緒にいて、なかよしなんだそ!」
「出会ってたった3週間程度でアリア様をわたせるか!!」
「…アリアの照れ顔とか恥ずかしがってる表情とか知らなそうだけどな?」
「!?そ、それでもだ!」
「へぇ〜…??人間に変装してるアリアも可愛かったしなぁ…浴衣姿も愛らしくてまた、誘拐されちゃうか心配な程に可愛かったし〜…。」
ニヤニヤしながらマウント返しをして
「なッ…た、たしかにそれは…それに…ぼくにはあまりそこまで心を開いて貰えてない…。」
シロンがしゅんと落ち込んでいると
「…あのなぁ、本人がいる前でそんな言い合いする〜?」
少し、気恥ずかしそうに、照れながらも横になりながら言い合いを見続けていて
「先にマウント取ってきたのはシロンだしなぁ…」
「シロンも、カナトには迷惑かけちゃだめだぞ、この人は私の命の恩人だからな…」
めっ!と言わんばかりに優しくデコピンをして
「えっ!?そうなの……??」
「そうだぞ、それにカナトは私の未来の……。」
「みらいの……??」
「あ、アリア…?」
しばらく少女は言葉を詰まらせたかのように黙り込んでは顔が徐々に赤く染まり
「な、なんでもない!!」
「そ、そうか……。」
何故か少年も恥ずかしそうに顔を赤らめていて
「…まぁ、アリア様が嬉しそうならいっか〜!!」
微笑ましそうにシロンはその様子を見ていると
「きゃーッッ!!!!!!!」
と奥の方の部屋から悲鳴が聞こえてきます。
「なんだ?!」
「エリスさまのこえだ!!」
ふたりは焦っている様子だが少女は
「…やっと戻ってきたか」
落ち着いている様子です。
一体何があったのか______




