噂の恐怖と新たな仲間
あの晩餐会のあとすっかり噂がご令嬢達に広まり、大成功…となるはずがなんと噂が独り歩きをして
「ねぇ、聞きました?
国王陛下が悪逆非道極まりない話。」
「えぇ、本当に恐ろしいわ…。
使用人にまで手を出してるって噂でしょう?」
「私達、あんなのに膝をついていたなんて
ほんと嫌になっちゃうわ〜…。」
あながち間違っては無いけれど…まだ、使用人には手を出した事がない上にこの他には戦争を企んでいた等…ありもしない悪い噂が経ち始めていました。
「なんだか流した噂よりも膨れ上がっちゃったけど…
結果オーライね!!」
ふふんっとどやっているとミルキィが
「…これは少し、やりすぎた感がありますけど…
国王陛下には耳に入りませんの?」
「えぇ、お父様には都合の悪いお話はぜーんぶ見事に無視してますから平気ですのよ!!」
自信満々に言うアルフィを見て不安げに
「本当かしら…。結構、王都中に広まりかけていますけど…。」
その噂は国民達にも広まり、皆、王への信頼が少しずつ減り始めていた。
するとはっ!と思い出したかのように
「そうだわ!ミルキィも恋バナお茶会、参加しません!?」
「きっとお姉様方も喜びますわ!!」
「…わたくしは遠慮しておきますわね。
帰って母の手伝いをしなければいけなくて…。」
残念そうにしながらも
「では、わたくしはこれで…。」
「そう…。なら、またこんどお茶会いたしましょう!!」
「えぇ、是非ともお願いいたしますわ」
ミルキィが帰ったあと急いで馬車に乗り王城へ向います。
「はやくお姉様と恋バナしたいわ〜!!」
その裏ですることが無いと言っていた少年が何か動きを取りました。
自分も何か力になりたい、そう思いながら
「みんな頭が良くて強くて信頼は出来るが…必ずしも成功するとは限らないからな…。」
「そうは言っても…人間で1番の部外者の俺ができる事…。」
「一応、王妃様からもらったマントでも被っておくか…。」
深緑色の他のものから吸血鬼と認識されるように作られた特注のマント。
フードまで深く被っていれば味方も敵も騙せてしまう。
「…被ったはいいものの、アリアもいないし、どこに行けばいいものか…。」
王城内を散策していると国王陛下が王室間にて仕事をしていました。
「…気付かれる前に…。」
音と気配をなるべく消しては立ち去ろうとした時
一瞬にして少年の前に立ち塞がった1人の男性が…。
「貴方は一体何者ですか?」
鋭い目付きで少年を見ていて
「え…。え〜っと…。」
簡単には逃げられないと察して少し焦っている様子で
「あ、貴方こそ何者なんだ!!」
「私ですか?私は王に仕えている宰相の
アレク・リリックと申します。」
「さぁ、この私が名乗って差し上げたのですから貴方も名乗るべきでは?」
「えっと…。俺は…か、カナト・ユーリック…。」
しばらく考えたあと吸血鬼である母の名前を借りてはそう名乗ると
「ユーリックって…あの、有名な希少クラスの回復魔法を使う子爵の…??」
名前を聞いた途端ぽかんとしていてその様子を見ては少年はよくわかってないまま
都合がいいと言わんばかりに
「あ、嗚呼、そうだ。
少し、話がしたいんだが…こっちに来てくれないか?」
「わかりました。話は聞いてあげましょう…。」
そう言って少年は客室に行き
「ここで話そう…。」
「いいですが…話ってなんですか?」
まだ警戒しながらもそう言うと少年は真剣な眼差しで
「単刀直入に言う。
最近、流れている噂についてだ。」
「どうやら何か知っている様子ですね。」
「知っているというか…
多分、俺の知り合いが流したんだと思う…。」
「あんな物騒な噂をなぜ…?」
「…これを見てくれ。」
1、2枚証拠となる資料を持たされていたのか渡すと
「これは…。どういう事ですか?」
「お前もわかってるんじゃないのか?」
「こんなの…こんなの知りません!!
貴女方がでっち上げた嘘なんじゃないですか!?」
突然取り乱してはそんなこと言っていて
「それが事実なんだよ!
お前がいつからあの人の宰相やってんのか知らないけど、少なくとも…アリアが、アリア第一王女様が苦しんでるのを何度も見てきたはずだろ!!」
初めてという程に声を荒らげ取り乱している少年を見て
「それはっ……。」
そう言われて脳裏には何度も怒鳴られ傷付いている少女がちらつきました。
「どうせ、お前もお前らも今まで逆らえないからって見て見ぬふりしてきたんだろ…。
でも、女王陛下とアリアのメイドはちゃんとこの計画を建ててしっかりこの国を、自分の娘達を守ろうとしてたんだから…。」
そう言って
「…これ、計画書。
アレクは何となく信頼できそうだからな…。」
予め全員に渡されていた計画書の一部を渡し
「…今まで、私が忠誠を誓って…信じて国の為、民の為に尽くしてきたのは一体……。」
膝から崩れ落ち今まで数百年もの間ずっと支えてきたためか酷く落ち込み騙されたような感覚に陥り
「それを挽回するには俺達に協力して欲しい。」
「…いいんですか?」
「いいよ。それにこの世界の事とか国の事もそうだけど…何よりここで同性と話すのは初めてだからな…少し話をしてみたかったんだよ。」
そう言っては優しく微笑んでは手を差し伸べて
「…はい、ありがとうございます…。」
手を取っては嬉しそうに礼を言います。
ここで新たな仲間も加わり計画は順調。
残るは使用人たちや他の部下達のみです___。




