いざ、吸血鬼の国へ____
「よし、忘れ物は無いか?」
「うん!準備出来た!!」
「それにしてもエリスには何も言わなくてよかったのか?」
「たぶん、きっとどこかで見守ってるはずだし…エリスは自分で帰れるから平気!!」
「そうか、じゃあ、行くぞ。」
あのお祭りから2日後、荷造りを済ませた2人は友達等に連絡を済ませて魔界に向かう途中…。
「ワープ開くよ〜」
「異空間発動っ!!」
そう言うと先の見えない紫等の異空間が開きます。
「予想以上に怖いな…。」
緊張気味にいう少年を見ては手を握って
「大丈夫だよ、まぁ、どこに出るかは分からないからそこだけ注意してねっ!」
にこっと微笑み
「え…それって…。」
戸惑う暇もなく
「それじゃあいっくよ〜!!」
とそのまま魔界にダイブするような形に。
「うわあぁぁ…!!!?」
そう叫ぶのも当然という程に高い所から急降下している様子。
「カナト〜!!」
余裕で羽を広げては飛んでカナトをお姫様抱っこをして
「大丈夫?」
「あ、嗚呼…助かった。」
ほっと一安心もつかの間。
黒い翼を広げた悪魔族が一斉にこちらへ飛び掛かってくる。
鋭い牙。
濁った目。
人ではない獣のような咆哮。
「な、なんか変なのがこっち向かってきてないか…??」
恐怖からぎゅっと少女にしがみつき
「だから言ったでしょ、人の血肉を喰らう者も居るって。」
悪魔族に苛立ちを覚えているのか舌打ちをした後
「燃え尽きなさい。」
指を鳴らしたあと悪魔族が次々と燃えていき灰になって散り散りに。
そんな様子をぽかんとしながら見て
「…実はアリアって結構強い方…?」
「ん〜…ほかの吸血鬼よりかは魔力も多いし、詠唱も唱えなくていいからなぁ…」
「そう考えるととっても便利!!」
簡単そうに言うが、少女がしている事はどの種族でも、どんなに努力を重ねても真似出来ないものだった。
理論上、詠唱を唱えずに魔法を放つことは不可能とされている為、少女には沢山の研究者達が集まるが…
「前に、研究者さん達が来てた時に、説明をしてあげたんだけど…みんなぽかーんとしちゃってたんだよね〜…。」
なんでだろう〜と考えていると
「いやいやいやいや…。ちょっと待て、情報が追いつかんぞ…。」
「一応、魔法の基礎は親から習ってるんだが、そんなこと聞いたことないぞ…??」
少し、困惑している様子の少年を見て
「え〜、そうなの?
私、吸血鬼種以外の種族には詳しくないからわかんないかも…。」
そんな時、遠目からでもわかるほどの城が見えてきました。
外観は白く、まるで童話の中のお城かのような形。
城のてっぺんにはこの国の国旗と思われる旗と真っ赤な宝石のように綺麗な魔石が埋め込まれていました。
少年はそんな城に圧倒されつつ
「あれがアリアの家か…。」
「…うん、そうだよ」
王城が見えた途端、手が震えています。
「私、お父様達に話してくるから…カナトは私の部屋で隠れててくれる、?」
ぎゅっと少年を掴んでは震えが止まり
少年を守るべく、そう言うと
「うん、わかった。」
「じゃあ、部屋まで連れてくね。」
そう言っては「リリックトリック」と唱えると
少年と少女の姿が他の人から見えないようになりました。
「この魔法は他の人からは見えないけど、音を立てたり喋ったり、他の人に音を聞かれると取れちゃうから気を付けてね!」
「なるべく気をつける。」
しばらく王城の周りを飛び
「え〜っと確か…あ、あった、カーテンそのまんまで助かった〜」
ピンク色の可愛らしいカーテンの大きな窓と立派なベランダを見つけると少年を下ろしては鍵を簡単に開けると…。
ピンクのカーテンから人影…いや、吸血鬼影?が見えました。
「だれ…?」
少女ですら聞いた事のない声が部屋から聞こえます。
鍵を開ける時にカチャッと音が鳴ってしまった為、魔法の効果が切れてしまいました。
「え…この部屋、使われてないんじゃ……。」
ベランダから吹く風がカーテンが揺れ
隙間から見えたのは
少女とそっくりの赤い瞳
少女の母親とそっくりの淡く長い金髪
肌はツヤツヤの美白で着ているドレスも着こなしています。
目が合うと数秒見つめ合うと
「もしかして…!!」
少女の元に駆け寄っては
突然
「貴方が私のお姉様!?」
そう、目を輝かせては少女に飛び付くと
少女は困惑しています。
「あ、あの…えっと………??」
「ぁ…申し遅れました。
わたくし、アルフィリア・ロイヤル・リーファと申します。」
「気軽にアルフィとお呼びくださいませ!!」
所作が一つ一つ整っていてお辞儀もちゃんとした後、にこっと可愛らしげな笑顔を見せます。
「……ロイヤル・リーファ……???」
名前を聞いてもまだ困惑している様子。
そんな様子をみかねた彼女はこう言います。
「はい!わたくし、お姉様の妹ですわ!!」
少女はしばらく固まったあと
「妹……!?」
少女の知らないところで妹が誕生していたのです…。
それはそうと少年はと言うと…?
「また俺、空気になってないか…?」
一番何も分からず1人、寂しく隅っこに佇んでいました___☆




