夏祭りデートと新たな旅へ____後編
花火が打ち上がり、少女は驚きながらも少し考え
しばらく沈黙が続いた。
そして小さく申し訳なさそうに
「……ごめん。」
少年は少し笑って
「やっぱり駄目か。」
すると少女は慌てて
「ちがう!!」
色んな感情が溢れ出して涙が少し溜まって
「嫌だからじゃない……!!」
「けれど…すぐには……答えられないの。」
「私はもうすぐ魔界へ帰って任務を果たさなきゃならない。」
「王族だから……。」
「それに……。」
少女の脳裏には笑顔が眩しい彼がちらつき
「怖いの……。」
「もう…私のせいで何も失いたくない…。」
少し、震えて何かを恐れている少女を見ては
「…別に、今すぐじゃなくてもいい。」
「アリアのペースでいいから…
答えが出たらその時、教えて欲しい。」
少女を落ち着かせようと両手を優しく握っては微笑んで
「でもっ…、時間はかかるかもしれない、答えを出しても、会えなくなるかもしれないのに…。」
そのままおでこをこつんと合わせて
「それはその時になって考えればいい。」
「きっと…きっと離れ離れになんてならないから。」
「…そんなの分かんないじゃん…会えても今まで通りには出来ないかもしれないんだよ…?」
「それでもだよ、俺とアリアなら、何とか出来る…そんな気がするんだ。」
すると少し安心しては落ち着いたのか涙を拭っては小さく笑い
「…絶対だからね。もう後戻りなんかできないんだから。」
「当たり前だ、男に二言は無いからな。」
ふふっと微笑んだあと
そして少年が照れ笑いしながら
「……じゃあさ。」
「返事を待ってる間くらい、アタックしてもいい?」
そう言うと握っていた手を恋人繋ぎに変えて
「ふぇ…別に、いいけど…たまに仕返しとかしちゃうかもね…?」
少女は顔赤らめながら恥ずかしそうにしながらも見詰めて
「へぇ〜…じゃあ、これからは覚悟しててね?」
にこっと微笑むと少女は
「ほんっとに…カナトってばおばかさんなんだから…。」
顔真っ赤でボソッとそう呟き
「あー…ほんとかわいい。」
そう言うとそのまま顔を近付け
少女は身構えて目を閉じてしまう
その様子を見つつもギリギリまで近づいたところで
「こういうのは付き合ったあとだよな。」
そういうと悪戯に微笑んでは頭を撫でて
「っ…ちょっと調子に乗りすぎじゃない?」
顔真っ赤で少し睨むと
「ん〜?そんなことないけどなぁ…もっと俺の事意識して欲しいし。」
「〜〜〜〜///」
そんなこんなであっという間に花火大会は終わっており
「花火大会は無事、終わりました。
観覧していたお客様はお忘れ物の無いよう、速やかにご退場ください。」
とアナウンスがされると
「俺たちも帰るか。」
「うん、そうする…!!」
そうベンチから立ち上がろうとした瞬間
「いたっ…。」
「どうした…?」
少年が慌てて見てみると少女の足には靴擦れの跡が
「…ちょっと靴擦れしちゃったみたい、」
「でも、こんなのすぐ治るし、大丈夫だよ!」
少女はそういうが、少年は
「だめだ!すぐ治してやるからちょっと待ってな。」
するとしゃがんでは下駄を剥がして靴擦れしている所に手を当て
«Вылечить»
そう唱えると靴擦れがどんどん治っていきます。
「これは…カナトも能力持ちだったのか…。」
少し驚きながらもそういうと
「ん…みんなには内緒だぞ。」
「うんっ、ありがと!!」
微笑むと
「このままおんぶか、飛んで帰るのどっちにするか?」
「この靴だとまた、靴擦れになるし…。」
「うーん…。たまには、甘えてもいい?」
そういうと上目遣いで見詰め
「っ…はいはい。」
少し目を逸らしてはそのまま背中に少女を背負って歩きます。
「ねぇ、重くない?」
不安げに聞くと
「こんなんじゃ全然重くないよ。」
「むしろ軽い。」
「それならよかった…。」
安心してはまた沈黙が続いたあと
「…もう、夏休みに入ってるんだが…俺はいつでも魔界に行けるぞ。」
と言い出しました。
少女は真剣な顔で言う少年を見ては
ああ…本当にこの人は私の事を好きなんだな…と実感をしつつ
「何があるか分からないんだよ、もしかしたら父上に受け入れて貰えないかもしれない…。それにほかの魔族だって…人間を食とするものもいるんだ。」
「だから無理には…。」
「言っただろ、2人なら何とかできるかもしれないって。」
「それに俺の能力は他人や、自分を回復させることだってできる。」
少女はぎゅっと少年にしがみついては
「…それでも、命の保証はできない。
何かあってからじゃ遅いんだよ…??」
「心配すんなって…それにまだ秘密兵器が残ってる。」
にしっとハニカムと
「秘密兵器……??」
「アリアにもまだ内緒な、だからそんなに気に病むことない。」
「…それなら、お言葉に甘えさせてもらうね。」
「おう、いつでも頼っていいからな。」
人間界で過ごす最後の数日。
その先に待っている未来を、
二人はまだ知らない___




