第27.3話 弥生の心配
自宅で勉強していた弥生は手を止めてため息を付いた。
今日の夜にメイメイちゃんのコラボ配信があるのは知っている。
弥生は彩芽の妹である愛依とはもちろん面識はある。彩芽と同じ幼馴染なのだが、小学中学生になってからは話さなくなっていた。それは愛依が中学二年の春から学校に来なくなってしまったのが原因ではない。
弥生が愛依に話し掛けても上手く会話出来なくなったからだ。
極度の人見知りである愛依は幼馴染の弥生にも距離を空けている。
今では愛依が引きこもってしまったので会う機会すら奪われている。妹を心配している彩芽の助けになりたいと思っているが何も出来ないのが現状だった。
そんなある日に彩芽から妹の配信を見てやって欲しいとお願いされた。
まさかと思い愛依の配信を視聴すると人見知りの愛依が楽しく話しているのを聞いた。
驚いた弥生は彩芽にすぐに電話したのを覚えている。さらに弥生を興奮させたのは配信の内容が弥生の好きなアニメの話題が多かったことだ。
弥生の好奇心をくすぐる話題が多い。まさか愛依がマイナーな名作アニメを知っているとは驚きだった。しかも弥生と同じアニメキャラクターのコスプレ衣装も所持しているのも意外だった。あの美少女キャラの破廉恥な下着までも購入するなどキャラ愛に溢れている。
家族がいない隙にコスプレ衣装に着替えて名セリフを言うのは弥生の密かな楽しみでもある。もちろん誰かに変な趣味だと言われるかも知れないので誰にも言ってはいない。ポニーテールに拘っているのもそのキャラクターに起因するのも秘密だ。
とにかく、愛依が自分と同じ趣味の持ち主だと理解した。
それからは彩芽のお願いをされずともメイメイちゃんの配信をチェックしていた。
「彩芽君にとって愛依ちゃんは重荷だよね……彩芽君可哀そう。愛依ちゃんが死んだら解放されるのかな?」
弥生は天井を一度見上げてから再び参考書を開いた。




