第15話 頼むから明日にしてほしい
大きな欠伸をしながら時計を見ると日付が変わっていた。
うとうとしながら愛依にもう寝ていいかと連絡を入れる。生配信のゲームが盛り上がっているせいで俺は無駄に待たされていた。正直、明日も学校があるので寝たい。生配信にコメントをしている人は眠くないのだろうか。夜型人間と言う人種か。うらやましい。
さすがに眠気の限界が近づいていると占いコーナーが始まった。
俺の未来が視える条件は顔を見ることだ。愛依の提案で占いは人相占いになった。最初に占って欲しい人を募集すると、地震がいつ来るか、や地球滅亡の日は、など無理な注文が殺到した。そんな重要な未来は俺も知りたいくらいだ。
人相占いにしてからは少しだけまともなコーナーになったと思う。けれど信じている人はあまり多くは無いと思う。名の知れた占い師でもない愛依が占っても信ぴょう性が薄い。エンタメと楽しんでいる人が圧倒的に多い。
「じゃあこの選手が明日の試合で活躍するか占ってあげるのだ」
俺はプロ野球選手の顔をネットから検索して、明日の試合というテーマを思い浮かべて顔を眺めた。すると未来が視えたのでスマホから愛依にメッセージを送る。
写真だと未来が視える精度が低いが俺の占いが外れることはない。
「出ました! この選手は明日の試合で全く活躍できないのだー! 残念だったなー! メイメイの占いが外れる事を祈るがよい!」
コメントにこれは当たるや絶対嘘だろなど色々と流れる。少しでも盛り上がっているのなら手伝っている意味もある。ただ、俺が手伝っている意味があるのかは分からない。当たっても当たらなくても盛り上がるのなら必ず当たる占いは必要ない。
その後もスポーツ選手や声優、アーティストの未来を視ていく。結婚する相手などのプライバシーに関わる要望は愛依が人物名を言わずにこういうタイプの人だと上手く説明してくれる。もちろん俺は答えを教えているので愛依のアドリブだ。配信のおかげでトーク力と頭の回転が上がっているようだ。
「お前らの悩みも占ってやるぞ? 顔を見せる勇気があるものは出て来いやー!」
愛依の本来の目的である登録者の人への占いはまだ叶っていない。応援してくれる人の悩みを聞いて上げたいという愛依の目的は果たされていなかった。
普通に考えれば理解は出来る。ネットにわざわざ顔を出すリスクを考えているのだろう。愛依も相手の顔出しを配慮してネット上で対面できるビデオ会議を利用しようとしているが一人も相談に来ない。
今日も駄目かと考えて愛依にさすがに寝かせてくれと連絡した所で愛依が叫んだ。
「やっと一人目が現れたのだ! 仕方がないなぁ! メイメイが本気を出してやるッ! じゃあメイメイのDMにメッセージを送るのだ! 他のお前らは声だけ聞いて楽しむのだー!」
どうやら運悪く最初の一人目が名乗り出たようだ。
眠気と戦う俺は本気で明日以降にして欲しかったと大きく肩を落とした。




