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女神は死神(仮)へ再就職希望しましたっ!  作者: き・そ・あ
第1章 死神さんと運命の女神と
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23 手をつかむ人は・・・だれ?

 人間たちの喧騒が多い中、レアたちは問題の坑道に入る。

 そこにも、土埃が蔓延して視界がよくなく、中には時おり人間の唸るような声が響いた。

 どうやら。まだ取り残されている人がいるみたい。


「し、死神さん、まだ人間たちが・・・」


「大丈夫、外に人間がどうにかするさ、・・・。それより、僕らの仕事は生きている人間よりも、死んだ人

 間の魂が大切なんだ。早く、生き埋めになった人間を探さないと!。」


 言いながらも死神さんは足早に先へ進んでいく。

 坑道の中はまだ発掘途中みたいで、ところどころに削られた土砂が山積みになっていたり、灯りがなかったり、地面はゴツゴツした岩がむき出しで全く整備されていなかった。こっちのほうが新しいようだ。

 時おり人間が奥から走ってくる。

 その度、レアと死神さんは避けながら前進してく。


「!!?さ、さむっ!!」


 狭い通路を抜けて、少し開けた場所に出ると一気に気温が下がる場所に出た。

 急激な温度変化に驚いて自分で自分を抱きしめてしまうほど。

 すでに死神さんは中を調べているようだった。


 開けた場所に不釣合いな土砂の山。


 ところどころにチラつく赤黒いシミ。

 鼻を突くような、不快な臭い・・・。

 鉄の錆びたような、土埃の中に漂う生臭いにおい。

 人間の血液のにおいがする。

 それも、かなりの量の。

 死神さんも、それに当然気づいているようだった。


 レアはやることがなくその場に惚けていたけど、とりあえず死神さんのなにか手伝いができないか近くに行くことにした。


「ど、どうですか?」


「うん、まずいね。これは非常にまずい」


「ど、どうなっちゃったんでしょうか?」


「人間の魂は、既にないだろうね。」


 そう言うと死神さんは力なくその場に座り込んだ。


「で、でもまだ諦めなくてもっ!!」


「無理だよ。肉体から魂がもぎ取られている。君も見てごらんよ」


「み、見るって?」


「あぁ、鎌を手に持たないと死神の能力は解放されないんだ。今朝渡したでしょ?」


「はい、ここにあります」


 出かける前に死神さんにもらった糸切りバサミ。もとい死神の鎌。

 右胸のポケットから取り出して意識を集中すると目の前に少し澱んだ光の紐が見える

 いつもの輝きはなく、すこし黒ずむというか、光が少ないというか・・・。


 それに・・なんだろう。この黒い、圧迫されたような空間。

 さっきと同じ行動のはずなのに、鎌を持つだけでこんなにも空気が、世界が変わるものなのでしょうか?

 壁には黒い泥見たいものがこびりついていて、あたりには暗いモヤみたいなものが浮遊していて、それらはすべてこの上から落ちて来るようだった。


「なんですか?ここ」


「ここは、坑道だよ。さっき僕らがいた場所と何も変わらない。」


「この黒いモヤモヤや壁についているものは?」


「黒いのは瘴気だね。魔族がこの場に現れたんだろう。壁のものは・・・。知らないほうがいいよ」


「そんなっ!人間たちの魂はどこに行ったんですか?!」


「おそらくもう-」


 死神さんは言葉途中に口を紡いでしまった。

 もう-。の先は何言おうとしたのだろう。

 あまりいいことはないと思うけど・・・。


 レアは・・・。何も言えなくなって黙ってしまいました。

 こんな、よくわからない結末は不本意だけど、なんか死神さんも元気がないし、自分に出来ることがないのがすごく悔しい。


 座ったまま動かない死神さんを見て心配になったレアは瓦礫の上をヨタヨタと歩きながら死神さんの方へ向かって行きました。


 とにかく、今はここを出ないと!


 瘴気が渦巻く場所にいるなんて危険すぎます。だって瘴気はレアたち神族にとってみればウイルスとかと一緒で体に害をなす物質だから。

 魔族の瘴気に当てられて堕天でもしたら大変だもの。


「死神さん、今はここをでましょ?それから考えましょうよ。レアも、いろいろ頑張るしお手伝いしますっ!」


「君・・・。そうだね、ここは不浄だ。僕たちもまいっちゃう前に出よう。」


「はいっ!・・・っうやぁあ!!」


 死神さんが出口に向かっていく後ろで瓦礫の上をぴょん、ぴょん、と跳びながら降りるとき、体勢を乱して前に倒れそうになる。


(あ、これは痛い奴だ・・・)


 目の前に迫る地面を直視出来なくて目を瞑る。

 次の瞬間、私の右手は誰かに掴まれた。

 私の倒れる体は止まり、地面に激突することはなかった。


「し、死神さん?ありがとうございます」


 レアが目を開けると目の前には死神さんが驚いた顔でこちらを向いて立っているました。


 え?だれがレアの手を握っているのですか?

 そんな顔してると、レアの方が怖いんですけど・・・。

 レアはゆっくり、後ろを振り向くことにしました。

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