21 落盤
坑道には珍しいものがいくつかありました。
キラキラと光る石。
透明な結晶。
光るコケ。
見たこともない人間が使う道具。
どれも興味があったけど、死神さんはお構いなしにスタスタと先に進んで行きました。
坑道の中はいたってシンプルな作りでした。
灯りが等間隔で設置されていて、中には土砂を運び出すために手押し車。
簡易的な休憩所。荒々しく削られた壁や天井。
分かれ道がいくつかありましたが、どれも一時的に分かれるだけですぐに合流したりして基本1本道でした。
そして、・・・。
「ここですか」
「そだね。ここのようだ」
レアたちが見たのは最深部。つまり行き止まりで土砂が崩れ、天井だったところの土が崩れちている場所。
つまり、崩落現場。
そこにレアたちはいます。
でも、なんだろう?。
上手く言えませんが、誰もいない感じがします。
女神の時もそうだけど、人間の気配、っていうのがあって見えなくても、このあたりにいるかな?ていうのが雰囲気でわかります。
死神さんも多分おんなじだと思う。
それが、全く感じません。なので、レアたちは困惑しています。
「だれも、いません・・・よね?」
その場に落ちている石を触りながら死神さんに話しかけてみるも、返事がなかったから振り返ってみてみると死神さんもほかの場所を探しているようでした。
やっぱり、納得いかないのかも?
落ちている瓦礫を手でいくつかどけてみても、人間はいなくて、諦めて死神さんに声を掛けようと近づいた頃・・・。
ズズズ・・・ドドッドドド!!
「し、死神さんっ!!だ、だれかっ!!」
地を走る振動が襲ってくる。レアは近くの死神さんに抱きついた!そりゃ、いきなり坑道の中に轟音が響き体が揺れる振動がくれば怖くもなります!
思わず悲鳴まであげちゃいました。
でも、音こそすごいけど、その被害は全くと言っていいほどなくて、さっきの土煙の落盤事故が嘘みたい。
「なにも・・・起きませんね?」
「・・・」
死神さんが『シっ』と指先を口元に持っていった。
その姿を見たレアはいろいろ言いたいことがあったけど静かに隣で黙ることに。
「落盤だ!!」
「また落ちたぞ!」
「奥にいた連中が埋まったぞー!」
耳を澄ますと、外から人間たちの声が聞こえてくる。
それは先程と同様、どこかで落盤が起きたことを連想させる。
「ちっ!やられた!!」
めずらしく死神さんが苛立って焦るところを見ました。
舌打ちをするとレアに手を伸ばして『早く!』っと言って走って行きました。
そこで、レアの手を引っ張ってくれないところは死神さんらしいな。と思いながらも急いであとを追いました。




