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女神は死神(仮)へ再就職希望しましたっ!  作者: き・そ・あ
第1章 死神さんと運命の女神と
21/36

20 坑道へ

 炭鉱から一番近い影に移動したレアたち。

 人間たちが集まってくる。

 坑道からはいまだ土煙が舞い上がってきていて、被害の大きさが伺える。

 レアと死神さんは影の上から動かないで現場の様子を見ている。

 炭鉱夫たちが集まって、なかに残された救助活動をしているから迂闊に中には入れないのです。


「落盤事故はここだと思うから、少し様子を見ようか・・・。」


「わかりました。待機・・・ですね」


 坑道をせわしなく動く人間たちを見ながら現場の様子を見ていた。

 怪我人は確かにいるけど、見た目の割にそれほど大きな事故ではなさそう。

 死人が出たとか、まだ視界が良くないけど大きな怪我につながるような事はなさそうです。

 死神さんもそれを見ながら唸るような声を上げていました。


 小刻みに揺れる足。


 ローブの中で死神さんが怒っているのだろうな。焦っているのだろうなって雰囲気が伝わってきます。

 少し時間が経つと、坑道の中から担架で運ばれる人間が数名連続で出てきて、死神さんは一瞬表情に明るさを取り戻したけど、すぐにまた曇りました。


 なぜって・・・。


 全員生きてるから。

 来る前に確認した運命の女神アテネの予言した落盤事故による死者の魂を回収する仕事。

 確かに、この場所だと思うんだけど・・・。

 まさか、女神の中でもトップクラスの権力をもつ運命の女神様が間違えたりすることもないだろうし。


「おかしい・・・。」


「おかしいって?なにがですか?」


「炭鉱では、落盤事故は起きた。」


「はい。今ここで」


「ここは、鉱山都市ロロ。」


「そうです・・ね。レアは初めてきましたけど」


 目の前を担架で運ばれている人間。それに笑いながら寄り添う人間がレアたちに気づくことなく通り過ぎていく。

 その姿を最後に落盤事故のあった坑道から人の気配がなくなったように感じる。

 人のいなくなった坑道へ続くらせん状の道を歩き、落盤があった坑道を入口から覗いてみる。


 埃っぽいような・・・。


 なんか湿ぽいような。


 独特な臭いがしました。


「行こうか・・・。もしかしたら生き埋めで気づかれていないのかも・・・」


「それって・・・。やっぱりぺしゃんこではないのですか?」


「アテネからの予言にはそこまで書いてなかったんだ。何かが原因で狂っているのかも・・・。」


 薄暗い坑道へ足を踏み入れると、そこはまるで別世界。

 空気もひんやりしていて、なんだかあまり経験したことのない『背筋がゾク』っとする感じに襲われました。





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