15 雪山
「うん。時間に間に合ったね」
「はいっ!お待たせしました!」
レアは急ぎ家に帰ると、着替えなど数着、最低限の荷物を家から持ってきた。
レアの家は豊穣の女神。基本的に家族全員が顔を合わすことはないの。
いつも、1人が多かったレアはなんか悪いことしてるみたいだし、誰かが家にいるってことに不慣れだったから死神さんや執事さんがいる死神協会がとっても嬉しい!!死神教会の前で待ち合わせしてたけど、死神さんはレアのことを待っていたみたい。
さっそく待たせちゃって、悪いことしたな。
死神さんとお揃いの黒いローブを羽織って、適当な影の上に立った。
ん?そういえば、夜は真っ暗だけど、どうなるんだろう・・。
「はい、最初はなれないだろうから掴まって?」
死神さんが小さな、細い手を伸ばした。
そういえば、死神さんもなんで子供の姿のままなんだろう。
昨日の夜も・・・。その前も。
「ほらっはやく!」
「は、はいっ!」
手を見ながら惚けていると、死神さんに呼ばれて慌てて手を握った。
ニヒッと死神さんの口元が歪むと、レアたちの体はズブズブと地面に沈んでいく。
「う、うわあぁ!?」
「最初はなれないけど、そのうち簡単にできるようになるよ」
地面の中に沈んでいくときは痛くもなんともなくて、なんか少しひんやりするものが体に張り付くような感覚だった。
地面の中に体が沈んでいくって・・・。なんだかすごい不思議。
死神さんの手をギュッと掴む・・・。レアの頭まですっぽりと地面に吸い込まれると、そこには寒い、冷たい風が吹いていた。
「っささささ、寒い!!」
「今日のお客さんは、雪山で遭難した二人の魂を回収することだよ。はい、一応、これね」
目の前には満天の星空。白い雪の大地に、空気が澄み渡り輝く星。さっそくもらったローブを体に巻きつけてしゃがみこむレアに、白い息を吐きながら1枚のメモ紙を渡す死神さん。
寒くないのかな?死神さんだって、厚着してないのに・・・。
なになに??
「あっちだ、行くよ!」
死神さんが指差す方向には足跡が残されていた。
レアも急いで後を追う。
・・・さっきにメモ紙には雪山で遭難し、そのまま死亡する男女の魂を回収すること。
と書いてあった。今回、回収する魂は2つ。でも、こんなところにいる男女ってことは、きっとそういう仲だよね。
足跡を追いかけながら白い息を吐いて進むレアたち。その前方に雪の上に倒れこむ2人の姿が見えてきた。




