14 レアの部屋
「あの、死神さん!」
「ん?どうたしの?」
「さっき言ってたこのローブ。変身能力って言ってましたけど・・・。どう使うんですか?」
お茶菓子を食べながら少し沈黙があったとき、何か喋ったほうがいいのかな?と思ったレアは死神さんへローブのことを聞いてみた。
変身能力って、どうやって使うんだろう。
「その変身能力は、ローブをかぶって強くイメージすればその人間になれるんだよ。動物とか、虫とかは無
理かな。人間と僕たち神々は相容れない存在だからね。それでも、たまに人間に混ざって生活をすると気があるからその時用に・・・」
「あ、ありがとうございます。・・・人間になれる・・。え?人間の中で生活するんですか?」
「うん、死神の死亡予定リストの中で明らかに変な動きをする人がいれば監視をしなければいけないからね。死ぬ原因が魔族なら助けないといけないし。このローブがあれば影さえあればどこでも転移できる天界でもかなりレアなローブなんだ。それほど滅多なことはないから、大丈夫。」
は、はぁ。大丈夫、ですか。
やだなぁ。また魔族が出てきたよー。魔族とのいざこざは嫌なのに・・・。
なんだか、急に心配になってきちゃった。
「まぁ、まずは案内するよ。君の部屋も用意しないと。うるさいのが戻ってこないうちに始めようか」
湯呑のお茶を飲み干すと、死神さんは立ち上がり扉の外へ向かっていく。
レアもおいていかれないように、急いで飲み干すとそのあとに続く。
廊下を出ると、右を指す死神さん。
「向こうには食堂、お風呂、玄関があるから。そのうちわかるよ。こっちにはトイレと階段がある。君のお部屋は2階だから」
言いながらスタスタと進んでいってしまう。
2階にあがると、いたってシンプルな作りだった。扉が5つ。
「一番奥は僕の部屋、手前は執事くんの部屋。君は、その隣。真ん中の部屋だね。あ、ここはトイレ、こっちは書庫だから。」
廊下を歩きながら死神さんは手前二つの扉を教えてくれた。
「死神協会って、綺麗ですよね。」
2階の廊下にもゴミひとつなく綺麗にお花が飾ってあって、1階同様で小さなお屋敷のよう。
「そうだよね、もっと汚かったり、怖いところを想像しちゃうよね。人数がいないから大変なんだよ。大きいと管理できなくて。掃除とか大変だよ。みんなが想像するなんか紫色に光る雲の下で黒い鳥なんかが泣いてる場所。そんなの、鳥のフンも掃除しなくちゃいけないし、仕事ばっかりで仕事なんかできないよ。それに比べてこの民家サイズなら住みやすいし。なにより、買い物も近いしね」
「そうなんですか・・」
確かに、住宅街だがら買い物や暮らす分には苦労しないと思うけど・・・。レアが想像した死神業とはだいぶかけ離れているけど、大丈夫かな。
応接室も綺麗だったし、2階のお部屋もきっときれいなんだろうな。しかも、研修生のレアにお部屋をくれちゃうんてすごく嬉しい。泊まり込みって、男の人とはちょっと・・・と思っていたけどこれなら安心かも。
死神さんがレアの部屋になる扉に手を伸ばす。中が気になって、死神さんのうしろから中を覗き込んだ。
死神さんも意外だったみたいで言葉が出ない。
レアも、言葉が出ない。なんて言えばいいのか。
「・・・」
「・・・」
「ごめん、執事くんに言って片付けさせるよ。」
「すいません。お願いします。」
レアの部屋候補だったところを開けると、本や書類、家具が置いてあって物置のようになっていた。
さすがにこの状態だと住めないと判断して、死神さんに素直にお願いしました。




