12 そこまで嫌いですか?
「君は嘘をつかない素晴らしい逸材だ。正面から向き合うこと。自分の気持ちに従ってること。それは死神で最も大事なこと。命を司る神だからこそ、自分の気持ちに正直になることが大切。君は死神合格!」
納得がいかないご様子の金髪執事さん。
グッジョブ!とでも言いたそうにグー!と親指を立てて私に微笑みかける死神さん。
レア、合格ですか?死神さんですか??
「ごう・・かく?。今の答えで?」
「うん、それは僕のと同じ、死神協会から配布される死神のローブ。変身能力付きだよ。今日から君のものだ。なくさないでね?」
首元にはさっき執事さんからかぶされた黒い布。それは、目の前の死神さんと同じ黒いフードつきのローブだった。
見た目の割にすごいフワフワ。
フードにうさぎや猫の耳を裁縫してみようかな。きっと可愛くなりそう。
変身能力も気になるな。でも、嬉しいなぁ・・・。
「あっ、でもレアちゃん、君はまだ死神見習いだよ?」
「み、見習いですか?」
仕事ができた喜びを噛み締めていると、試験には合格したけど、このあとは実施訓練、とでもいう感じの雰囲気。でもでも、死神さんと同じ職場で働けるようにはなったんだからまずはよしとしなっくちゃ!
「そう、まだ本採用ではないよ?女神|(死神(仮))ってところだね。研修がクリアされれば一人前!頑張ろうね!」
「は、はいっ!よろしくお願いします!」
「まてぇーっい!!」
「ひやぁっ!?」
「なんだい?大声で」
いきなり隣で執事さんが大声で叫びながら立ち上がった。
その目は、・・・怒ってる?見下ろしながら鋭い眼光、わずかに歪むその口元。
「死神様。こいつ・・いや、こちらのお客様は正式には死神ではないのですか?」
「うん、まだね。死神になるのはまだ先かな」
「よぅっしゃぁあ!!きたぁぁあ!」
「な、なにがだい?」
「お前っ!」
「は、はい!?」
指をさされとっさに変な声で答えてしまう。
「お前はまだ、我が主、死神にはなっていない!従って、俺はお前に使われる道理はない!ふふふ、あははっ!あー、こんなガキに使われなくてよかった。さっさとやめてママのとこ帰りな」
執事さんは暴言を吐いていくとそのままレアの頭を2回強めに叩くと笑いながら扉の外に出て行った。
一瞬でも、さっきあの執事に感謝した過去を恨むわ。
開いた口がふさがらないレア。
「くだらないことを」
死神さんはため息1つ。
廊下には執事さんの満足そうな声が響いていった。




