11 正直が一番っ!
「お待たせいたしました・・・、お・きゃ・く・さ・ま」
言葉とは逆に、すんごく態度の悪い金髪執事さんが新しくお茶とおせんべいを持ってきてくれた。
死神さんは執事さんを手で『シッシッ』とあしらうとそこから出て行くように促した。
私はおせんべいに手を伸ばすと、おせんべいは指先が触れた瞬間に粉々に砕けた。
(どうやったら、こんな嫌がらせみたいなおせんべいができるのかしら)
粉塵と成り果てた元おせんべいを見つめていると不思議とあの威張りんぼな執事さんの勝ち誇った顔が浮かんでくる。
「おまたせしてしまって、えっ・・と。レアちゃんだね。女神様の君が、死神なんてアンダーな仕事になんで興味をもったんだい?」
「きょ、興味?・・・どうしてと言われても・・・」
どうして?なんで?他に仕事がなかったから?
「どうせ、ほかに仕事もないし、気まぐれじゃないですかぁ?」
扉の外で執事さんの言葉が聞こえる。
あまりにも図星な回答に一瞬肩が震えて顔が強張るのがわかった。
「うるさいよ!そんな軽い気持ちなわけ無いでしょ!あまりしつこいとあとでお仕置きだよ!」
『・!!・・』
死神さんの言葉で執事さんは扉の外を離れていったようだ。足音が遠のいていく。
「ごめんね、なんだか今日はやたら君に突っかかるね。いつもはあんなんじゃないのに・・・」
「い、いえ・・。大丈夫です」
だって、他にないから。って回答がNGってわかっただけでも収穫だわ。今はすごく執事さんに感謝したい気分。
目の前には黒いローブを纏った死神さん。目元までははっきり見えないけど、きっと笑ってるんだと思う。
なんとか、気に入る答えが、がっかりされない答えを探さないと・・・。
「レアは・・。レアは・・・。その。ごめんなさい。女神の仕事が少し、嫌になっちゃって。戦うのも怖い
し、夜の巡回も怖いし、建のお稽古だって・・・。その、嫌いだし。それで、お仕事ってほかにどんなのがあるのかな?って探してたら死神さんのこと知って、ご迷惑だと思いましたけど。」
嘘をつくことに耐えられなくなったレアは、思ったことをそのままぶつけた。
死神さんは何も言わないで無言だった。
死神になりたいって気持ちがあるのかないのかっていったらわからない。でも、昨日の死神さんのお仕事を見てて興味があったのは本当。でも、やっぱり甘いのかな。
死神さんは静かにテーブルにある呼び鈴を3回鳴らした。
リン・リン・リン。
ガチャ。
扉が開いて執事さんが戻ってくる。
「あふっ!」
一瞬視界が真っ黒になる。
何かで目の前を覆われた感じ。
それは、一瞬で通り過ぎた。
「おめでとう、・・・ございます。」
目の前には目尻を痙攣させながら笑いかける執事さんがいた。
おめでとう?
レアはテーブルの上にある2枚の紙を見つけた。




