10 おかえり、死神さん
目の前に置かれたシルバーに輝くヤカン。
もしかして、これは死神になるためのテストかも?!。なんて思うとこのまま放置ではいけない気がしてきた。でも、限界値まで入っているお湯は絶対に溢れる。むしろ、重くて持ち上げることすらキツイ。
レアは、少し悩んだけどお茶を飲むことにした。
目の前に置かれたお茶セット。スプーンで緑の粉を湯呑へ。
そのあとは、ひたすらスプーンでお湯をすくって湯呑へ移動する!
お茶セット見てて考えついたのはこの方法だった!
使える道具はスプーンしかないし。
熱いのは嫌だし。
ガチャ・・・。
扉が静かに開いた。
扉の開き方がさっきの威張りんぼとは明らかに違う。
でも、今更この状態どうしろっていうのですかっ!?
片手に湯呑、片手にスプーン。チビチビとお湯を入れ替える姿。
「どもっ!!」
昨日の死神さん!
今日も黒いローブでその身を包んでいる。
私は、レアは・・・。
「あははっ。こ、こんにちわ。死神さん」
「・・・」
テーブルの上で湯呑にお湯を移動させているなんとも間抜けな姿を見た死神さんは、静かにドアから出て行った。
「うちの執事が、たいへんご無礼をかけました」
「えぇ”!?し、執事さんですか!?死神さんではなく!!?」
死神さんは金髪のイケメンお兄さんを連れてくると頭を二人で下げた。
「こいつ、直ぐに調子乗るんです。きっと、レアさんが来てからかったんだと思います。本当に失礼しました。こいつには、あとでキツイお仕置きをさせますので。大事にはさせないでください」
「執事のくせに、あんな威張りんぼだったんですかぁ!?」
「クセにってなんだ!?くせにとは-」
「申し訳ない!!」
執事さんが言いかけた文句を頭を叩きつけて塞ぎ込む死神さん。
なんか、死神さんだと思ってたから我慢してたのに、・・・。ちょっと、ちょっとだけイラッとする。スプーンで入れ終わったお茶を静かにすすると、やっと一息つけた感じ。
死神さんも帰ってきたし、とりあえず、話だけでも聞いていこうかな。




