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異世界と厨二病  作者: シュレディンガー


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第52話 迷宮の番人

ゴォォォン!!


石の巨人の拳が地面に叩きつけられる。


訓練場ほどの広さがある部屋が大きく揺れた。


「散開!」


ガイウスの声が飛ぶ。


だが、彼は壁際から見守るだけ。


本当に手は出さない。


りょうは前へ飛び出す。


黒マントを翻し、大きく叫ぶ。


「聞けぇぇぇ!!」


石の巨人が首を傾げる。


「我が名は!」


「漆黒の覇王・神崎りょう!!」


「お前を倒し、この迷宮を攻略する!」


巨人は低い声で答えた。


「……確認。」


「挑戦者……認識。」


「排除開始。」


「返事するんかい!」


紗耶が思わずツッコミを入れた。


「いくぞ!」


りょうは剣を振るう。


「黒影連斬!!」


ガガガガッ!


しかし、剣は石の体を浅く削るだけ。


「硬い!」


逆に巨人の腕が振り下ろされる。


ドォォン!!


「うわっ!」


間一髪で避ける。


紗耶は魔法を放つ。


「アイスランス!」


氷の槍が何本も飛ぶ。


だが、腕に小さな傷を付ける程度だった。


「これでも駄目?」


アリシアが周囲を見渡す。


「普通の攻撃じゃ倒せない……。」


その時。


ガイウスは何も言わず、床を軽く指差した。


りょうは気付く。


床には魔法陣が刻まれている。


さらに部屋の四隅には、赤・青・緑・金の水晶。


「……あっ!」


「力押しじゃない!」


紗耶もすぐ理解した。


「試練なんだ!」


「水晶を壊すと何か変わる!」


「任せて!」


風魔法で一気に青い水晶を破壊する。


パリン!


すると巨人の動きが少し鈍くなった。


「やっぱり!」


アリシアが叫ぶ。


「赤は私が!」


補助魔法でりょうの身体能力を高める。


「ブレイブ・オーラ!」


「ありがとう!」


りょうは高く跳び、赤い水晶を斬る。


パリン!


巨人の片腕に亀裂が走った。


残る二つ。


緑は紗耶。


金はアリシアが協力して破壊する。


四つすべてが砕けた瞬間。


ゴゴゴゴ……


巨人の体に無数のひびが入る。


「防御が消えた!」


ガイウスが初めて声を張る。


「今じゃ!」


りょうは剣を握り締める。


「みんな!」


「決めるぞ!」


紗耶は笑顔で頷く。


「任せて!」


アリシアが支援魔法を重ねる。


「力を!」


黒い雷が剣に宿る。


《共鳴》。


「黒影・雷牙斬!!」


ズバァァァァッ!!


一閃。


巨大な石の巨人は真っ二つになり、ゆっくりと崩れ落ちた。


ドォォォン!!


迷宮に静寂が戻る。


部屋の中央に、一つの宝箱が現れる。


りょうは目を輝かせる。


「宝箱だ!」


勢いよく開けようとする。


ガイウスが慌てて止める。


「待て!」


「ダンジョンの宝箱は罠の可能性もある!」


りょうの手が止まる。


「危なかった……。」


紗耶が魔法で調べる。


「罠はないよ。」


「本物。」


「よし!」


りょうはゆっくりと宝箱を開けた。


中に入っていたのは、一本の黒い鞘に納められた剣だった。


ガイウスは目を見開く。


「これは……。」


「古代文明の魔剣か。」


りょうがそっと柄を握ると、剣が淡く光を放った。


まるで、新たな主を待っていたかのように。

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