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異世界と厨二病  作者: シュレディンガー


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第31話 四天王討伐作戦

翌朝。


王城の大会議室には、王国中の騎士や高ランク冒険者が集まっていた。


壁には巨大な地図。


その中央には赤い印が付けられている。


「ここが、炎獄将軍バルガスの拠点だ。」


総大将が地図を指した。


「火山地帯・イグニス渓谷。」


「ここを落とせば、魔王軍の南方戦線は大きく崩れる。」


りょうは周囲を見回す。


Aランク。


Bランク。


名だたる冒険者ばかり。


「俺たち……。」


「場違いじゃない?」


紗耶は小さく笑う。


「ちょっとだけね。」


ガイウスは首を振る。


「いや。」


「お前たちだから呼ばれた。」


総大将が続ける。


「バルガスと交戦経験がある者は前へ。」


りょうと紗耶だけが前へ出た。


会場がざわつく。


「子ども?」


「あいつらが?」


総大将は真剣な顔で二人を見る。


「奴の情報を話してくれ。」


りょうは一歩前へ。


少し緊張していた。


それでも胸を張る。


「炎獄将軍バルガス。」


「めちゃくちゃ強いです。」


「以上!」


静まり返る会議室。


紗耶が苦笑する。


「もっと詳しく。」


りょうは慌てた。


「えっと……。」


「戦斧が重い!」


「炎がすごい!」


「笑い方が豪快!」


会議室の空気が微妙になる。


ガイウスが額に手を当てた。


「ワシが説明しよう……。」


作戦は決まった。


前衛部隊が魔物を引き受ける。


精鋭部隊がバルガスを討つ。


そして。


「神崎りょう、紗耶。」


「お前たちは精鋭部隊に同行せよ。」


りょうは驚く。


「俺たちが?」


「前回の戦いで最も長く奴と戦ったのは君たちだ。」


「その経験が必要だ。」


出発の日。


王都の門には多くの人々が集まっていた。


子どもたちが手を振る。


「頑張ってー!」


「四天王をやっつけて!」


りょうは照れながらも笑顔で手を振り返した。


黒マントを翻す。


「任せろ!」


「漆黒の覇王が帰ってくる!」


兵士たちから笑いが起きる。


「また始まった。」


「でも嫌いじゃない。」


紗耶はりょうの横に並ぶ。


「緊張してる?」


「してる。」


「でも。」


剣の柄を握る。


「今回は逃げない。」


紗耶は静かに頷く。


「うん。」


「私も。」


数日後。


イグニス渓谷。


赤い溶岩が流れ、熱風が吹き荒れる。


その最奥。


巨大な砦の門がゆっくり開いた。


ゴゴゴゴ……


現れたのは。


巨大な戦斧を肩に担ぐ男。


炎獄将軍バルガス。


「来たか。」


以前のような笑顔はない。


「今日は遊ばん。」


戦斧を地面へ叩きつける。


ドォォォン!!


地面が割れ、炎の柱が噴き上がる。


「ここがお前たちの墓場だ。」


りょうは剣を抜く。


深く息を吸う。


そして、大きく叫んだ。


「聞けぇぇぇ!!」


戦場中に響き渡る声。


「我が名は!」


「漆黒の覇王・神崎りょう!!」


「今日こそ!」


「貴様を倒し!」


「世界に平和を取り戻す!!」


バルガスは静かに戦斧を構えた。


「……いいだろう。」


「その覚悟。」


「今度こそ、この戦斧で砕いてやる。」


炎が天を焦がし、戦場の空気が震える。


ついに――


炎獄将軍バルガスとの、本当の決戦が幕を開けた。

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