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異世界と厨二病  作者: シュレディンガー


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第二話 魔法との出会い

依頼:忘れられた魔導遺跡の調査

・魔物の討伐

・最深部の調査

・危険度:B

「おっ、遺跡だ!」

りょうの目が輝く。

「こういう場所には大抵、伝説の武器か封印された力が眠ってる!」

「また始まった。」

沙耶は苦笑する。

「間違いなく俺の漆黒の鎧がある。」

「まだ火花しか出ない人が何言ってるの。」

遺跡へ

森の奥。

ツタに覆われた巨大な石造りの神殿。

崩れた柱。

古代文字。

入口には剣を持った石像が並んでいる。

「雰囲気あるね。」

「我の故郷みたいだ。」

「故郷は日本。」

「……そうだった。」

二人は慎重に中へ進む。

第一の試練

床に魔法陣。

りょうが踏む。

ガコン。

「え?」

天井から大量の矢が飛んできた。

「りょう!」

沙耶が指を鳴らす。

停止世界クロースド・クロック

止まった矢を一本一本避け、安全な場所までりょうを引っ張る。

時間が動き出す。

ザザザザッ!

矢は床へ突き刺さった。

「助かった……。」

「だから不用意に踏まない。」

「これは罠を作動させることで敵の位置を確認する作戦だ。」

「絶対違う。」

第二の試練

通路には石の騎士が四体。

ギギギ……

目が赤く光る。

「侵入者。」

「出た!」

りょうは剣を抜く。

一体目。

剣筋は修行の成果でかなり良くなっていた。

ガキン!

「やあっ!」

脚を狙い、転ばせる。

「やるじゃん。」

「努力の成果だ!」

しかし二体目に押される。

重い。

「くっ……!」

沙耶が時間を止め、背後から石騎士の関節へ剣を叩き込む。

ガシャーン!

「ありがとう。」

「連携できたね。」

古代図書室

最深部の手前。

そこだけは戦いの跡がなかった。

壁一面に本棚。

何百冊もの魔導書。

「すごい……。」

沙耶は思わず息を呑む。

りょうは別の意味で興奮していた。

「禁断の魔導書だ!」

「普通に図書館じゃない?」

一冊の本だけが青白く光っている。

表紙には古代文字。

沙耶が触れる。

すると文字が日本語へ変わった。

「えっ……。」

『初級魔導書』

「読める!」

ページを開く。

火球。

風。

水。

土。

魔力の流し方まで丁寧に書かれていた。

「これなら私でも覚えられるかも。」

「俺も!」

りょうも隣で本を開く。

集中する。

魔力を流す。

パチッ。

火花。

「……。」

もう一度。

パチパチ。また火花。

「惜しい!」

「惜しいの!?」

「我は封印されているからな!」

「便利な言い訳だね。」

突然、本棚が揺れた。

奥から高さ三メートルはある石像が現れる。

「知識を持ち去る者に試練を。」

巨大なハンマーを振り上げる。

「ボスだ!」

りょうは前へ出る。

「沙耶! 本を守れ!」

「分かった!」

守護者の一撃を受け止める。

重い。

腕が震える。

「うおおお!」

剣術だけで必死に耐える。

その間に沙耶は魔導書を片手に詠唱する。

「えっと……」

「火よ、集え!」

小さな火球が飛ぶ。

ボン。

「効いた!」

「本当だ!」

まだ威力は弱い。

だが確かに石像の表面を砕いた。

「もう一回!」

二発。

三発。

その隙にりょうが足元を斬りつける。

バランスを崩した守護者へ、沙耶が時間停止を発動。

止まった世界で石像の胸の核を狙い、渾身の一撃を放つ。

時間が動き出す。

ガァァン!

石像は大きくひび割れ、ゆっくりと崩れ落ちた。

「試練……突破……。」

守護者はそう言い残し、静かに動きを止めた。

二人は顔を見合わせる。

「やった!」

「うん!」


昼はクエスト。

夜は剣の修行。

りょうは何百回も素振りを繰り返す。

「998……999……1000!」

汗が地面を濡らす。

沙耶はその横で魔法の練習。

「《ファイアボルト》!」

火球が岩を砕く。

「すごい……。」

「まだまだだよ。」

りょうは笑顔で拍手した。

でも心のどこかが痛んだ。


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