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異世界と厨二病  作者: シュレディンガー


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第18話 冒険者ランクCへの道

エルムの町を出て五日。


街道を進んだ先に、中規模都市レグナスが見えてきた。


高い城壁に囲まれ、多くの冒険者が行き交う町だった。


「おぉ!」


りょうは黒マントを翻した。


「新たなる地か!」


「待っていろ!」


「漆黒の覇王・神崎りょうが来たぞ!」


門番が苦笑する。


「元気な兄ちゃんだな。」


紗耶は軽く頭を下げた。


「すみません。」


「いつものことなので。」


レグナス冒険者ギルド。


受付嬢が二人の冒険者証を見る。


「ランクDですね。」


「もう少しでCランク昇格試験を受けられます。」


りょうは身を乗り出した。


「本当ですか!」


「はい。」


「あと依頼を五件達成すれば受験資格を得られます。」


「よし!」


拳を握る。


「受ける!」


掲示板を見る。


依頼は様々だった。


畑を荒らすホーンラビット討伐

洞窟の薬草採取

商人の護衛

行方不明の指輪探し

古井戸の調査


「どれから行く?」


紗耶が聞く。


りょうは迷わず一枚を取った。


「指輪探し!」


ガイウスが笑う。


「戦闘ではないのか?」


「困ってる人を助けるのが冒険者です!」


ガイウスは嬉しそうに頷いた。


依頼人は若い女性だった。


「婚約指輪を川へ落としてしまって……。」


涙ぐんでいる。


りょうは真剣な表情になる。


「安心してください。」


黒マントを翻し、右手を掲げる。


「漆黒の覇王の名に懸けて!」


「必ず見つけ出します!」


紗耶が小さく笑う。


「また始まった。」


二人は川へ向かう。


浅い場所を探すが見つからない。


「ないなぁ。」


りょうは靴を脱いで川へ入る。


「冷たっ!」


紗耶も一緒に探す。


二時間。


三時間。


日が傾き始めた。


それでも、りょうは諦めない。


「絶対ある。」


「大切なものなんだから。」


紗耶はその横顔を見つめる。


(こういうところが、りょうらしい。)


夕方。


太陽の光が水面に差し込んだ。


「……あ!」


小さく光るものがある。


「見つけた!」


りょうは川へ飛び込み、指輪を拾い上げた。


「やった!」


思わずガッツポーズをする。


依頼人は涙を流して喜んだ。


「ありがとうございます!」


「これ、祖母から受け継いだ大切な指輪なんです。」


りょうは優しく微笑む。


「無事でよかった。」


「もう落とさないでくださいね。」


「はい!」


ギルドへ戻る。


受付嬢が依頼達成の判を押す。


「これで一件達成です。」


りょうは嬉しそうに冒険者証を見る。


「あと四件!」


紗耶が笑う。


「頑張ろう。」


その夜。


宿屋の食堂。


りょうは今日買った新しいベルトを腰に巻いていた。


「どう?」


紗耶は見て答える。


「かっこいいと思う。」


「本当?」


「うん。」


「漆黒の覇王っぽい。」


「だろ!」


りょうは満足そうに笑った。


ガイウスはスープを飲みながら苦笑する。


「見た目ばかり派手になっていくのう。」


「見た目も強さです!」


「違う。」


食堂に笑いが広がる。


旅は穏やかに続いていた。


しかし、その町の地下では、黒い霧のような魔力が静かに広がり始めていた。


レグナスの人々はまだ知らない。


数日後、この町で「人が眠ったまま目覚めなくなる」という奇妙な事件が起きることを。


そして、その事件の裏には、四天王・幻影卿ノクスの影が静かに忍び寄っていた。

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