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異世界と厨二病  作者: シュレディンガー


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第13話 初めての昇格試験

東の村での救援依頼から三日後。


りょうたちは再びリーベルの冒険者ギルドを訪れた。


受付嬢が笑顔で迎える。


「東の村でのご活躍、お聞きしました。」


「村の方々から感謝状も届いています。」


りょうは少し照れた。


「俺たちだけの力じゃありません。」


「騎士団や他の冒険者もいましたから。」


その謙虚な言葉に、受付嬢はさらに微笑む。


「それでも、人命救助は大きな功績です。」


「それでは、昇格試験を始めます。」


試験内容は三つ。


剣術試験

魔物討伐

面接


「意外と普通なんだな。」


りょうがつぶやくと、ガイウスが笑った。


「冒険者に必要なのは、人柄もじゃ。」


第一試験 剣術


試験官は元騎士団長。


「始め!」


りょうは木剣を構える。


以前なら突っ込むだけだった。


しかし今は違う。


相手の足運びを見る。


呼吸を読む。


何度も打ち込まれながら、必死についていく。


「そこ!」


試験官の隙を突き、一撃を入れる。


「……よし。」


試験官は満足そうに頷いた。


「派手さはない。」


「だが、基礎がしっかりしている。」


一方の紗耶も試験を受ける。


彼女は時間停止を使わず、純粋な剣術だけで勝利した。


ガイウスは腕を組む。


(ちゃんと約束を守っておる。)


能力は切り札。


普段の試験や依頼では、極力頼らない。


それが二人の方針だった。


第二試験 魔物討伐


相手はホーンウルフ三体。


りょうと紗耶は連携して挑む。


「右!」


「任せて!」


りょうが一体を引きつける。


紗耶は魔法で援護。


最後の一体は二人で同時に攻撃し、討伐成功。


試験官は感心したように言う。


「息が合っているな。」


第三試験 面接


最後はギルドマスターとの面談だった。


「君たちは、なぜ冒険者を続ける?」


りょうは少し考えて答える。


「……最初は異世界に来て、冒険してみたかっただけです。」


「でも今は違います。」


「困ってる人を助けたい。」


「魔王を倒して、みんなが安心して暮らせる世界にしたい。」


ギルドマスターは紗耶を見る。


「君は?」


紗耶は迷わず答えた。


「りょうと一緒に帰るためです。」


一瞬、部屋が静かになる。


「元の世界へ。」


「二人で帰ります。」


その言葉に、りょうは少し照れくさそうに笑った。


夕方。


結果発表。


「神崎りょう。」


「結城紗耶。」


「両名とも昇格。」


ギルド中から拍手が起こる。


受付嬢が新しい冒険者証を渡した。


「おめでとうございます。」


「これで一つ上のランクです。」


りょうは冒険者証を握りしめた。


「やった……!」


紗耶も嬉しそうに笑う。


「おめでとう。」


「紗耶もな!」


二人は軽く拳を合わせた。


小さな昇格。


それは魔王への道のりから見れば、ほんの一歩に過ぎない。


それでも、りょうにとっては「紗耶の後ろを歩くだけではない」と実感できた、大切な一歩だった。


その夜、ギルドの掲示板には新たな依頼書が貼られる。


【護衛依頼】


魔法都市アルカディア行き商隊護衛。


途中、"霧の街道"を通過予定。


最近、旅人が消息を絶つ事件が相次いでいる。


ガイウスはその依頼書を見つめ、小さくつぶやいた。


「……霧の街道か。」


その表情は、今までになく険しかった。

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