第60章:日本が行うべき必要な政策 part7 「現在の高市政権の政策を実際に確認すると」
現在の高市政権の政策を実際に確認すると、私が先ほど述べた考えと重なる部分はかなりあります。一方で、まだ「出生率を上げること」と「人口減少下でも経済を維持すること」を一つの政策体系として具体化する余地もあります。
2026年9月17日に閣議決定された基本方針では、高市政権自身が「少子化・人口減少を乗り切る」ことと、「人口減少に対応した社会経済の再構築」の両方を掲げています。
私なら、現在の政策を大きく変更するというより、既存政策に以下の5つを明確に追加・強化する形を考えます。
① 「女性活躍」から「子育て世代の生活設計」へ重点を広げる
現在の高市政権は、女性の健康、理工系人材、女性が活躍しやすい職場、家事・育児支援サービスなどを政策として掲げています。
これは重要ですが、私は目標を、
女性の就業率を上げる
ではなく、
結婚・出産しても、女性が望む場合には仕事を続けられる
に置くべきだと思います。
つまりKPIも、
女性就業率
管理職比率
だけではなく、
第1子出産後の就業継続率
第2子・第3子出生率
子育て世帯の可処分所得
子育て世帯の自由時間
父親の育児時間
子育てによるキャリア中断期間
などを見る。
「女性を労働力として増やす政策」から、「仕事と家庭を両立できる社会を作る政策」へ軸を少し移すわけです。
② 「子ども1人」ではなく「2人目・3人目」を重点的に支援する
これはかなり重要だと思います。
現在の少子化対策では、
妊娠
出産
保育
への支援が重要ですが、それだけでは十分ではありません。
日本の人口を長期的に安定させるには、既に子どもを持っている家庭が、2人目・3人目を持てるかが重要になります。
例えば、
第1子
妊娠・出産費用
↓
保育支援
第2子
保育費軽減
住宅支援
教育費支援
育児休業
第3子
さらに大きな教育費・住宅費支援
というように、子どもの人数が増えるほど家計負担が軽くなる制度を設計します。
これは「子どもを産むことを強制する」のではなく、希望する家庭が経済的理由で諦めなくて済むようにする政策です。
高市政権は現在、妊婦健診や出産費用の負担軽減、子育て支援、教育無償化などを掲げています。
そこからさらに、
「第2子・第3子を持った場合の家計」
まで政策評価の対象にするわけです。
③ 「若い世代の所得」をもっと直接的に上げる
これは高市政権の現在の方針とも一致しています。
基本方針では、
強い経済
↓
雇用・所得増加
↓
若い世代の所得増加
↓
少子化対策
という方向性が示されています。
ただ、私はここをさらに明確にして、
20~40代の可処分所得
を重要な指標にするべきだと思います。
例えば、
年収500万円
↓
税・社会保険料
↓
住宅費
↓
教育費
↓
子ども2人
となったときに、
「実際にいくら残るのか」
を見る。
GDPが増えても、若い世代の手取りが増えなければ結婚・出産につながりにくいからです。
④ 高齢者を「労働力」としてではなく「第二の現役世代」として位置付ける
これは、現在の政策にもっと明確に入れてよい部分だと思います。
高市政権は「全世代の活躍」や健康寿命の延伸を掲げています。また、人口減少への対応として「労働参加率向上」を明記しています。
ここから一歩進めて、
60~64歳
フルタイム中心
65~69歳
週3~4日
70~74歳
週2~3日
75歳~
希望者中心
というような、段階的な就業モデルを企業に広げる。
もちろん強制ではありません。
重要なのは、
「65歳だから引退」
でも、
「人手不足だから70歳でも働け」
でもなく、
「働きたい人が、自分の体力に合わせて働ける」
という制度です。
そして、高齢者には経験があります。
AI時代には、
ベテラン+AI
という組み合わせがかなり強力になる可能性があります。
⑤ そして、私はここを最も強化してほしいです――AI・ロボットによる「人口減少対策」
高市政権はここについては、むしろかなり政策を打ち出しています。
施政方針では、
AI
先端ロボット
半導体
量子
バイオ
スタートアップ
DX
などを成長投資の対象にしています。さらに、AI・ロボットなどの研究開発について、税制・規制改革を組み合わせた投資促進策も掲げています。
したがって、ここは「AI政策を新しく始める」というより、
AI政策を人口減少対策として明確に位置付ける
ことが重要だと思います。
例えば、
人口100万人減少
↓
労働力100万人減少
↓
AI・ロボットで生産性を○%向上
↓
労働力不足を補う
という考え方です。
介護、物流、建設、農業、製造業、医療、行政など、人手不足が発生する分野をAI・ロボット化の重点分野にする。
高市政権が掲げる「人口減少に対応した社会経済の再構築」とも整合します。
⑥ 外国人労働者は「人口政策」ではなく「不足分の補完」とする
現在の基本方針は「外国人との秩序ある共生社会」を掲げ、日本語教育や制度・ルールの理解促進、適正な就業などを進める方針です。
私は、この方向性をさらに明確にして、
日本人の出生率を上げる政策
と
外国人労働者政策
を分けて考えるのがよいと思います。
つまり、
日本人の人口減少
→ 出生率対策
短期的な労働力不足
→ 高齢者・女性の就業継続・AI・外国人労働者
とする。
これなら、外国人労働者への依存度を必要以上に高めずに済みます。
⑦ そして「住宅政策」を少子化政策の中心に入れる
私はこれも非常に重要だと思います。
若い夫婦にとって、
結婚+子ども2人
になると、必要な住宅面積が大きくなります。
ところが、
夫婦2人 → 1LDK
から、
子ども2人 → 3LDK・4LDK
になる。
つまり、
子どもが増えるほど住宅費が増える
という問題があります。
そこで、
子育て世帯への住宅ローン支援
子ども2人以上の世帯への住宅取得支援
公営・公的住宅の子育て世帯優遇
駅近・保育園近くのファミリー住宅整備
既存住宅の子育て向けリフォーム支援
などを組み合わせる。
これは現金給付とは違って、生活そのもののコストを下げる政策になります。
⑧ 私なら政策全体をこういう「人口戦略」にします
現在の高市政権は、
「強い経済」
+
「子育て支援」
+
「女性活躍」
+
「AI・技術投資」
+
「高齢者を含む人材総活躍」
という政策体系を既に持っています。
これを人口政策として再整理すると、
第1層 出生率
若い世代が結婚・出産を選びやすい経済環境
↓
第2層 家庭
2人目・3人目を持っても生活水準が大きく落ちない
↓
第3層 女性
母親になっても仕事を続けたい人は続けられる
↓
第4層 男性
父親も育児を担える
↓
第5層 高齢者
働きたい高齢者は無理なく働ける
↓
第6層 AI
人口減少を生産性向上で補う
↓
第7層 外国人
それでも不足する部分を補完する
という順番です。
そして、私は「政策目標」を変えることが一番重要だと思います
現在の日本では、
「労働力をどう増やすか?」
という議論になりがちです。
私はこれを、
「人口が減っても、日本人が豊かに暮らせる社会をどう作るか?」
に変えるべきだと思います。
そのためには、
人口を増やす政策
と
人口が減っても経済を維持する政策
を同時に進める。
この二つは矛盾しません。
むしろ、
出生率1.8を目指すような長期政策と、
AI・ロボットで2030~2040年代の労働力不足を補う政策
を同時に進めることが必要です。
高市政権の2026年9月17日の基本方針は、すでに「少子化傾向を反転させる対策」と「人口減少に対応した社会経済の再構築」の両面を明記しています。したがって、私が先ほど提案した方向は、現在の政権の政策と完全に別物というより、既にある政策を「人口戦略」という一本の軸で統合し、特に住宅・第2子第3子・若年層の可処分所得・高齢者の柔軟な就業・AIによる労働代替を具体化するものだと考えるのが正確です。




