第195話 激闘ドラゴン!
ドラゴンの周りに次々と赤い魔法陣が展開されていく。
あの魔法陣には見覚えがある。
以前、魔王軍との戦闘で戦ったドラゴンが使った魔法陣と同じだ。
「誘導ビームが来ます!」
念話で伝えると味方の機動式神が肩の武装を換装し、次々と大きな弾を発射した。
大きな弾は途中で炸裂すると、その中から大量の式札がばら撒かれ、ビームと俺達の間で、壁になるように漂った。
直後、赤い魔法陣から無数の誘導ビームが放たれた。
真っ赤なビームが迫りくるが、漂う式札に防がれ、次々と爆発して相殺されていく。
これも、以前俺と琴音が魔王軍の襲撃で戦ったドラゴンとの戦闘データが元になっているんだろう。
自分達の戦いが、こうしてちゃんとフィードバックされている。それが少しだけ嬉しかった。
そんなことを考えていたら、ドラゴンが爆炎を突き破って突撃してきた。
速い! ドラゴンは味方の機動式神に火を吐きながら襲い掛かった。
俺はそのドラゴンに榴弾砲の狙いをつけた。
以前戦ったドラゴンより小さいけど、果たして通用するか……
「大型モンスターとの戦闘データを更新しました。 対戦車榴弾を使用しますか?」
またもや網膜に「YES/NO」が表示された。
「イエス!」
すると今装備している榴弾砲が消え、似たような榴弾砲に換装された。
考えるよりも先に撃つ!
先が細い榴弾砲が発射され、ドラゴンの肩にヒットすると、耳をつんざく轟音と共に、ドラゴンの右腕が根元から吹っ飛んだ。
「は? なんだこの威力は……」
「成形炸薬弾を用いたことにより、モンロー効果が……」
「説明を聞いてる暇はない!」
俺はヴィーカスの説明を聞き流しながら、両手と両肩に装備された榴弾砲を撃って、撃って、撃ちまくった。
ドラゴンが怒りの咆哮を上げ、狙いを俺に変えた。
そして魔法陣を展開すると、真っ赤なレーザーが俺に向かって放たれた。
「緊急回避を行いますか?」
「イエスってうおおおお!」
答えるなり機体が勝手に動き出し、高速回避を開始した。
そして全身のハッチから式札が一斉にばら撒かれ、レーザーを迎撃した。
「緊急回避終了。マニュアルに戻します」
「丁度良いところに!」
緊急回避が終わると、丁度目の前にドラゴンの背中があった。
ドラゴンが鎌首を向ける前に、俺の両手両肩の榴弾砲が火を吹いた。
空気を震わせる重低音が、幾重にも重なり、対戦車榴弾が轟音と共にドラゴンをバラバラに吹っ飛ばした。
なんだこの性能は……
みんなが短期間で機動式神を使えるようになった理由がわかった。
フルオートで戦ったら、憑依の必要がないのでは?
と思った矢先、一体の機動式神がドラゴンの尻尾で地上に叩き落とされた。
憑依した奴は大丈夫なのか!?
地表に届くまえに、もがいていた手足がスゥっと動かなくなった。
憑依を解いたか!? 解いたよな!?
機動式神はそのまま地上に叩きつけられ、誘導ビームで止めを刺された。
仲間の心配をしている暇もなく、別のドラゴンが炎を吐きながら突進してきた。
俺は炎を避けつつ榴弾砲をぶっ放すが、ドラゴンは前方に防御障壁を展開して防いだ。
こっちの攻撃を、もう脅威だと学習したってことか。
防御障壁に広がった爆炎が晴れると、ドラゴンの胸に巨大な刀が生えていた。
あの刀は琴音だな。
刀が真っ白に光ると、そのまま真っ直ぐ下に振り下ろされ、ドラゴンは真っ二つになった。
真田さんと御影さんも連携してドラゴンと戦っていた。
急接近した二人は、いい連携している。
真田さんの機動式神がドラゴンに遠距離攻撃して気を引き、御影さんの機動式神がドラゴンの死角から襲い掛かる。
俺と琴音の連携と同じだな。
そろそろドラゴンが片付くと思ったら、空から胴の長い東洋の龍が降りてきた。
「秀一!」
真田さんから念話だ。
「はい!」
「キリがねぇ! ここは俺と御影がなんとかする! お前はゴルドーラまでいけ! 十二姫将がいるなら戦力を運べるだろ!」
「それがいいわ! 隠行の術は使える?」
御影さんも念話を送ってきた。隠行とは姿や気配を消す術のことだ。
「狐鈴が使えるので、狐鈴に乗って行きます!」
「狐様に乗るって……恐れ多い発想だな。まぁ行ってこい!」
「あれは私達が何とかするわ」
「わかりました! 琴音! いったん戻るぞ」
「了!」




