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第174話 ラブコメ編 クラスメイト達とカラオケ

 とある放課後、サッカー部の小竹君が、琴音ちゃんに声をかけていた。


「近藤さん。今日部活ないんだけど、放課後カラオケいかないか?」


 水曜日は学校の決まりで、全部活が休みの日だ。


「え? 放課後は習いごとがあるから……」


 琴音ちゃんは困惑して断っていた。


「この間、早川と駅前のファーストフードにいたって聞いたけど」


「あの日はサボっちゃったんだ」


「なら今日もサボれないか?」


 俺はしつこい小竹君と琴音の間に割って入った。


「琴音ちゃんが困ってるだろ」


「早川も来いよ。クラスのみんなでカラオケ行こうぜ」


 あれ? クラスのイベントに誘ってるだけだったか?


「ねぇ。近藤さん。私達も一緒だよ」


 クラスメイトの女子達も声をかけてきた。


「昨日の放課後に、今日みんなでカラオケに行こうって話していたの」


「近藤さんと早川君はすぐに帰っちゃうからねぇ。たまには遊ぼうよ」


「ええ……でも……」


「二人共も行こうぜ。人数多いから三グループくらいに分かれるけど」


「じゃあ俺は琴音ちゃんと……」


「それじゃあつまんないよ。たまには別の子と話そう?」


 小学校で同じクラスだった井町さんが、近くに来て声をかけてきた。


「そうだぜ! 最近全然絡まなくなったからな!」


 俺と琴音ちゃんはみんなに流されて、カラオケボックスに向かった。

 この間のサボりは、なぜかそれほど怒られなかった。

 むしろもっと遊んで来いと言われて、小遣いがアップしたくらいだ。

 なら行ってもいいよな?


 俺達はカラオケボックスに着くと、男女が均等になるよう三つの部屋に分かれて入った。

 カラオケボックスなんて初めて入るぞ。なんか緊張してきた。


「早川君は何頼む?」


 隣に座った井町さんが、専用のタブレットを見せてきた。

 なんか近い! 琴音ちゃん以外の女の子が、こんな近くに来るなんて今までなかった。


「ええと、コーラで」

 

「うん。わかった」


 井町さんは慣れた手つきでタブレットを操作していた。


「ん? なぁに?」


「いや、慣れてるなぁって。俺カラオケ初めてだから」


「そうなんだ。じゃあタブレットの使い方とか教えてあげるね」


「うん。ありがとう」


 もしかしたら琴音ちゃんも同じような状況で小竹君と話しているのか?

 そう思うと気が気でなくなった。

 

 井町さんに教わりながら、知っている曲を入れたけれど、もうどうやって使ったのか覚えていない。


 そわそわしているうちに俺の番が来て、緊張しながらもなんとか歌い切った。


「お、早川、結構歌える?」


「いや、必死だったんだけど!?」


 楽しいというより、緊張の方が勝っていた気がする。


「いやいや、声が普通じゃなかったって」


 そりゃあ、術を唱えるための発声練習とかしてるし、肺活量を上げる訓練もしてるからな。

 今度歌で発声練習してみようかな。琴音ちゃんも誘ってみよう。

 

 何曲か歌っていると緊張が解けてきた。


「上手いなぁ。ちょっとずるい。私の予定が狂っちゃうじゃん」


 井町さんが覗き込んできた。


「あれ? 井町さんは早川狙いか!?」


 安西君がちょっと動揺しながら割り込んできた。


「だ、だったらどうする?」


「え? 井町さん本気? え? えぇ……?」


「ははっ。そんなわけないじゃん! 冗談! んじゃ次の人!」


 初めてのカラオケだったけど、途中から楽しめた気がする。

 でもそれ以上に、琴音のことが気になっていた。

 琴音は今どうしているのだろうか……

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