↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
163/210

第162話 しろプロ始動! 式神達、VTuberデビュー

 陰陽局のVTuber事務所の名前は「しろたまプロダクション」。略してしろプロだ。

 しろプロが稼働し始めて、最初に話題になったのは俺の式神達だ。

 みんな美少女だからな!

 と言っても、俺達の配信で初登場してた時から、アバターでしか見られていないから、素顔は見られていないけど。

 その時のアバターに似せて、しろプロで新しく2Dと3Dのアバターが作られた。

 だいぶお金をかけたみたいで、2Dアバターでも稼働箇所が多く、ぬるぬるとなめらかに動く。


 式神達は浄土世界から地球に降りて、陰陽局の配信ブースで活動している。

 それなら俺達も地球に戻れるのではと思ったんだけど、『グランドクエストをクリアしたら地球に戻れる』という、享楽之神による一方的な契約が邪魔をして無理だった。

 これは妙光如来様でも介入できない、人と神との契約なんだそうだ。


 式神のVTuberデビューだが、誰かと主従関係にある者が人気が出るのだろうか?

 そこが問題だった。

 十二姫将は俺達同じく、天部見習い。むしろ浄土世界に先に長くいる分、俺達より先輩だし深い部分にいる。

 推しを応援するエネルギーを得て、パワーアップしたいところだ。


 ただしリスナーを騙したり、嘘をつくのはだめだ。

 妙光如来様が許さないし、最悪浄土世界から追放されるだろう。


 俺達が配信しているのは、現実で起こっていることだけど、享楽之神による強制力で、視聴者にはオンラインゲーム『ミセリオン』のゲーム配信に見えている。

 つまり式神は、『ゲーム内でてくる陰陽師クラスが召喚する妖怪』に見えているということ。

 実際のプレイヤーではなくNPCと判断されているのではないか?

 実際に防衛省の職員にアンケートを取ったところ、NPCだと思っていたと結果が出た。

 ならば誤解させたままにしておけばいい。


 そこで陰陽局が隠れ蓑にしているマスメディア系の会社で、『デビューした白夜は、宣伝のためにミセリオンとコラボしていた』と噂を流した。

 公式コラボではなく、視聴者の間で口コミで広がるように仕込まれたなど、適当にでっち上げたのだ。

 式神達が直接嘘を言っているわけではない。いわゆる抜け道を使った裏技だ。

 まぁ元々陰陽師が表舞台に出ないように、情報を操作する会社でもあったので、そこら辺は得意分野だろう。


 そんなわけで、しろプロからデビューした式神達は、俺とは関係ない存在として認識された。

 異世界で俺が召喚しても、視聴者からは高度AIでしゃべるNPCに見えるわけだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 式神達の配信を見てたら、白夜は配信でもポンコツだった。歩いたら転ぶだけじゃなくて、マイクを倒すわ、翼でも後ろの物を引っかけるわでドタバタしている。

 翼は消すこともできると言うと、リスナーから初めから外しておけと突っ込まれていた。

 リスナーには見えないところでも翼をつけている、ちょっとおかしなコスプレイヤーだと思われているのだろうか……


 蒼蓮は意外にも、お仕置きされたいとか言わなかった。お仕置きされたいのは俺だけらしい。

 ただ、ちょっとおバカな一面があるので、愛嬌があって可愛いと褒められていたな。


 炎華は人間を見下しているからな……

 そもそも配信でリスナーを楽しませようとしていない。

 そんなわけで自分のチャンネルを持っているが、主にコラボ企画のMCを担当したり、しろプロのニュースやイベント情報を配信している。

 一応クールなお姉さんとして、人気はあるみたいだ。


 対して煌姫は優しいお姉さんなので、癒されたい人に大人気だ。

 トークも上手くて、癒し系ASMRもやってる。


 ASMRといえば、夜宵《やよい》と夢月《むつき》だ。

 二人は常にコンビで配信していて、生意気なクソガキASMRで、一部の層に人気が出ていた。

 ASMR以外でも、クソガキコンビの途切れないマシンガントークの掛け合いが面白かった。


 そいてやっぱり月華は謎だ。フォロワーに著名人が多いし、ゲストに有名なインフルエンサーが来たりして、とんでもないことになっていた。

 陰陽局の偉い人だけあって、コネクションとかもすごいんだな。 


 紅羽はほとんどしゃべらない。ゲーム実況しても、ぼそぼそと短い言葉が多い。

 リスナーはダウナー系ロりキャラだと認識されて、人気はそこそこあるみたいだ。


 最後に問題児なのが翡翠だ。

 一見可憐で清楚に見えるんだけど、言葉の節々にさりげなくエロを入れてくる。

 深夜配信のアーカイブはピー音だらけだ。

 いつかアカウント削除されるんじゃないかな?


◇◆◇◆◇◆◇◆


「緊急対策会議よ!」


 いつものように、ギルドの食堂で琴音と朝食をとっていると、アリサがやってきて、トレイをテーブルにガチャンと乱暴に置いた。


「秀一君の式神達! 人気ですぎよ!」


「それはそれでいいんじゃないか? 同じ事務所だし、プロデュースしたのはアリサだろ?」


「そうなんだけど! 大成功なんだけど! その分後から再デビューする私がおまけみたいじゃない!」


 アリサは浄土世界の時の流れが違う場所で修行をした。

 その時式神達と一緒に暮らしていたから、式神達と仲がいいし、彼女達のことをある程度知る機会があった。

 それがプロデュースに役に立ったのだろう。


「意外とみんな喋れたな」


「喋れたなどころじゃない! みんな上手すぎ!」


「説法の練習もしてたらしいぞ」


「くう。油断したわ! 双子のざぁこASMRとか、白夜の癒し系ASMRとか! あれはもうプロレベルよ!」


「確かに白夜のは癒されるな」


「秀ちゃん?」


「秀一君?」


 二人とも無表情でこっち見るな!

 まじで怖いから。アニメだと目のハイライトがないシーンだな。


「普通に上手いぞって話だよ。だけどさ。アリサの方が何十倍も上手いと思うぞ」


「……そう? 本当に?」


「俺はそう思ってるよ」


「ふぅん。そうなんだ?」


「それに式神達はまだ登録者数少ないだろ」


「それでも初日で五万人超えてるわよ」


「アリサなら、リスナーを引き連れて初日で、百万人超えるだろ?」


「ふふん。まぁね!」


「なら問題ない。俺が保証する」


「またかっこいいこと言っちゃって。それだから諦めきれないのよ」


 琴音に思いっきりつねられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。