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第111話 デーモン襲撃戦開始

 アルベールが予告した二週間後の早朝、奴らはとうとう現れた。

 こちらは準備万全だ。この二週間、できることは全てやった。

 そしてなにより、俺達はデーモン達の進軍に注意を払っていた。

 偵察用の機動式神で周囲を探索し、どこから進軍してくるか探っていた。

 南は街があり、西と東にもかなり離れているが、それなりに大きな都市がある。

 アストラルゲートを隠すなら、人目につかない場所じゃないかな。

 そうなると消去法で北になる。

 

 師匠の偵察用の式神でもなかなか見つけられずにいたら、予想外の情報提供者が現れた。

 なんと案内妖精だ。享楽之神もデーモン襲撃はまずいと思い、愉悦之神の動向を調べたのだろうか?

 詳細は分からなかったが、案内妖精は北から進軍してくると言ったのだ。

 まさに神のお告げだ。だから俺達はそれを信じることにした。

 そしてオレリア王女を仲介に王と交渉し、王都の北側に陣を作ることになった。

 王国軍は王都の北側に堀を造り、土嚢を積み上げ、石で補強し、更に防御障壁を発生させる魔法の装置を作っていった。


 ちなみに今日俺は式神を出していない。

 呪力を温存するためだ。

 序盤はまだ出す必要ないだろう。


 そう思っていたら……


「ちんたら待ってるギリはねぇ! 打って出る!」


 師匠がとんでもないことを言い出した。

 

 これはアイテムボックスがあるからこそ、できる戦法だ。

 アイテムボックスがあれば、序盤の要である設置型の機動式神をどこにでも出せる。

 俺達全員、師匠と共に飛行魔法を唱えて、進軍してくるデーモン軍団の侵攻ルート上に降り立った。

 といっても、目の前じゃない。大体二十キロくらい離れている。

 これは榴弾砲の射程距離だ。


 望遠の魔法を使ってデーモン軍団を確認すると、先陣を歩いているのは、緑色の肌の小鬼で、その後ろにオークやオーガが並んでいた。

 デーモン軍団というより、モンスターの軍勢だな。空にはワイバーンや中型のドラゴンまでいた。

 パッと見た感じ五万くらいはいる?

 アストラルゲートからまだ出てきているのなら、今数えても意味がないのかもしれない。

 ただ、空を飛ぶワイバーンの数はそれほど多くはない。

 パッと見て二百くらいか? ドラゴンは十体くらいしかいない。

 それでも十分な数だな。


 俺達は榴弾砲型機動式神や重機関銃型機動式神を次々と設置していった。


「狐鈴。最初の一発頼めるか?」


「よかろう。だが本当に一吠えだけじゃぞ。お主の呪力が持たん」


「わかってる」


 狐鈴が本来の姿になったら、俺の呪力がゴリゴリ減ってしまう。

 そうなると他の式神を召喚できなくなるばかりか、この後使う予定の憑依型機動式神まで使えなくなる。

 何が起こるかわからないから、温存しておかないといけない。


 狐鈴は以前と同じく、初期装備にパッと着替えると、おもちゃの魔法少女ステッキを頭上に掲げた。


「「「おぉおおおっ!」」」


「本物の変身シーン来たぞ!」


「やばい! まじやばい!」


 周りのみんなが遠巻きに狐鈴に視線を向け、騒ぎ始めた。

 狐鈴が若干狼狽え、恥ずかしそうな顔をした後、きゃるんとポーズを取った。


「マジカルフォックス! いっくよー! 変・身っ!」


 次の瞬間。目が眩むほどの光が溢れ、そこには巨大な狐が現れた。


「狐様! 東西に都市が、後方に王国軍がいるのを忘れないでくださいよ!」


 師匠が念のため叫んだ。


「わかっておる」


 俺の呪力がゴリゴリ減っていく。


「コォオオオンン!」

 

 狐鈴が口を大きく開け、光が収束すると、次の瞬間図太いレーザーが放たれた。

 レーザーはモンスターの軍勢の右端に突き刺さり、そのまま左へと薙ぎ払った。


「……んごっ!」


 狐鈴の目がクワッと開いたと思ったら、狐鈴の体が縮まり、元の姿に戻って行く。


 一体何が起きた!?

 

 狐鈴は慌ててコンソールを操作して、いつもの巫女服を装備した。


「どうした!? 狐鈴!」


「……デーモンを一気に倒しすぎたようじゃ。急激にレベル上がっての……。ステータスの基礎値が上がり過ぎて、体の変化についていけんのじゃ」


 レベルが上がると、ステータスポイントをもらって各ステータスを上げるけど、それはボーナスポイントみたいもので、レベルが上がるだけでも各ステータス値が均等に少し上がる。その値は小さいものだけど、レベルが一気に上がれば塵が積もるどころじゃないってことか。

 

「大丈夫なのか?」


「……ぶっちゃけ吐きそうじゃ。情けないのぉ。体中筋肉痛で動けん。頭痛と倦怠感で何も考えられんぞ」


「いったいどれだけ上がったんだよ……」


「四百三十五じゃ……」


「ぶっ! 上がり過ぎだろ!」


「いったい何百体のモンスターを倒したと思っているじゃ! 皆よ。気をつけろ。榴弾砲型でも経験値入るのじゃろ?」


「……とりあえず、狐鈴はしばらく休んでくれ」


「そうさせてもらおう……」


 そう言って狐鈴は後方に下がると、アイテムボックスから大きなビーズクッションを取り出して、その中でうずくまった。


 みんなそれを見て、尻込みするどころか、我先にと榴弾砲機動式神に取りついた。

 一気にレベルを上げるチャンスだからな!

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