↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『キモデブニートだった俺が、剣聖スキル持ちの銀髪美少年に転生したケース』  作者: ぷっぷくクリーナー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/97

 第31章 外部信号の行き先と、実家から届いた手紙

 地下の調査を終えた翌日。


 俺とルミナは再び学園長室へ呼ばれていた。


「昨日の外部信号について、解析結果が出ました」


 レティシア学院長が机の上へ地図を広げる。


 セルジュ先生。


 セレフィア先生。


 リリアーナまでいる。


「どうしてリリアーナも?」


「古代魔術研究の補助です」


「生徒だよね?」


「研究者でもあります」


「本人が言うと怖いな」


 リリアーナは気にせず記録を続けていた。


     


「ルミナさん」


 学院長が地図を見る。


「信号の位置を」


「はい」


 ルミナが指を伸ばす。


 王都。


 そこから北西。


 さらに遠く。


 指先が止まった。


「この周辺です」


「……え?」


 見覚えがある。


 というより。


 知っている。


「アルセリア辺境領?」


「正確には、その北部山岳地帯です」


「俺の実家じゃん……」


 セルジュ先生が腕を組む。


「偶然にしては出来すぎてるな」


「俺もそう思います」


「お前自身に関係している可能性は?」


「俺に聞かれても」


 ルミナが答える。


「現時点では不明です。ただし管理者であるレオン様の出身地と一致する確率は低いと判断します」


「つまり偶然じゃない?」


「可能性があります」


「嫌だなあ……」


     


 学院長が別の資料を出す。


「ですが、すぐに調査隊を派遣することはしません」


「そうなんですか?」


「場所が場所です」


 アルセリア領北部。


 険しい山岳地帯。


 魔獣も多い。


 しかも国境にも近い。


「辺境伯家への正式な照会が必要になります」


「父上に?」


「ええ」


 父上。


 アルセリア辺境伯。


 記憶の中では。


 かなり厳格な人だ。


(……学院で古代迷宮の管理者になりましたって、どう説明するんだ)


「レオン様」


「何?」


「表情が曇りました」


「家族に説明する未来を想像した」


「問題がありますか?」


「ありすぎる」


     


 会議が終わり。


 教室へ戻る途中。


「レオン様」


 声をかけられた。


 エリシアだった。


「お話、終わりました?」


「うん」


「何か分かりましたか?」


「少しだけ」


 俺は周囲を確認してから。


 信号の場所がアルセリア領だったことを説明した。


「ご実家の領地に?」


「正確には北の山の方だけど」


「心配ですね」


「まあね」


 エリシアが俺の隣へ並ぶ。


 今日は授業後だからか。


 栗色の長い髪を少し緩めていた。


 肩から流れた髪が歩くたび柔らかく揺れる。


 制服のスカートから伸びる脚は白いハイソックスに包まれ。


 膝下の細い線が歩調に合わせて静かに動く。


 学院祭のメイド服とは違う。


 いつもの制服姿なのに。


 なぜか今日は少しだけ目に入った。


 距離が近くなると。


 石鹸と焼き菓子を思わせる淡い甘い香り。


「レオン様?」


「え?」


「先ほどから静かなので」


「考え事」


「ご実家のことですか?」


「……うん」


 半分は本当だった。


     


 教室へ戻ると。


「どうだった!?」


 クラリッサが飛んでくる。


「地下!」


「声大きい!」


 カグラもこちらを見る。


「新しい敵?」


「何で戦う前提なの?」


「違う?」


「今のところ違う」


 ヴィクトリア。


 ソフィア。


 アーヴェルまで集まってくる。


 結局。


 信号の位置だけは話すことになった。


「アルセリア領?」


 ヴィクトリアが眉を上げる。


「あなたの領地ですの?」


「うん」


「面白そう!」


 クラリッサ。


「面白いで済ませるな」


「古代遺跡あるの?」


 カグラ。


「知らない」


 リリアーナがもう紙を出している。


「辺境領北部の古代遺構記録を調べます」


「行く気になってない?」


「調査は重要です」


「やっぱり行く気だ」


     


 その日の放課後。


 寮へ戻ると。


 一通の手紙が届いていた。


「アルセリア家……」


 差出人を見る。


 母上。


 嫌な予感。


 封を開ける。


『学院祭の結果を聞きました。お友達もたくさんできたそうですね』


「情報早くない?」


 続きを読む。


『長期休暇には必ず帰ってきなさい』


「まあ、それは分かる」


 さらに。


『せっかくなので、お友達も皆さん連れていらっしゃい』


「……」


 止まった。


 最後。


『お父様も楽しみにしています』


「絶対楽しみにしてないだろ……」


 隣から。


 ルミナが手紙を見る。


「友人同伴の帰省を推奨されています」


「読まなくていい」


「アルセリア領には外部信号も存在します」


「言わないで」


「帰省と調査を同時に実行可能です」


「一番言ってほしくなかった」


 翌日。


 この手紙をみんなに見せた結果。


「行く!」


 クラリッサ。


「興味ある」


 カグラ。


「古代遺構調査を希望します」


 リリアーナ。


「正式にご挨拶する必要がありますわね」


 ヴィクトリア。


「私も……よろしければ」


 ソフィア。


 エリシアも微笑んだ。


「楽しそうですね」


 アーヴェルまで笑う。


「俺も誘われてるんだろ?」


 俺は机へ突っ伏した。


 どうやら。


 次の長期休暇は。


 静かな帰省では終わらないらしい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。