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サビたロボットと、ダメなヒト。  作者: あおば がしゅん


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8/20

配達

12月も中旬。

クリスマスプレゼントなどの影響もあり物量が増えた。


「配達先間違えてたらしいから、正しい住所に届けてください」

内勤担当から声を掛けられた。


「あ~まずいですね……分かりました。すぐに行ってきます」


あれ?これって……たしかこの近所だったような……まぁいっか同姓同名かもしれないし



数時間後、目当ての家に到着。

 インターホンを押した。


「はーい」女性の声。


「お荷物をお届けに」


「お待ちください」優しい声。



 多分違うよな


玄関に出てきた中年の女性に事情を話し渡す。


「お忙しいところご対応くださりありがとうございます。申し訳ございませんでした。」

 深く謝罪を込めて頭を下げ、荷物の乗る車に向かう。


夕暮れ時。帰宅する時間だ。


国道の渋滞に、ハマる前に出てかないと



車に乗りかけた時、一台の車が到着。

とある人物が降りて来た。


あ……


汐路(しおじ)……部長?」


その人物は首を傾げ、こちらを見つめる。


あっ!!


とてつもない大きな声で、こちらを指差した勢いのまま右手を掴まれた。

「連絡ないから心配してたよ!!今配達員さんしてるのか?アルバイトしてるって聞いたぞ!」


「すみません。気持ちが上がらなくて最近少しだけ気持ちが軽くなったというか。少し前まではアルバイトで今は契約社員で」


「そうか。こっちこそ色々悪かった。ところで飯は食ってるか?」


「えぇ何とか食べてます」


俺のクビを宣告した当時の部長。

苦い思い出が、舌の上でじんわりと滲む。



数日が経った休日。

ピンポーン


は~い


インターホンに反応して、ドアを開ける。


「こんにちは」

そう言いながら立っていたのは先日再会した上司。汐路(しおじ)部長


「こんにちは。とりあえずどうぞ」

掌で案内をした。


「これよかったら食べてくれ。口に合うかわからんが」元部長は紙袋を渡してきた。


前の会社近くにあるお店の、バスクチーズケーキだった。

「このお店うまいですよね。いいんですか?」

笑顔で言葉とは裏腹に、手は紐を持っていた。


「知ってるなら逆に安心したよ。甘いのが苦手だったら申し訳ないなって」


「いいですよ。ありがとうございます。」笑顔で頷く。

「テーブルでも大丈夫です?」

テーブルを指す。


「あぁ大丈夫。ありがとう」


バスクチーズケーキを箱を開けのぞき込むと3つ。

2つ用意した。

あと一つは、青山さんの分にしようかな


「コンニチハ(こんにちは)」

サビ太郎も充電がちょうど終わったところで奥の部屋から出て来た。

「おぉびっくりした。こんにちは」


「サビタロウトモウシマス。アナタハ?(サビ太郎と申します。あなたは?)」


「汐路と言います」


「シオジサマ…ドウゾゴユックリシテイッテクダサイ(汐路様…どうぞごゆっくりしていってください)」

そう言いながら、サビ太郎は目を点滅させ記録を済ませいつもの椅子に座る。


「星原君、色は全く違うけどこれうちのやつか?13年前だろ?今買取価格にプレミアがつくほどだよな?高かったろ?」


「いえ。譲ってもらったんですよ。コーヒーはブラックがよかったですよね?」

「よく覚えてたなありがとう。譲ってもらった!?どうして?」


汐路部長は、目を丸くしてこちらを見つめ始めた。


「名前の通り、俺が出会った時は錆びに錆びて塗装も剥げてたんですよ。ん……うま」

ケーキを一口食べながら説明をした。


「へ~かなりラッキーだな。今これ買取に出すと25万は下らないらしいぞ?」


「えっ!?そうなんですか?」

記憶に間違いがなければ最初の販売価格は当時15万くらいだったっけ


和やかな雰囲気を壊すように元上司の汐路さんと会う約束した話題を掘り返した。


「あの事ですけど....」

お読み頂き本当にありがとうございます。

全20話

2話から10話は【2026年3月6日から14日まで 深夜1時00分】 

11話から20話は【2026年3月15日から24日まで 午前10時00分】 に投稿いたします。


お時間ある時に、見て頂ければ幸いです。

まだまだ勉強不足で魅力に欠けていると思っております。

読者様の正直な、お気持ちで結構です。

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