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サビたロボットと、ダメなヒト。  作者: あおば がしゅん


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5/20

配線は1本だけ

深夜3時ごろ目覚める。

買い溜めておいた安い醤油のカップラーメンをすすってから再び寝てしまう。


しかし深夜のにおいに、そっと起こされる。


「うっ……う~ん」

 

髪の毛をぐしゃぐしゃと触り、眠い体をたたき起こす。

夜食の食べかすを処分。


フライパンに油を伸ばしてからコンロに火を点ける。

生卵を1つ割り落とす。


 じゅ~


「ん~……ねみぃ……今何時だ……」


卵がぐつぐつと焼かれていく声を聴きながら、寝ぼけたままシンクに手を突き身体を支え、俯きながら唸る。


焼き終わるとダイレクトにしょうゆをぶっかけ、箸を持ってくるとフライパンを皿代わりに目玉焼きを食べ終わる。


 っつ!!


口の中の暑さで目が覚める。


流し台へ、箸とフライパンをぶち込んで洗い物を済ませると、その勢いで掃除や洗濯を済ませた。


座ったまま動かないロボットを寝かせる。


 さてと



クローゼットに上半身を突っ込む。


 ……たしか……あれ?あぁこっちか


ガサゴソと音を立ててロボット修理用の道具引っ張り出す。

 

これ使えるんか?


昔使おうとした、某有名なロボットアニメを模して≪ゆめの道具≫と書かれた段ボール箱を引っ張り出す。

ねじ山を少しずつ壊していく。


やっぱそもそも道具がダメか……


2度試すも結果は同じ。


悩んだ末、【てつなぎ】に来ていた。

「これ特殊な道具じゃないとだめですよ」


ですよね~


てつなぎの店主、青山さんは専用の道具を持ってきてねじを開け始めた。


「これサビてますね。回しにくい……し……んん」

険しい顔で、ねじを回してくれた。

 「……取れた」

嬉しそうに見つめられる。


俺も嬉しくて、たまらず見つめ返す。

そして体内の基盤を引っ張り出す。


「あぁ……」

「あぁ……」


2人同時にため息。


そもそも配線が違う。家事の記録ができないことに納得。


「……これで動作してたのは奇跡ですね」


 青山さんは基盤の線の配置を戻そうとしているのを何を血迷ったのか、彼女の手を掴むと首を横に振る。

 

「そのまま使います」


それならと言うと突然立ち上がると店の奥へ向かう。


「とりあえずじゃあこの錆だけでも!私の知り合いに頼んでみます」

スマホを持ってきてとどこかに電話を始めた。


「もしもし。青山ですけど……お世話になります。錆取りの……」


電話を切る。

「この商店街に、錆取専門店があるんですよ」


見た気がする


思考は横に置き感謝を込め、微笑み頷く。


 

1週間後、なぜか緊張しながら【てつなぎ】に来ていた。

青山さんもなぜか同じだった。

 「なんか緊張してきた…もう少ししたら来ます」

段ボールがなくなった店舗。唯一残ったレジの隣に座って雑談。


ドアが開く。




「よっ!持ってきたぞ~」近所の錆取り専門店の店主が右手を上げて肩にロボットを担いで入ってきた。



……へぇお前こんな姿になったんだな

結構かっこいいじゃん

メタリックブルーと黒の2色と言う少なくスッキリした姿に感心をした。


「塗装は全部剥げちまったから俺が勝手に塗り直した!こっちの判断だから金は気にするな!色は、息子が昔好きだったアニメのオマージュだ!」

こっちを見ながら説明してくれた。



「ありがとうございます」


「良いってことよ〜……じゃ!」


「あっ、で、いくらですか?」

同時に立ち上がり呼び止める。


「あぁ……いい、いい!俺はロボットを人扱いには出来ねぇけど、息子が去年結婚してよ。俺も(そら)ちゃんの気持ちを聞いてすごく共感したんだ。新しい家族が出来るのに、ぼろぼろの姿は相手に失礼だろってな」

そう言うと店を出て行く。


「ありがとうございました」

古臭い映画のように錆取り専門店の店主は、右手だけ挙げて去って行った。


「ところで(そら)ちゃんって誰ですか?」


青山さんは、微笑みながら自身を指差した。

お読み頂き本当にありがとうございます。

全20話

2話から10話は【2026年3月6日から14日まで 深夜1時00分】 

11話から20話は【2026年3月15日から24日まで 午前10時00分】 に投稿いたします。


お時間ある時に、見て頂ければ幸いです。

まだまだ勉強不足で魅力に欠けていると思っております。

読者様の正直な、お気持ちで結構です。

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