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サビたロボットと、ダメなヒト。  作者: あおば がしゅん


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18/20

崩落と創造

それから1ヶ月後。空と同棲を始めた。

今日は忙しくなかったので早めに切り上げて来た。

道中見上げた空に、桜の花びらたちが舞い踊っていた。


「ただいま〜」


「おかえりなさーい」


サビ太郎は、一時的に汐路さんと共に証拠として会社に居る。


 テレビの代わりとなるタッチ型ホログラムデバイス《スナドケイ》が最近発売され、卓上にアナウンサーが浮かび上がる。


 『株式会社KAZOKU(かぞく)Robotics(ロボティクス)は、過去に起きたデータ改ざんについて記者会見を開く模様です』


 やっぱりか……


大規模のリコールとなった。そして社長を含む幹部たちも総辞職。

 改ざんの主犯は、現在の企画開発部の部長だったらしい。


『続いてのニュースです。咲美市の県道で歩行者の30代女性と20代女性が運転する車の接触事故が発生。警察は事件性…』


「ここの事故の影響で県道めちゃくちゃ渋滞してたんだよね」


「そうなんだ……でも接触ならそこまで大事故ではなさそうだね」


「事故……無くせたらいいのにね」

俺はぼそっと呟いてから白飯をかき込む。


 無くす……


彼女は呪文のように呟いた。


「えっ?」

何を言ったか聞き取れずもう一度聞き直すために、目線を上げるとホログラムを見つめながら箸の先を咥えていた。



「……サビ太郎を改良してさ、事故を無くせないかな」

彼女は子どものような目と言葉で、話しかけていた。


「すごいけど、でもどうやるの?」


「すごーい人が味方でしょ?」

ニヤニヤしている。

 

 何を企んでる……


そう言えば工業高校出身か


ざっくりとした設計図と詳細を1週間程で仕上げる。



「……悪くないんじゃないか?」汐路さんは、嬉しそうに腕を組む。

「私もそうね、この配線だけは変えなきゃだけどあと他は試してみてもいいかもね」汐路さんの奥さんも指を指してから頷く。

「なんか懐かしいな。あの人に似てるんだよな」汐路さんはにやつく。


問題は金か……


腕を組み微笑みながら3人を見つめる。



あっ


 小さく呟く。


3人は突然の言葉に驚いていた。


「ちょっとこっちは、お願いします」


 ちょっと!!どこ行くの!?


後の声は半分受け流し、右のつま先を左のかかとをつつく。



「はぁはぁ」

やっぱりだめか……


株式会社タムの前までは来たが、さすがに休みだった。


 1人の従業員が目に入る。


「あの!あの!」後ろから手を振り叫ぶ。


社長にさえ…社長にさえ…


最初は休みだからと断られたが、粘り強く頭を下げ続け根負けし連絡してくれた。




 しばらくすると会社に一台の黒い車が来た。

「どうしたんですか?星原君」


 運転席から降りてきた田村社長を自宅に来るようお願いした。



「田村社長!?」汐路さんは驚きを隠せずに居たが、設計図を見せる。



「出資をお願い出来ませんか?ご無理承知ではあります」


土下座。


「……俺はわかった」田村社長は頷く。

 もちろん正規の手続きを踏んでからと条件をこちらから提示。


彼女を見ると、ハッとして頭を深く下げる。

汐路さんは数日後に長年忠義を尽くした会社を退職。その後こちらの会社に入社をしたいと面接をした。



俺を育ててくれた師匠を面接するなんて小っ恥ずかしいし…なんでだ

そのまま採用するつもりだったのに

 

面接だけは断ったが、部長からの一言で何も言い返せなかった。

 "正規の手続きを踏んでから"

お読み頂き本当にありがとうございます。

全20話

11話から20話は【2026年3月15日から24日まで 午前10時00分】 に投稿いたします。


投稿時間が変わるため、ご注意ください。

お時間ある時に、見て頂ければ幸いです。


まだまだ勉強不足で魅力に欠けていると思っております。

読者様の正直な、お気持ちで結構です。

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