因果応報
早速だけど…と少しだけ辛味のある言葉が空気を痺れさせる。
俺と空、部長の面持ちを見つめる。
「悪い話ではないんだけど、例の彼の……吉池くんの話なんだが……」
俺の目をちらっと見つめる。
主任……あれから何かあったのか?
「管理職としても会社としても嬉しくはないんだけど、君には朗報かもしれないと思って」
どういう意味だ?
「居酒屋の件覚えているか?」
居酒屋?
思い出すだけでも2つ。
「えっと……どっちですか?辞める時のボイスレコーダーとあと……」隣を見つめる。
「あぁ私の……居酒屋で怒鳴っちゃったやつかな?」彼女は苦笑い。
「……後者の方だ」
「覚えています。ていうか何で知ってるんですか?」
彼女は隣で2度頷く。
咄嗟な質問で返す。
この間行ってトラブルを起こした居酒屋に、元勤め先でもある株式会社KAZOKURoboticsの一番・二番の取引先2社の社員同士があの場にいたらしい。
怒鳴られる姿を見てしまい、それぞれが取引契約の解消を同時に申し出てきた。
社長も含めた話し合いの場を設けたが、取引継続するならもちろん
【吉池主任が関与する件を、はっきりさせるまで】
が絶対条件だった。
仮に主任が認めても暴かれても、無実でもない限り首を切られることは、馬鹿な俺でも分かる。
「株式会社タムは、俺の担当でしたけど何をすれば?」
「……証言だけはしてほしいかなと」
証言……
「一応社長には伝えておいたけど、証言をするかは星原君の意向でいい。過去の事だがトラウマになってること考慮したい。その心の状態で過去を掘り起こすのは違うからな。でも少しばかりはお願いしたい気持ちもある。社長も、俺の考えも含めて容認している」
辞めた身でありながら果たして、しゃしゃり出ても良いものなのか……
悩んだ末。
「分かりました」
「辛い中ありがとう」
2人でお礼をして立ち上がる。
――――
コンコンコン
両足を履き終えた元部下が、右足のつま先で左足のかかとを3度音を立てる。
スー....
なんだこの感覚……
なつかしい
「どうしたんですか?」星原君はこちらの空気を強くか細く吸う音に気付く。俺は気付かなかった。
「星原君それはいつもするのか?」
「どれがですか?」
「靴を履き終えると反対のかかとをつま先で....」
「えっ?あぁそうですね癖でやっちゃうんですよ」彼は苦笑いをしながらこちらを向いた。
ーーー
俺は元部長の言葉に疑問を持ったがそこまで気に留めず帰路につく。
その日の夜。
一通のメッセージが届く。
”今日は来てくれてありがとう。1つ思い出したことが....”
最後まで読んだ俺は考え込む。
そんなこと記録していないはず
テレビを見つめるサビ太郎を見つめる。
一通り基盤とか見たからな....
「ナニカゴヨウデスカ?(何か御用ですか?)」サビ太郎はこちらを見つめる。
「いやなんでもない」
お読み頂き本当にありがとうございます。
全20話
11話から20話は【2026年3月15日から24日まで 午前10時00分】 に投稿いたします。
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まだまだ勉強不足で魅力に欠けていると思っております。
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