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サビたロボットと、ダメなヒト。  作者: あおば がしゅん


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14/20

趣味

ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ


スマホが鳴る。


 あれ?汐路さん


「もしもしお疲れ様です……えっ?はい俺は空いてますよ。分かりました……場所は大丈夫です。この間仕事で行きましたし。職権の乱用かもしれませんけど。はははは!では失礼します」


 

なんだ?

呼び出される理由に心当たりがなく悩む。


 数日後俺は、彼女の空を連れ汐路さんの家を尋ねた。



「めっちゃきれい」彼女が隣で呟く。


ピンポーン


はい


インターホンから男性の声がした。



「あっ。星原です」


すぐ行くよ


2人はそわそわしながらドアの前で立っていた。


すぐにカギが開く音。


「どうぞどうぞ」


私服の汐路さんも新鮮だ

そう思いながら笑顔で頭を下げてお礼をした。


おじゃまします


2人同時に声をかけリビングに入る

「いらっしゃい。いつも主人がお世話になっております」


とはいえ元上司。悩みながら「お世話になります」と返事を返す。


「まぁ適当に座って」ソファに案内される。


「お口に合うかは分からないですけど、私の友だちが経営しているケーキ屋さんのケーキです。もしよかったら食べてください」彼女が白い箱を差し出す。


「かえって申し訳ないな……あれ?どこかで会った事ないですか?」

汐路さんはそっと受け取りながら、彼女の顔を見る。


「私?」彼女は面食らったように、汐路さんを見つめる。


「名前は?」

「青山と言います……」


「人違いか……ちょっと知り合いの娘さんに似てて」

そう言うと汐路さんは、一旦キッチンに戻り奥さんにコソコソ言うとお皿を出し始めた。


 その間、キョロキョロしていた。


 ふふ


 隣で笑う声。


「えっ?」


「いやいや緊張してるの?」



「そうじゃないけど……」

半分図星


「おまたせしました〜」汐路さんが、楽しそうにお盆を持ってきた。


「すみませんいいんですか?」


「せっかくならみんなで」汐路さんは、微笑みながらケーキを1つずつ置いていく。

  

テレビに目線が引っ張られた。

その中にあるDVDの一本、見慣れた背表紙。


「汐路さんって《―Not silent― 想い出は、消せない。消したくない。》観るんですか?」

≪ブラックボックス≫が好きと言う共通点は知っていたがまさか観ているとは思いもよらなかった。

「それは私が好きなの」唐突の答えに驚きながら振り返る。


微笑みながらお盆に紅茶の入ったカップを乗せて来た汐路さんの奥さんが答えた。


「結構前の映画なのに」

微笑みながら跪いて隣からカップを丁寧に目の前に置かれる。


「ありがとうございます。俺の両親が好きで毎週2人で夜中まで観ていて、俺も高校生の頃はよく一緒になって観るようになったらハマりました」

俺は笑顔で答える。


「やっぱりベタベタな彼女が抱き着いて終わる最後のシーンが好きなんですよね」

紅茶を配り終えた奥さんが、汐路さんの隣に座る。


「あ~わかります。俺、実は彼女がトラックに轢かれそうになってる所を、彼氏が抱き締めて反対側に助け出すシーンが好きなんですよね」


「中盤のね?」部長の奥さんは嬉しそうに趣味を共有。

映画の話題で少し盛り上がる。


 しばらく穏やかな会話が続く。


「それで……」汐路さんはそっと口を開く。

お読み頂き本当にありがとうございます。

全20話

11話から20話は【2026年3月15日から24日まで 午前10時00分】 に投稿いたします。


投稿時間が変わるため、ご注意ください。

お時間ある時に、見て頂ければ幸いです。


まだまだ勉強不足で魅力に欠けていると思っております。

読者様の正直な、お気持ちで結構です。

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