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サビたロボットと、ダメなヒト。  作者: あおば がしゅん


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10/20

自分の幸せへの道しるべ

翌日、昨日貰ったチーズケーキと共に青山さんの所に来て相談をした。


「そっか……」あまりいい表情でない。

でもその表情には同意。

憂さ晴らしな行動に見られそうで、怖かったのも素直な気持ちの1つだった。


でも損害賠償ギリっギリが決定打でも濡れ衣でクビになったため、不当解雇になりうるのではないかと浅はかな知識ながら思った。


承諾したもののどう行動するべきか

悩みを聞いてもらっているうちに夕方になり、結局その日は夜まで一緒に過ごした。

流れで、初めてお互いのこれまでの人生を話し始めた。


彼女は高校卒業後、この近所にある《株式会社RobotWork》の製造部に就職。

部署異動で製造部門・検品部門を経て11年勤務。

 

10年目の秋に、てつなぎ創業者でもある父が末期の癌。

当時付き合っていた15歳上の彼氏に、父親の話と結婚の話を持ち掛けたが断られる。

後々知った事らしいが、その彼氏は妻子持ち。

早い話が、騙されて不倫させられていたらしい。

その後、創業者の父の意思関係なくてつなぎの存続を決意。


店を継いだ直後、一台のロボットの引き取り依頼。

それがサビ太郎との出会い。

でも不思議なことに、購入されては返品。

仕入れに回ると他の店で買い取られ販売されている所で再会し、結局てつなぎに戻って来るを繰り返した。



「そう…だったんですね」




「正直に言えば父が亡くなった直後、騙されて付き合ってた事実を知ったときは自殺も考えてしまった。母も高校生の時に病気で亡くしていたし。相談できる人がいなくなっちゃったから」


何か言わないと……

結局横顔すら見る事が出来なかった。


「父はいつも笑顔。男手1つで育ててくれた。それを思い出したら死ねないなって。そしたらいつしかそれを忘れていられるくらい仕事が楽しくなった」

苦労を重ねた彼女の笑顔は太陽の様な、女神の様な優しさを含んでいる。



本物の苦難を乗り越えた人に出る特有の穏やかさを感じ取った。


俺の人生(くろう)なんかかわいいな


たしかに苦しいかったが、仕事に行けるだけの健康的な体。

なんだかんだ悩みを打ち明けられる相手はいた。

今は無いが会社員時代は車も持っていた。スマホはある。


それを悟った瞬間、自分の人生がクッソ恥ずかしく思えた。


俺は働けてただけ幸せじゃないか

何が苦しかったんだろう……


彼女とお互いの過去を打ち明け合い、心が少しだけ軽くなった。

それからは仕事をする事が、少しだけ楽しく感じ始めたことに自分自身が一番驚いた。

この日から俺たちは下の名前で呼び合うことになった。

お読み頂き本当にありがとうございます。

全20話

明日11話から20話は【2026年3月15日から24日まで 午前10時00分】 に投稿いたします。


投稿時間が変わるため、ご注意ください。

お時間ある時に、見て頂ければ幸いです。


まだまだ勉強不足で魅力に欠けていると思っております。

読者様の正直な、お気持ちで結構です。

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