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断罪搾精奴隷の淫触成り上がり  作者: 華咲 美月


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第7話 女騎士団長ローズマリーの心変わり

 王都の裏街、スラム街のさらに奥まった廃屋。

 夜の闇が濃く、わずかなランプの灯りだけが部屋を照らしていた。


 健一は壁に背を預け、静かに息を整えていた。

 その部屋の中央に、一人の女性が縄で縛られて座らされていた。

 女騎士団長ローズマリー——王女エレノア直属の最強の騎士。

 赤みがかった金髪を短く切り揃え、凛々しい美貌の持ち主だった。


 今は縄で両手を後ろに縛られ、膝をついた姿勢で健一を睨みつけている。

「魔性の公爵レオン……貴様が、王女様を害そうとした反逆者か」

 ローズマリーの声は冷たく、剣のように鋭かった。

 健一はゆっくりと彼女の前にしゃがみ込み、静かに言った。

「ローズマリー……お前は王女の忠実な騎士だな。でも、俺はただ生き残りたいだけだ。お前を傷つけるつもりはない」


 ローズマリーは鼻で笑った。

「生き残りたい? 笑わせるな。貴様は王女暗殺未遂の罪人だ。私がここで捕らえた以上、貴様はもう逃げられない」

 健一は静かに手を伸ばし、ローズマリーの肩に軽く触れた。

 その瞬間——支配の刻印が発動した。


 ローズマリーの体がびくんと震え、瞳が大きく見開かれた。

「……っ!? 何……この感覚……」

 彼女の声が、わずかに乱れた。


 心の奥底にある何かが、強く揺さぶられているような表情だった。

 健一は手を離さず、静かに言葉を続けた。

「ローズマリー……お前は本当に、王女のために戦っているのか? それとも、王女の『独占欲』のために利用されているだけじゃないのか?」

 ローズマリーの眉が、苦しげに寄せられた。

「私は……王女様に忠誠を誓った騎士だ……。貴様の言葉など……」

 しかし、支配の刻印は徐々に彼女の心を揺さぶり続けていた。


 ローズマリーの瞳に、迷いと葛藤の色が浮かび始めた。

 健一はゆっくりと語りかけた。

「俺は、ただ生き残りたいだけだ。この世界で、理不尽に奴隷に落とされただけだ。お前も……本当にそれでいいのか?


 強大な力を持つ騎士が、王女の私欲のために命を懸けるなんて……」

 ローズマリーの呼吸が、少しずつ乱れていく。

「……私は……王女様のために……」

 彼女の声は、だんだん弱くなっていた。

 健一は手を離し、静かに立ち上がった。

「無理に今すぐ答えを出さなくていい。ただ……少し、自分の心に問いかけてみてくれ。お前が本当に守りたいものは、何なのか」


 その夜、ローズマリーは縄で縛られたまま、健一の言葉を繰り返し考えていた。

 翌朝。

 ローズマリーの瞳は、昨夜とは明らかに違っていた。

 彼女は健一の前に跪き、静かに頭を下げた。

「レオン様……私は……自分の心に問いかけました。王女様の独占欲のために戦うことが、本当に正しいのか……と。そして、答えが出ました。私は……あなたに忠誠を誓います。どうか、私をあなたの仲間として、受け入れてください」


 健一は驚きを隠せなかった。

(力だけじゃなく……心で人を動かす……。これが、支配の刻印の本当の力か……)

 彼はローズマリーの縄を自ら解き、優しく手を差し伸べた。

「ローズマリー……ありがとう。お前のような強い女性が、俺の味方になってくれるなんて……。正直、嬉しいよ」

 ローズマリーは健一の手を取り、立ち上がった。


 その瞳には、初めての忠誠と、少しの安堵の色が浮かんでいた。

 健一は胸の奥で、静かに実感した。

(力だけじゃなく、心で人を動かすこと……。これが、これからの俺の戦い方になるのかもしれない)


 廃屋の外では、朝の光がゆっくりと差し込み始めていた。

 ローズマリーの心変わりは、健一にとって大きな一歩となった。

 一人で戦うのではない。

 仲間と共に、理不尽な世界に立ち向かう——そんな道が、静かに開かれようとしていた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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