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星祭りの日に裏切られたと思っていましたが真実は違いました  作者: はるくうきなこ


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4今更?


 ルカと浮気をしたと思っていたエリーナはあの日だけルカに一緒にいてくれと頼まれたらしい。

 その後エリーナは辺境の騎士と付き合っていてルカとは何もなかったと分かった。

 私はルカがいなくなって数か月重い気持ちのまま過ごした。

 だから私は余計ルカが何を勘違いしたのか分からなかった。でも、そんな事も今となっては知る手立てもない。

 

 私は今までずっと母と二人だった。

 思えば父もルカと同じように王都からやって来た騎士だったと聞いた。

 名前はアシュア・ジーボルトだったと聞いた。母は父と恋に落ちた。王都の騎士との恋。私は母と同じ過ちを犯した。

 母は王都に呼ぶと言った父の言葉を信じた。私を身ごもっていると分かったのは父がルクラを去ってからだった。母は知らせは出さずずっと父からの連絡を待っていたらしい。

 でも、父は二度と連絡を寄越さなかった。

 母は私を産み周りから白い目で見られても私を育ててくれた。私が生まれて頃は母の父も生きていて薬草店やっていたので食べるには困らなかった。

 そして私が5歳の時祖父も亡くなってそれからは母と二人慎ましく生きて来た。

 恋なんかしなければ良かった。

 後悔しても一度知った恋しい気持ちはどうする事も出来なかった。私はただ嵐が過ぎ去るのを待つようにじくじくした痛みを抱えながら時を過ごした。



 それから1年が過ぎた。

 また星祭りがやって来る。

 街は賑わい人々が行きかい王都の騎士達が大通りにもちらほら見えた。

 私はルカを思い出しそうになり昼間は殆ど店から出ないようにした。買い物も早めにすませ近所の人と立ち話をするのさえ早めに切り上げた。

 

 明日はいよいよ星祭りの日。私は早めに店じまいをした。

 街中が浮かれてこんな日に薬を買いに来る客はもういない。

 夕焼雲がきれいで明日はいいお天気になるだろうと思った。

 そう言えばルカと一緒に出掛けた事があった。

 あの日も夕焼けがきれいだった。

 ルカの栗色の髪がオレンジに輝いていると言ったらルカが私の髪の方がきれいだって言って丘の上で初めてキスをした。

 ルカが差し出した手はわずかに震えていて、こんな美しい人が初めてでもないだろうにと思った。

 彼の手が私の顎に添えられて私はそっと上向いた。彼の灰青色の瞳が真っ直ぐ私を見つめていてかっと頬が熱くなった。

 そのまま目を閉じると彼の気配が近付いて唇が重なった。少しかさついた唇がほんの一瞬触れただけのキスだった。

 もう、私ったら星祭りのせいかおかしな事を思い出した。



 突然扉を叩く音がした。

 「すみません」

 お客さんが来たらしい。私は急いで扉を開けた。

 「あっ!」

 そこには騎士服を着たルカがいた。

 「あの、フローラ、話がしたい。もう、店は終わり?入ってもいいか?」

 どうして彼がここに?今更何の用なの?どうすればいいの?

 一気に色々な疑問が沸き上がった。

 「いえ、あなたとお話することはありません。もう、店は終わりですのでお引き取り下さい」

 冷たい声でそう言ってぎゅっと唇を引き結ぶ。

 扉を引いて閉めようとした。

 「離して下さい。扉を閉められません!」

 動揺して悲鳴に近い声が出た。







 








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