2意外といい人かも
それがルカとの最初の出会いだった。思えばお互いあまりいい印象ではなかった。でも、その数日後ルカが私の店にやって来た。
「いらっしゃいませ」
私はいつものように客を出迎えた。
「あなたはあの時の‥」
ルカは騎士隊の服を着ていてひとりで店の中に入って来た。
すぐに声をかけるのをためらっているかのように大の男がもじもじとしながら髪の毛をかいている。
「あの‥」
何か言いたいのだろうがあんなことがあって言いにくいらしい。
ここに来ると言う事は何か困っているのかもしれない。私は薬師、気に入らないからと言って追い出すような事はしない。
私は思い切って声をかける。
「何か御用ですか?」
「あの‥この前は手当てありがとう。あんたが言ったように3日ほどしたら痛みも引いてすっかり良くなった。あの時はあんな言い方して悪かった」
素直に謝られ整った顔でにっこり微笑まれると悪い気はしなかった。
私はいつから面食いになったのだろう。
「いえ、具合はもういいんですか?」
「ああ、この通り」
ルカが目の前でぴょんぴょんはねて見せる。
「ああ、あまり無理はしない方が‥」
私はわかったわかったとばかりにわたわたと手を前に差し出す。
「ㇰッ!あんたやっぱりいい人だな。あんな悪態付いた俺をまだ心配してくれるなんて。俺はルカ・ジーボルト。子爵家の次男で王都騎士団の騎士。ここには任務できたんだ。これからよろしく頼む」
「わ、わたしはフローラと言います。生まれも育ちもルクラで王都の事は知りません。だから失礼な事を言ったかもしれません。ごめんなさい」
「そんなの、俺の方こそごめん。フローラか、いい名前だ。それでフローラはここをひとりでやってるのか?」
「はい、母は薬草店を営みながら私をひとりで育ててくれてそんな母も数年前に亡くなって、私がここを引き継いだんです。まだまだ半人前なんですが」
「そんな事。騎士にあれだけはっきりものを言えるなんて大したもんだ」
ルカがはっきりそう言った。お琴の人にこんなふうに言われたのは初めてだった、褒められてるのか嫌みなのかわからないがとにかく身体が熱くなった。
「そんな事‥」
ぶわっと顔が火照るのがわかる。
それをきっかけにルカは時々薬草店に顔を出すようになり、その内一緒に夕ご飯を食べに行ったり時には私の家で夕食をごちそうするようになって行った。
ある日の夕食後ルカから聞かれる。
「フローラ。今度の星祭り一緒に行かないか?」
「ええ、ルカ。それってもしかして?」
「ああ、俺、君との事本気なんだ。だから星祭りで誓いたいんだ。フローラとの事。いいかな?」
「ほんとに?わたしでいいの?」
「当たり前だろう!君しかいない」
「ルカ。うれしい。一緒に星祭り行く」
「ああ、約束だ」
この時初めてルカが私の手を取りそして指切りをして星祭りの夜一緒に願いをしに行く約束をした。
アルベガ国の宗教では7つの星神様がいる。
太陽の神。陽星神様 光を司る
月の神。 月星神様 夜を司る
土の神。 土星神様 大地を司る
水の神。 水星神様 水を司る
木の神。 木星神様 植物を司る
火の神。 火星神様 炎を司る
金の神。 金星神様 鉱物を司る
これらの神が国を作ったとされた。そして一年に一度7つの星が一列に並ぶ。それが星祭りの日なのだ。
この日は国中がお祭りとなり、人々は思い思いの願いを聖星教会に捧げる。その日に願い事をすれば必ず願いは叶うと言われている。
だから恋人同士は将来を誓う願いを。
片思いの人は思いが叶うようにと。
他にも就職祈願。病回復祈願などなどいろいろな願いをする。
私はルカが私との将来を考えているのだと確信した。




