ー【第4節】優雅なBBQを邪魔するKYな魔物たちに、本気でキレそうになった話
第4節 優雅なBBQを邪魔するKYな魔物たちに、本気でキレそうになった話
夕暮れ時。
俺たちの前には、極上の海鮮BBQが広がっていた。
マリモが物理で仕留めた虹色マグロのステーキは、口に入れた瞬間にとろける極上の脂。俺が採取した謎のスパイスをかければ、もはや暴力的なまでの美味さだ。
「うんまぁー! これだよこれ! 王都の飯なんてゴムの味しかしなかったからな!」
「主よ、それは言い過ぎだが、同意する。やはり魔力そのものを食らうのは最高だ」
俺たちはエールを片手に、グラン・ブルーの夜空を見上げた。
星が降ってきそうなほどの満天の星空。波の音。最高の食事。
まさに、至福の時間。
――ザザァッ。
不穏な音が、波打ち際から聞こえた。
「……あ?」
俺とマリモは同時に食べる手を止めた。
海から這い上がってきたのは、ヌメヌメした半魚人の群れ。しかも目が赤く光っている。
【鑑定】結果――『変異種・深海サハギン』。推奨討伐レベル80。
それが百体以上、俺たちのBBQを狙って涎を垂らしている。
「……なぁマリモ。俺たち、今バカンス中だよな?」
「うむ。労働基準法(?)に基づき、完全オフのはずだ」
「だよな。なのに、なんでこういう空気読めない連中が湧いてくるんだ?」
俺は飲みかけのエールを置き、静かに立ち上がった。
手には、ミスリル合金を錬金術で極限強化した愛用のナイフ。
「主よ、どうする? 一掃するか?」
「当たり前だ。俺の平穏な休日を邪魔する奴は、例え魔王だろうが許さん」
俺はニヤリと笑った。
かつて宮廷で『泥ポーションの錬金術師』と蔑まれた俺だが、戦闘力が低いなんて言った覚えはない。
「悪いが、お前らは素材になってもらう。アッシュバーデンの堆肥としてな!」
こうして、俺たちの熱い(物理)夜が幕を開けたのだった。




