ー【第3節】アルス、アピスを守るために奮闘。しかし圧倒的な戦力差に追い詰められる
第3節 アルス、アピスを守るために奮闘。しかし圧倒的な戦力差に追い詰められる
「アピス! 早く神殿の中へ!」
俺は背後のアピスに向かって叫んだ。
彼女は顔面蒼白で立ち尽くしていた。
「でも……あたしが逃げたら、アルス様たちが……!」
「俺たちの心配はいい! お前を守るのが優先だ!」
俺は短剣に魔力を込め、迫りくる触手を斬り落とした。
だが、その隙を突かれ、別の触手が俺の脇腹を掠める。
「ぐっ……!」
激痛が走る。服が裂け、赤い血が滲む。
毒はないようだが、腐食性の粘液が傷口を焼くように痛む。
「アルス様ッ!!」
アピスの悲鳴。
俺は痛みを堪え、再び構え直した。
「大丈夫だ……これくらい、かすり傷だ!」
強がりを言ってみせるが、状況は最悪だ。
海魔はさらに巨大化し、今や神殿を見下ろすほどの大きさになっていた。
その身体から伸びる無数の触手が、俺たちを包囲するように展開していく。
「主よ、退くぞ! 一旦空へ逃げて体勢を……」
マリモが提案するが、俺は首を横に振った。
「ダメだ。俺たちが逃げたら、アピスが……この神殿が飲み込まれる!」
俺はアピスの方を振り返った。
彼女はこの神殿から出られないと言っていた。もし神殿が破壊されたら、彼女はどうなる? 消滅してしまうかもしれない。
そんなことは絶対にさせない。
「俺が食い止める。マリモ、お前はアピスを連れて上空へ避難しろ!」
「なっ……正気か!? 一人で勝てる相手ではないぞ!」
「やるしかないんだよ!」
俺はポケットからありったけのポーションを取り出した。爆発系、凍結系、麻痺系。
錬金術師としての全てを賭けて、この化け物を足止めする。
その覚悟を決めた時だった。




