35 紫石の覚醒
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「オラァァ!!」
怒りのままに怪物に飛びかかる蝶々
しかし…
―フンッ…!―
バゴーーン!!
2mもの巨体を誇る怪物は、軽く足を振り上げただけで蝶々のことを軽く蹴り飛ばした
―感情的になっちゃって、そんなんじゃこいつみたいに食われるだけだ―
2mもの巨体の怪物が近づいてくる…
「あの時とは違って1人での戦い…あの怪物を倒すためには…これしかない…!」
蝶々は忍ばせていた紫の石を取り出した
―!?何故お前がそれを…!―
「頼るしかない…はあっ!!」
紫の石が眩しい光を放ち、蝶々の身体能力が格段に上昇する
シャキンッ…!
「死にやがれ!!オラァァ!!」
蝶々は怒りのままに何度も斬りつけた
―ガアァァァ!!ギィアァ!!―
ズザァズザァズザァッ!!
怒りのままに斬り裂き続ける蝶々…
もうすでに元の形が分からない程にまで斬った
「オラァ!オラァ!はあぁ、はあぁ、オラァ…!」
全てが静まりきった後、膝から崩れ落ちる蝶々
「間に合わなかった。誰も救えなかった…」
蝶々は悲しみに暮れていた。すると…
キャアアア!!
遠くから聞こえてくる谷口の悲鳴が、蝶々を現実に引き戻した
「谷口…?」
か細い声で言うと、立ち上がった
………………
―ガアッ!!―
谷口に襲いかかろうとしている怪物達…
「や…やめて…」
シュバッ…!!
するとそこに猛スピードで蝶々が現れる
「ラァァ!!」
ズザァッ!!ズザッ!ズバァッ!!
―ガッ!―
バタッ…
怪物は斬られると、その場で倒れて死んだ
周りにいた他の怪物達は、そんな蝶々の姿を見て恐れる。震える足で後退りをしどこか遠くへと走っていった…
「蝶々…?何それ」
蝶々の刀さばきを見て不思議がる谷口
「怪物が持っていた石を使ってしまった…怒りにまかせて使ってしまった」
「何も起きなければいいんだけど、まぁ助かってよかったよ」
「おいおい、いったい何が起きてんだよ」
山城達も来た
「ちょっと疲れた…休ませてほしい」
ザッ…ザッ…
トボトボと家に戻っていく蝶々…
………………
―どうだ、順調か?―
サドは色んな怪物を率いている
中には空間の怪物や、鋼鉄の怪物、修羅の怪物もいた
彼らは現在の頃よりも一回り小さかった。それはアイゼスから力をまだ貰ってなかったから。彼らはサドをリーダー的位置に見立てて話し合いをしていた
するとそこに、蝶々から逃げてきた対応怪物が走ってくる
タッタッタッ……
―ハアァ、ハアァ、ある人間が紫の石を所持していました…―
―なんだと?そいつの名はなんだ―
サドは聞いた
―確か、蝶々だった気がします。私が行ってきた村に生息していました!―
―石を持ったやつを殺すのは、ヒミら如きじゃできない―
―人間界はアイゼスの世界とは違い、俺らの身体能力が落ちてしまう。だが相手は人間だ。舐めてかかっても殺せる―
サドは蝶々達を殺すのを楽しみにしていた
………………
何日経っただろう…
蝶々達はずっと家で身を隠していた
村の人達は蝶々達を除いて全滅しており、彼らは孤独感を感じていた
蝶々はボッーと一点を見つめている…
すると、
タッタッタッ
ガラガラ…
深刻そうな顔をしながら谷口が扉を開けて入ってきた
「遠くからあいつらが来た…!早く準備して!」
「またかよ……他のみんなには伝えたか…?」
「まだ、今から行くところ」
「俺は向かうから早く避難しといて」
蝶々は走って外に向かっていった
………………
ザッ…ザッ…ザッ…
―さぁさぁ、ようやく辿り着いた訳だが…―
サドを先頭に、後ろから空間の怪物や修羅の怪物らがついてくる
―ダガ、人間如キニ石ヲ奪ワレルナンテナ…―
鋼鉄の怪物が呟く
―慎重にいかないでもっと大胆にいけば良かったんだよ。人間如き攻めれば勝てるんだから―
修羅の怪物が言う
―前見ろ、自ら来たらしいぞ馬鹿が!!ハッハッハッ!!―
サドは、前から蝶々が歩いてくるのを気づく
ザッ…ザッ…
怒りにまみれた蝶々は、全く怪物に恐れていない
シャキンッ…!
刀を構える
「前の奴よりかは少し見た目が違うな…だから何だっていう。殺すことに変わりはない…!」
―石を持った事で調子に乗った小僧、後悔することになるぞ!!皆かかれ!!―
サドの命令通り怪物達は向かっていった。先頭を走るのは修羅の怪物
―俺の一撃をくらいやがれ!!―
拳を強く握り襲いかかった
蝶々はその攻撃を華麗に避ける
「はっ!!」
蝶々は構えていた刀で修羅の怪物に攻撃
ズザッズザッ!
―オラァァ!!―
すかさず反撃の拳を振るおうとする。だが、俊敏な蝶々相手には当たらない
―あたるまで殴り続けてやる!オラァ!くたばれ!―
ヒュンヒュンッ!!
バンッ!!
遂に一発攻撃をあたえることに成功する
ドサッ…!
蝶々は、地面に背中から落ちてしまった…
そのチャンスを逃すまいと修羅の怪物は走って近づいて来る。拳を強く握りしめすぐにでも殴れる、そんな体勢をとった
―所詮はそんなもんなんだよ!!ハアッ!―
だが、蝶々は高く飛びその攻撃を避けた
修羅の怪物の首元まで飛ぶと、持っていた刀で斬りつけようとし始める
「無謀な攻めだ…」
シャキンッ…!
「くらえ!俺の刀を!」
バーーン!!!
―グハッ!!嘘だろ…おい…―
もろにその攻撃を顔面でくらった
修羅の怪物は、そのせいで口から茶色の石を吐き出してしまう…
―ガハァ!―
パシッ…
蝶々はそれを見逃さなかった、石を瞬時に掴み取った
「2つ目…」
するとそこに、応戦をしにきた空間の怪物がくる
―ハアッ!!―
バシンッ!バーーン!!
蝶々は吹き飛ばされる…
ザザッザッ…ズザザッ…
「がはぁっ…!くそ、危ねぇ」
「だけど、2つ目は頂いたからな」
―応戦してくるのが遅いんだよ…!―
悔しさをあらわにする修羅の怪物…
―アイゼス様から貰ったあの石を無くすわけにはいかない…!取り返すためにも本気を出させてもらう―
―白の石!―
サドにオーラが纏う
「俺に石を奪われて不幸だったなお前ら。お前の持って持ってるその白い石も奪ってやるよ…!オラァ!」
バッ!!
蝶々は向かっていった
―今までとは違う、ハアッ!!―
ボンッ!!
サドは身体から衝撃波を放ち、蝶々を吹き飛ばす
―お前を倒してこの石をもっと成長させる。そして、誰も勝てないくらいに最強になる―
「まだだ、まだだ…!オラァ!!」
―ならこちらも対応するだけだ。ハッ!―
ボンッ!!
サドは再び衝撃波を放った。蝶々はまた吹き飛ばされてしまう…
「くそっ…全く近寄れねぇ…」
「でも2つ目の石もとれた事だし、逃げるのもいいかもしれない…流石にあの量をさばき切ることは出来ないからな」
蝶々は後退りし、その場から去ろうと後ろを向いた。すると…
目の前には、山城と谷口、海人と藤城を連れてきた対応怪物達が現れる
彼らは人質として捕らわれていたのだ…
―ハッハッハッ!!でかしたぞヒミ達―
サドはご機嫌な様子
―ほぉ…予想外でしたが素晴らしいですね―
―あいつはどうせ仲間を捨てるなんて出来ない。手っ取り早く石を返すと良いよ―
空間の怪物は言う
―そうだな。石を私達に返してくれるか、それとも目の前で仲間を食い殺されるか。少し考えれば分かる簡単な二択だ―
サドは蝶々に近づいていった
「嘘だろ…みんな…」
―早く決めろ!生きるか死ぬか―
修羅の怪物が言った
「絶対にみんなを生きて帰らせる。そして石も奪われるわけにはいかない」
蝶々は刀を構え、山城達を拘束している対応怪物に向かおうとした
しかし…
背後からサドが飛びかかってくる。すると、尾を振り回し蝶々にぶつける
バシンッ!!
「ぐはぁっ!!」
バタッ…
―分かった分かった。お前は殺されたい様なんだな―
―じゃあ食い殺してしまえ!やってやれ―
サドは笑みを浮かべている
「やめろ…そんなことしたら、お前らを絶対に許さないからな!」
手を伸ばすが届かない…
たが蝶々は諦めない、地面を這ってなんとしてでも助け出そうとしている
バッ!!
すると、山城達を拘束している対応怪物達の背後から何者かがやって来た
シャキンッ…!ズバァッ!ズバァッ!!
山城達を拘束していた怪物達は、次の瞬間バラバラに斬られた
なんと、3人の謎の侍が助けに来たのだった
彼らは、石を持っているわけでもないのに異常に身体能力が高く、機敏な動きをしている
「生き残りたくばこっちに来るといい」
「羽水将軍が統治するあのお屋敷に逃げれば、一応は安心だ」
そう言い、謎の侍は蝶々に手を伸ばした
蝶々はその手を掴み立ち上がる
―なんだあいつらは?石は持っていないはずだぞ…―
タッタッタッ…!!
蝶々達はその場から急いで逃げる
謎の侍の内の1人は、逃げずにサドに向けて挑発する
「これが人間だから」
すると、着ていた服を掴み、腹の部分をチラッと見せつけた
―なんだあれは…―
その侍の腹には、グロテスクな紫の何かがあった…
「この戦い、必ず私達が勝つ。こっちにも秘策ってものがあるんだよ。ふっ…」
そういい捨て、後ろを向いた。そのまま蝶々達の後を追うように逃げた
―あいつは怪物なのか…人間なのか……―
―まぁいい、敵意を見せてきたんだから排除する以外選択肢は無いだろう―
―そんな事より石だ!石を取り返せ!!―
修羅の怪物はとにかく怒っている
過去回想




