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34 人間じゃなくなった日

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俺は蝶々、

そしてこれは1820年の日記


蝶々は小さい頃、日記を書くのが趣味だった。暇さえあれば筆を手にしていた

幼馴染の谷口、山城、藤城、海人。彼らとは、勉強小屋で毎日机を並べていた

その小屋は広くもなければ狭くもなかった。けれど、そこで過ごす時間は何よりも大切だった


それから4年――20歳を迎えた頃、運命の日がやってきた



 

  

事件当日…

勉強小屋へと向かう蝶々、海人達に会いに行った

彼らと話をしている時間は本当に楽しく、時間もあっという間に終わると感じるほどだった


今日は1時間目から刀を扱う練習のために外に出ていた

何かあったときに自分を守るための練習


「なぁ蝶々、俺達が本当に刀を振るう日が来ると思うか?」

藤城が聞いた


「大人になったら使うんじゃね?分からんけど、まぁこんな物使わないくらい平和な世の中になってくれればいいけどね」

蝶々は言った


「ホントだな」


 

そこに海人がやってくる

「おぉ!2人とも楽しくやってるね」


「サボってないでお前もやれ」

藤城が言った


「はいはい、わかりましたよ」





 ………………

 

勉強小屋の少し遠くに場面が移る…

 

急に辺りが暗くなり始め、冷たい風が吹き荒れる。木々がざわめき鳥が飛び立っていった


暗雲を裂き、そこからアイゼスが姿を現した

その後ろから修羅の怪物や、鋼鉄の怪物、空間の怪物や裏切りの怪物、変身の怪物達も姿を現す


そして追加で対応怪物達も解き放たれていった…



 ―アイゼス様、この人間界を支配した後は何をなさるおつもりですか?―

昔の頃の長がアイゼスにすり寄る

この頃はまだアイゼスに力を貰っていなかったので、2mほどの小さいワーム型怪物だった

こいつが長になるのは人間達に封印されてからの話なので、名前はサドという名前のまま


  

 ―この世界を支配し侵食させろ。こんな奴ら簡単に倒せるに決まっているだろ―

当初の目的はショータイムとかはどうでもよく、ただ人間界の領土が欲しかっただけだった


 ―この白の石さえあれば余裕ですかね…―

そう言い、サドは地面に潜っていった…



 ―始めよう―

低く響くアイゼスの声が辺りに広がった

 


 ………………




 

 キャアアア!!

勉強小屋内に響く叫び声…


「いったい、なんだ…」

屋外にいた蝶々達は不思議がる 

そうして彼らは、刀を持ったまま屋内に戻っていく…



  


 トコ…トコ…

蝶々達5人と、同じ授業を受けていた他の生徒が小屋に戻っていく…

「なんで誰もいない…おかしいだろ…」

誰もいなくなってしまった様だ…


勉強小屋には教室が全部で5つあり、蝶々達はその全ての教室にそろりそろりと入っていった…

「やっぱり誰もいない…こんな数分で消えるなんておかしいだろ…」


そうして、怪しい雰囲気の中、蝶々達は4つ目の教室に入ることにした

彼らは入って探索していると、掃除用具入れの中に何か気配を感じると谷口が言い出し、そのまま躊躇なく開けやがった


するとその中には、その教室の生徒らしき人が入っていた。なぜだか身体が震えている…

「怪物が…みんなを襲ってきたんだ…俺もいずれは殺されるのか……」

そう言いながら下を向きながらうずくまっている…


「なんの話をしているんだ?何か知っているのか?」

山城が訪ねる


するとその男の人は、顔を上げて話をしてくれるという

しかし、その男が顔を上げると、急に黒板方向に指を差し始めた

「いる…いる!!」


全員がその方向を向いた


するとそこには1体の対応怪物がこちらをみていた

2mくらいの異形な見た目 

 ―まだ生き残ってたか…!ヒヒヒ―

そう言うと、蝶々達5人と同じ授業を受けていた他の生徒1人を掴み出し、顔から捕食し始めた


「な…なんだあいつ…!みんな逃げるぞ!早く逃げるぞ!」

蝶々達はいち早くに一斉に逃げ始めた


しかし怪物は、掃除用具入れに飛びかかり、震えている男の子を食ってしまった…

 ―まだ食わないと…この世界を支配するためにも…―

そう言うとその怪物は急いで追いかけに行った


 

 タッタッタッ…!!

勉強小屋から脱出し外に出た

門から出れば後は大丈夫、そう思っていると…

 ドシン!ドシンッ! 

追いかけに来た対応怪物…

 ―食って食って強くなるぞ―

生徒Aと生徒Bを掴み出した…

 ガブッ!!ゴブッ!


「ハア…ァァ…」

蝶々達は、恐怖と疲れから呼吸が乱れる

仲間2人が食われているところを強制的に見させられるのだから…


 ―ガブッ!ガブッ!―

捕食している…

 ―人間って弱いな。ヒヒヒ―


「このままじゃ食われる…なら、せめて一撃だけでも…!」

生徒Cは震える手で刀を握り直し、握りしめた刀を、怪物の頭めがけて渾身の力で突き刺した


刀が突き刺さる鈍い音がした

 ―ギガァッ!!―

怪物は大きくのけぞった



生徒Cは刀を抜き、再び刀で刺そうとした。しかしそれは避けられてしまう…

最後の力を振りしぼった彼はそのまま飲み込まれていった


 ―最後の力って言ってようやく攻撃出来るレベルなんだよなぁ。まぁ所詮は俺の力の源に変わるだけ…ヒヒヒ―


 シャキンッ…!

「斬り裂いてやる…どうせ死ぬならあがいてやる…!」

残されてしまった蝶々達は、それぞれ刀を構え始める…


 ―意外と立ち向かってくるんだな。面白い、やってやろう―


「ハアッ!!」

 

 ―効かん!―

 バシーーン!!

向かってくる蝶々を手で払う

蝶々は避ける間もなく吹き飛んでいった

 ―支配されるのも時間のうちだ…―


  

 ブサッ!!

藤城が怪物の背中に刀を差す突き刺す音…

 ―ウガッ…!人間のくせにやりやがって…―

後ろを振り返って襲いかかろうとした。すると、


 ブサッ!!

次は海人が背後から刀で刺した

 ―ふざけやがって…!オラァァ!!―


 バーン!!バゴーン!!

怪物は海人を吹き飛ばした


 

だが、負けじとくらいつく蝶々達…

殴られようとも関係ない、刀でめった刺しにするために走り出した


  

 ―グガァァ!!―

怪物は一人一人身体を掴み、力のままに地面に投げつける

 ―何故逃げないこいつら…!食われたいのかこいつらは!―


「俺ら人間の世界を守るためだからだよ…!」

蝶々は睨みながら言った

 シャキンッ…!

そして刀を構える

「お前を倒せばこの世の中は平和になる!ハアッ!!」

 

 ―かかってこい…!!オラァ!―

 ガシッ!!

怪物は、走ってくる蝶々のことを掴んだ

 ―ヒヒヒ!ほら見ろ!―

そう言うと、蝶々のことを食べるために、蝶々を顔に近づける


「舐めんなよ」

すると蝶々は持っていた刀を怪物の目に向けて投げ始めた


 ブサァッ!! 

 ―アァ…!ガアァ!!―


蝶々以外の皆が怪物めがけて飛びかかる

「オラァァ!オラァァ!!」

 ブサッ!ブサブサッ!!

食らいついて怪物の身体に刀を突き刺しまくる

怪物は舐めてかかった結果、思った以上におされていた


 ブサッ!ブサブサッ!

 ―ガアッ……ガアァァ!!―

 ボウンッ!!

怪物は身体から衝撃波を放つ。纏わりついていた蝶々達を吹き飛ばした


目に刺さった刀も吹き飛ばし、その刀は蝶々の足元に突き刺さった

 


 ―ガハッ…!ハアァ、ハアァ…―

怪物は、紫色の血を吐きながら、地面に手をついて四つん這いになっている

 ―刀に、圧倒されているだと…ありえない…―



蝶々は足元に刺さった刀を掴み抜いた。そして覚悟を決め、走り出した

 

足元の土を蹴り上げ高く飛び、勢いつけて刀を振るった

「はあっ!!」

 ズバァッ!!

 ―ガアッ!!―

首を斬られて死んだ

 ―ブフォ!―

すると突然そいつの口から紫色の石が出てきた


 

 

「うお!なんだこれきたねぇ…」

蝶々は突然のことで驚いたが、その石からは何かエネルギーを感じたそう…

その石に付着してる液体を拭きまくる


「はあぁ、はあぁ…みんな大丈夫…?」

谷口がみんなに声をかけた

 

しかし、皆それぞれ傷を負っており苦しんでいる様子…

 

「いったいあの怪物は何だ、あいつ1人だけなのか…」

海人が言い出した


「まだ他にいるとしたら、ここに再び来るかもしれない。今のうちに逃げておくか…」


「そうだね…」

蝶々の意見に賛成したみんなは、ここから逃げて家に戻ることにした



 ………………


数分かけ…

 

 トコトコ…

蝶々は自分らの家がある村へと戻っていった

「ここまで来れば安心だろ…早く家に戻って親に会いたい」

蝶々は急いで走った


仲間のみんなはそんな蝶々を追いかける

だが、村の様子がおかしい…何のひとけもない様子…


その不穏さから、仲間は立ち止まりあたりを見回す

だが蝶々はとにかく走った。家族に会いたい一心で…


 

「父さん…母さん…!」

蝶々は急いで家の扉を開けた。しかし、扉を開けた瞬間、鼻をつく血生臭い臭いが襲う


奥の部屋に歩き進めると、そこには2m程の異形の姿をした怪物が家族を貪っていた…


 

「みんな…!自分の家を確認しろ…早く確認しろ!!」

蝶々はみんなに呼びかける


怪物は蝶々に気づき、顔を振り返った

 ―また人間が来た…美味しくいただくとするか―

そう言いながら蝶々の事を見て冷たく笑っている


 

「地獄はまだ…終わってない。あれは、氷山の一角に過ぎなかったってことか…?」

湧き上がる絶望を感じながら、蝶々は拳を強く握った

「許さない、俺の家族を返せ!」

そう叫ぶと、蝶々は怒りで震える手で刀を抜き、生身で立ち向かおうと走りだした

「この地獄を終わらせる…!!」


 

 ―これが人間か、笑える―

生身で来る蝶々に、怪物はどっしりとした姿勢で構える

過去回想

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