10 交差点での戦い
それは朝早くのことだった…
「谷口を捕獲しろ!」
怪物隊の隊長が、一般部隊に向けて命令する
命令を受けた部隊は、音を立てずに谷口の部屋に侵入していく…
「捕まえるぞ…はっ!」
ガシッ!
寝ている谷口を掴んだ
「な…何…?」
なんのことか分からず、谷口は起き上がった。だが谷口はひたすら抵抗し続ける
「お前を逮捕する。ただそれだけだ」
「逮捕?何いってんの!?」
「これを見ろ!」
一般部隊は、谷口にあのビデオを見せた
「何これ…違う!私じゃない…!」
「お前じゃないこと無いだろ!」
「んっ!」
谷口は、部隊の手を振りほどいた
そして谷口は、灰の石を使って窓から逃げていった
「待て!くそ…逃げられた」
「追え!一刻も早く追え!」
次第に、谷口の例の映像が広まっていき大炎上する
怪物隊の有力なメンバーが裏切ったとして、ニュースに取り上げられる
―ふっふっ…完璧完璧。そうやって仲間同士潰し合えばいいんだよ―
変身の怪物は、この状態を楽しんでいる
谷口の目撃情報!!
「谷口は今、山下坂に逃走していきました!」
応接室にいる部隊から遠隔で、隊長に連絡をした
「なるほど分かった!山下坂を探索している一般部隊に注意の連絡を送れ!」
隊長は命令する
「だが、谷口は何故裏切ったんだ…」
バンッ!
凄い勢いで、隊長の部屋のドアが開く
トコトコ…
赤城達が隊長の部屋に入ってきた
「谷口さんはあんなことやっていません!」
「赤城達…」
「仲間を庇いたいのは分かるがな…」
「庇っているんじゃないです!あの映像の谷口は、変身の怪物なんです!」
「怪物…」
葉奈がアリバイとなることを言う
「この映像が撮られた時間帯、私と谷口さんは地下の練習用スペースにいました。カメラを確認してくれれば分かることだと思います」
「それは本当か…すまない、確認不足だった」
「だが、この情報が広まれば国民は分かってくれるはずはず。私も怪物についての知識を得なければならないな…すまない…」
しかしネットの反応では…
変身の怪物?そんなの信じられるか!
炎上をおさめるために言った戯言で草
そんな都合の良い怪物はいないだろどうせ
ん〜…もっと最初から怪物についての情報を知らせてくれれば信じてたかもしれないのにな
事態は全くおさまりそうにない…
ただただ厳しい意見が増えるだけだった…
………………
ザッ…ザッ…
そんな中、谷口は1人むなしく、ひとけのなさそうな場所で身を隠していた
「なんで朝からこんな目に会わないといけないんだよ…」
「なんで私が狙われないといけないんだよ…」
谷口はスマホを開く…
裏切りとかありえない!まじでおかしい
氏ね氏ね!
終わってる。ガチで谷口って奴終わってるわ
ふざけんな!
「なんでこんなこと書かれないといけないの…」
「なんでこんなに苦しいの…見ず知らずの赤の他人なのに…」
グググ……!!
谷口はスマホの電源を切り、強く握った
「もうこんな物あっても意味ない。捨ててやる!」
スマホを持っている方の腕を大きく振り上げた
しかし、谷口は自身の手を止めた
「待って…みんなに分かってもらう方法が1つあるかも」
そう言うと谷口は、スマホをポケットに入れてどこかへと走っていった
タッタッタッ…!!
あった。谷口って奴のSNSアカウントだよ
可愛い人なのに、裏の顔は違かったと…
そうか?俺は別に可愛いとは思わないけど
おいおい。谷口がLIVE機能使ってるぞ。みんな見てみようぜw
LIVE配信中!
「みなさんどうも…谷口です」
「私は今山下坂にいます。そして、奥の方にいるのが変身の怪物です。みなさんは信じてくれますか?」
谷口は山下坂の中にある交差点にいた
カメラの奥の方にいるのは……もう1人の谷口?
いいや違う、谷口に扮した変身の怪物だ
―やはり来たぞ、あいつ。フッフッ…―
変身の怪物は、谷口の姿から鋼鉄の怪物へと姿を変えた
変身の怪物…ガチだった……
ザッ…ザッ…
鋼鉄の怪物に扮した変身の怪物は、だんだんと谷口に近づいていく
―俺はこの時を待っていたんだよ。身の潔白を証明させるためにまんまとここに来てくれたな―
「この時?何をする気だ?」
―教えな〜い。まぁいいじゃん、身の潔白を証明出来たんだし―
シャキンッ…!
「ふざけた真似するようなら…鋼鉄な身体だろうと関係ねぇ、その首斬り落としてやる!!」
谷口は刀を構えた
―かかってこい…!谷口!!―
谷口は斬ろうとし、変身の怪物の周りを飛び回る
変身の怪物は、その攻撃を避けながら谷口を捕まえようとしている
互いに攻撃を避けながら戦っている
するとここで谷口が動く
「鉄の雨!」
谷口は、変身の怪物に向けて技を放った
全て鋼鉄の怪物に扮した変身の怪物の装甲に突き刺さる
―ハハハ!!そんな攻撃は効かない!―
ガシッ!
変身の怪物は、歩行者用信号機を掴み折った
バギィ!!
そして谷口に向けて振り回す
―オラァ!オラァァ!―
「当たるわけあるか…!」
怪物の攻撃を避ける谷口
―まだまだ…いでよ!ザゴ達!―
ゴゴゴ…!
谷口の足元、地面から数体の下級怪物が現れる…
ガシッ!
その下級怪物のうちの1体が、谷口の足を掴む
「この…!死にやがれ!」
シャキンッ!ズバッ!
谷口は、自身の足を掴む怪物の手を刀で斬り落とす
その隙に、変身の怪物の怪物は一気に間合いを詰める
そして持っていた信号機を思い切り振った
―はあっ!―
ブンッ!!
バゴーン!!
「ぐはぁっ!」
バタッ…
「うっ……くそ…」
―蝶々の手下にしては弱いな。オラァ!―
変身の怪物は殴りかかってくる
キンッ!
刀でガードする谷口…
ギギギ…!!
「この…!調子がつかない…」
「くっ…オラァァ!」
バーン!
2人とも弾かれる
―はあぁ…はあぁ…やはりこの世界で戦うのは疲れるな。もうそろ限界が来そうだ…―
「所詮お前は怪物なんだよ!この世界は絶対に渡さない…!くらえ!」
―体力のことを考えると…―
―これが最後の変身だ!ウラァァ!!―
変身の怪物は、空間の怪物の姿に変身した
「鉄の雨!」
―亜空間…!―
変身の怪物は、自身の前に亜空間を開いた
谷口の技は全て吸収される
―はあぁ…はあぁ…!!全て吐き出せ!―
吸収した谷口の技を全て放つ
バババババ!!
「ぐあぁぁぁ!!!」
バタッ…
―はあぁ…はあぁ…!!ぐはっ!―
体力の限界からか、変身の怪物は口から血を吐く
―所詮は人間にすぎない…お前の石を奪ってやる…―
ザッ…ザッ…
「それが狙いなのかよ…」
倒れて動けない谷口…
だんだんと近づいてくる変身の怪物…
―まんまと引っかかってくれたよ。はは…これだよ―
そう言うと怪物は谷口から分離された灰の石を奪ってしまう…
―最後にお前を殺してやる!終わりだ谷口!―
変身の怪物が、谷口を手にかけようとしたその時…
ヒュンッ!
そこに山城がやってくる
「谷口から離れろ!」
バンッ!!
山城は、変身の怪物に飛び蹴りをくらわせる。
その後、自身の刀で変身の怪物を斬ろうとする
―くそ…もう少しだったのに…!―
後ずさりする変身の怪物…
―まぁいい、あいつの石は奪えたからな―
そう言うと変身の怪物は、空間移動し逃走してしまった…
タッタッタッ!
「谷口さん!助けに来ました!」
そこにバロンもやってくる
「ありがとう…でも、私の石が…」
「蝶々が負傷状態の今、それは厳しいかもしれない」
山城は悩む…
「でもそんなことより谷口、1人で悩まないでくれ。俺らは仲間だろ」
「ごめん…本当にごめんなさい…」
バロンが言う
「これから谷口さんはどうするんですか…」
「取り返す…!それしかない」
………………
その日の夜のことだった
ゴゴゴゴ…!!
裏切りの怪物が封印されている地が揺れ動く
「200年の時が経った今、この地は解放されてしまう。やっぱり駄目だったか…」
藤城は諦めたように突っ立っている…
ゴゴゴゴ…!!
バーーン!!
その地から、裏切りの怪物が姿を現した。自力で解放したようだ…
その怪物の見た目は、人の形をしているが腕と脚が無く、1.2m程の小さい身体で、空中を浮くことが出来る
―復讐の時だ…―
ビュゴンッ…!
裏切りの怪物は、もの凄い勢いで山下坂町へと向かっていった
「あいつの復讐が今、始まるのか…」




